お気に入りのものに囲まれた部屋で自由な時間を満喫し、その日々の生活をブログにつづっているシニアブロガーのショコラさん(68歳)。ほぼ年金だけで暮らしているショコラさんが、慎ましやかで豊かな生き方を語った。
「老前整理」を行い、部屋を好きな物のみの空間に
ショコラさんは60歳のころ、「生前整理」ならぬ「老前整理」を2年かけてすませた。2つの違いは、生前整理は自身の死後に遺族が遺品整理で困らないようにすること。老前整理は自身が老いる前に身の回りの整理をすることだ。
「当時、遺品整理をする番組を見ていたら、何トントラック何台分という大量の荷物が運ばれていて、もし自分に何かあったら、息子たちにお金も労力もかけてしまうなと思い、早いうちに物を減らしたいと考えました。ミニマリストという言葉も流行っていましたしね。お気に入りの物以外は処分したので、部屋がスッキリとしました」
無職になることに不安や抵抗はない
「断捨離と節約をしながらシンプルな生活」をモットーにしているショコラさんは、月額13万円弱の年金で豊かに生活している。
「年金受給が始まる65歳になったら仕事を辞めようと思っていたのですが、パートの仕事もやりがいがあったので、時短勤務にして月8万円の収入を丸々貯金していました。パート代は好きなことに使ってもよかったのですが、50代から月12万円の生活をしていたので、この生活リズムを変えたくないという思いもありました。お金って使いだすと、歯止めが効かない気もするんです。私も若いころは、ブランド物の服やバッグなどで着飾った時期もありましたから、もういいかなって(笑い)」
パートは昨年の3月、67歳で辞めて、収入は年金のみになった。
「無職になることに不安も抵抗もありませんでした。これまで充分働いてきたし、老後資金は貯めてある。2年間のパート収入を貯めた予備費もあります。本当は65歳から年金だけでやっていくつもりだったので、開放感でいっぱいでした」
書き溜めていた「やりたいことリスト」を実行
自由な時間を手に入れたショコラさんは、60歳を過ぎたころから書き溜めていた「やりたいことリスト」を実行することにした。
「50歳の頃にスポーツジムで体験したヨガとフラダンスがすごく楽しかったんですけど、仕事が忙しくて続けられなかったんです。ですので、まずはフィットネスジムに行って、ヨガとフラダンスを始めました。それから、水中ウォーキングにも興味があったので、プールを歩いて、アクアダンスもしています。これらを仕事を辞めた翌月から始めて、今でも週2、3回通っています。
2年前に電子ピアノを買って、小学生の時に習っていたピアノも再開しました。2週間に1度図書館で借りる本も、毎日読んでいます。今はフィットネス代が増えたので年金内におさまらなくて、実際には月13万円近く使っています。予備資金があるので問題ありません」
とにかく旅行がしたい
ショコラさんが「やりたいことリスト」に書いたことは、すでに行動に移した。
「あとはとにかく、旅行がしたいです。日帰りではちょこちょこ行っているのですが、泊まりの旅行は、仕事を辞めてからまだ2回しか行っていません。行きたいところはたくさんありますが、豪遊する気はありませんよ。もし老人ホームに入ることになったら、お金が必要ですからね。
この家でピンピンコロリが理想ですが、そうとも限りません。自分で稼いだお金は自分で使い切って死ぬ、という考え方もあるようですが、何歳まで生きるかわからないから、私は怖くて使い切れません。子供に負担をかけたくありませんから、自分のお葬式代くらい残さないと」