
イギリスのエリザベス女王が死去してから9月8日でちょうど1年。2022年9月19日にウェストミンスター寺院で行われた国葬には、日本から天皇皇后両陛下が参列されました。天皇が外国の葬儀に参列することは皇室の慣例からして異例のこと。海外の一部のメディアでも、両陛下が女王の葬式に出席されたことが取り上げられ、イギリス王室と日本の皇室の長年の交流が再注目されました。



家族の一員のように迎えられた英国留学
天皇陛下は1983年に、外務省に務められていた雅子さまは1988年に、オックスフォード大学に留学され、おふたりともイギリスとは深い縁があります。


天皇陛下はイギリスへ留学中、エリザベス女王から茶会に招待されたほか、スコットランドのバルモラル城にも招かれ、バーベキューを楽しまれるなど、家族の一員のように過ごされたそうです。留学を終えた後、「寮の部屋ごと、記念に持って帰りたい心境です」と述べられるほど、特別な時間だったことが伺えます。
40年以上続く、チャールズ国王との交流
その後もイギリス王室との交流は続きます。チャールズ国王は過去に5回、来日。1986年には、ダイアナ妃(当時)と共に来日し、天皇陛下(当時は浩宮さま)が出迎えられ、京都の修学院離宮を案内されました。

チャールズ国王との仲の良さは、会見でのお言葉からも垣間見えました。1993年のお誕生日の会見で、晩婚のお話についてユーモアなコメントをされていました。

「昨年の誕生日会見では、チャールズ皇太子殿下と晩婚の金メダルを争うかもしれないと言われましたけれども<中略>独身生活もあとわずかですが、今どのような感慨をお持ちですか」と記者から問われ、こう答えられました。
「確かに、今おっしゃったように独身時代の長さという点に関していえば、チャールズ皇太子殿下を上回って、言って見れば金メダルに輝くということになったわけですけれども、今、思い返してみても私自身として非常に充実して、そして楽しく、そして有意義な独身生活を送ることができたというふうに思っております」

女王への感謝のお気持ち
雅子さまは、エリザベス女王とお会いになったことはありません。本来であれば、即位後の2020年5月、イギリスを訪問されるはずでしたが、コロナ禍でおふたりの対面は叶いませんでした。

愛子さまが誕生される前、体調に関する報道がされていた中、雅子さまへ「しばらくこちらで暮らしてはいかがですか」と、イギリスでの生活をすすめる手紙が女王から届いたと報じられました。実際にお会いにならなくても、エリザベス女王の配慮が日本の皇室との親交をさらに深くつなげたのかもしれません。
エリザベス女王が亡くなった翌日の2022年9月9日、陛下のお気持ちが公開されました。
「我が国との関係においても、女王陛下は両国の関係を常に温かく見守ってくださり、英王室と皇室の関係にも御心を寄せてくださいました。私の英国留学や英国訪問に際しても、様々な機会に温かく接していただき、幾多の御配慮をいただいたことに重ねて深く感謝したいと思います。
また、女王陛下から、私の即位後初めての外国訪問として、私と皇后を英国に御招待いただいたことについて、そのお気持ちに皇后とともに心から感謝しております」

今後、愛子さまがご両親と同じく、オックスフォード大学に留学するのではないかと報じられています。日本の皇室と英国王室の交流は約150年以上の長い歴史が続いてきましたが、これからもその絆は途絶えることなく、続いていくことでしょう。
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