60代での一人暮らしの日々を綴ったブログが月間60万PVの人気となっているブロガーのショコラさん（68歳）。年金だけで豊かな生活を送っているというショコラさんに、楽しみながら続けている節約術や、老後不安から解放される考え方について聞いた。
現役時代から年金だけで暮らせるかシミュレーション
ショコラさんは50代から月12万円で生活をしている。年金は月13万円弱なので、年金だけで生活できる計算だ。どんな家計のやりくりをしているのか。
「特別なことはしていません。口座引き落としの固定費以外は現金で払う習慣を続けているので、あとどのぐらい現金が残っているか、財布の中身で確認しやすいんです。だから予算通りに収まるのかなと思っています」
12万円の内訳は？
毎月の生活費の内訳は、マンションの管理費・修繕積立金、月割りの固定資産税、水道光熱費、保険、通信費などの固定費が6万円。食費が2万円。外食、交際費、日用品、洋服代などで4万円。これで計12万円。
「社員として働いている時から節約をして、年金だけで暮らせるかシミュレーションしたんです。当時は営業職だったので洋服代はかかりましたけど、それでも月15万円あれば十分でした。65歳を過ぎてリタイアすれば、もっとお金がかからないだろう、年金だけで暮らせるぞと確信しました。その頃にお給料の半分近くは貯金できたので、老後資金も貯めました。
私は42歳で別居して46歳のときに離婚しています。1人で生きていくなかで、お金を大事にしなくては、という気持ちが強くなったんです。元々はショッピングが大好きだったので、別れていなければ、まだ無駄遣いをしていたかもしれませんね（笑い）」
「欲しいものリスト」で浪費対策
還暦を迎えたころに断捨離という言葉を知り、物を減らしてシンプルな暮らしを目指したショコラさんの部屋には、お気に入りの物しかない。
「思い切って荷物を整理したので、それ以降は、絶対にほしいと思った物以外は買わないようにしてるんです。これいいな、と思ってもすぐには買わずに、“欲しいものリスト”に書くんです。時間を置いても気持ちが変わらなかったら購入する。衝動買いしてしまうかたにもおすすめの方法です」
ヤフオクとメルカリを併用
ショコラさんはオシャレ好き。節約をしているとはいえ、好きなものを我慢しているわけではなく、安く入手する工夫をしている。
「契約社員時代のお給料が20万円に満たないぐらいで、アパートの家賃を含め生活費を払うとほとんど残らなかったんです。でも、営業職だから服も必要だしバッグもほしい。そこで、ヤフオクを利用し始めました。正社員になって給料が上がってもその時の金銭感覚が身についているので、正規の値段で買うのがもったいなく思えちゃって（笑い）。今ではメルカリを併用しています。掘り出し物がいっぱいありますよ」
46歳のときに、42平米、1LDKのマンションを購入したのも、老後を考えた節約のためだった。
「81歳までに返済という35年ローンを組みました。ずっと住み続けるなら賃貸よりも安くなると思って。購入時の2003年はマンションが安い時期だったんですね。月々の返済は家賃と同じくらいでしたが、利息は高かったので、ボーナスは使わず節約などを頑張って10年で完済しました。
管理費や修繕積立金、月割りの固定資産税で毎月3万2000円ぐらい払っているのですが、それは仕方がないですね。歳を取ってから部屋を探す心配がないのは、精神面の安定にもなります。
住んでからわかったのですが、このマンションは一人暮らしをしている女性がとても多いんです。私と同じように40代ぐらいで入居したようで、一緒に年を取っていく仲間意識とか安心感につながります。住んでいるかたのことは、だいたいわかっていますからね」