料理・レシピ

料理家・松田美智子さん(69才)、自分のためだけに作った料理を別メニューにおいしくアレンジするテク 鍋料理は煮込みうどんやポタージュに

「おあげと鶏胸肉のひとり鍋」
きつねうどんにアレンジもできる「おあげと鶏胸肉のひとり鍋」
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65才以上の女性の5人に1人がひとり暮らしといわれるいま(総務省調べ)、日々の料理に迷う女性が増えています。毎日の食事が心身の健康に直結する年代である一方、「食材を買っても食べ切れない」、「作る張り合いがない」といった理由で料理から遠ざかる人も。こうした悩みに、40年以上一線で活躍し続けるプロはどう対処しているのか聞いてみました。松田美智子さん(69才)が教える、たんぱく質を取り入れた鍋&スープのレシピを紹介!

自分のためだからこそおいしい工夫を惜しまず豊かな食卓に

「年を重ねて食が細くなってきた大人こそ、豊かな食事を摂ってほしい」と話す、松田美智子さん。

「食材にこだわって、ちょっと高価でもおいしいものを奮発すれば、使い切ろうと工夫しますよね。たとえばお鍋に入れる昆布も、よいものを使えば旨み豊富なだしが取れるし、後で佃煮にすれば、最後までおいしく食べられます」

「簡単、手抜きでおいしいものを作るのは難しい」とも言う。今回の料理にも、鍋に入れる前の油揚げをカリッと焼いてだしを染みやすくする、鶏胸肉を叩いて硬くなるのを防ぐといった、細やかな工夫が随所に。

鍋を作る女性
鍋とリメイクレシピを教えてくれた松田美智子さん
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「育ち盛りのお子さんが何人もいるご家庭なら別ですが、大人が自分のためだけに料理を作るなら、最初はきちんと作って、それを別のメニューに展開して食べ切るのが賢いやり方。料理は科学なので、おいしくなるのには理由があります。納得できる工夫は取り入れると、食卓が豊かになりますよ」(松田さん・以下同)

1日1食の大豆食品は欠かしません

松田さんは65才を過ぎてから、筋肉や血液など体を作るために欠かせないたんぱく質を、特にしっかり摂るよう心がけているという。

「肉や魚といった動物性はもちろん、大豆製品に含まれる植物性も1日1回は必ず摂ります。大豆は認知症予防にもいいそうですよ」

豚肉は良質なたんぱく質 残ったらポタージュに

柔らかく煮込まれた野菜が残ったら、攪拌してポタージュに。「お肉も一緒にハンドミキサーにかけるといいですよ。たんぱく質たっぷりなポタージュになります」

【鍋】「おあげと鶏胸肉のひとり鍋」のレシピ

ていねいに仕上げた具材を豊富な薬味で味わう。

「お鍋ひとつでも、3種類の食感が楽しめる食材を組み合わせるようにしています。薬味は、初めは塩やごま油、次に香味と徐々に味を強くしていくのがおすすめです」

きつねうどん
翌日はうどんでアレンジ!
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《材料》(1人分)

鶏胸肉…中1枚 塩…小さじ1/2 油揚げ…2枚 春菊…1束 青ねぎ…2〜3本

【A】水…2カップ 酒…1/2カップ しょうがのみじん切り…大さじ1 塩・ごま油・針ゆず・ゆずこしょう・ポン酢しょうゆ・さらしねぎ…各適量

《作り方》

【1】鶏胸肉は皮と脂を除き、筋の部分から縦に観音開きにする。ラップに挟み、肉叩きなどで3mm厚さにのばし、4〜5cm角に切る。塩を両面に振り、ペーパータオルに挟んで水気をおさえる。油揚げは魚焼きグリルで香ばしく焼き、2cm幅に切る。春菊は軸下を落とし、茎と葉に切り分ける。青ねぎは軸下を落とし、6cm長さに切ってから縦半分に切る。

【2】土鍋に【A】を入れて煮立て、半量の鶏肉を加えて火を通す。春菊の茎から野菜を好みで加えて火を通したら、薬味をつけながらいただく。

シメはおぼろ豆腐で

鍋を食べ終わったら、一度煮汁を沸かしてあくと野菜くずを除く。おぼろ豆腐適量を加え、好みの薬味でいただく。

おぼろ豆腐を入れた鍋
おぼろ豆腐を投入
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「木綿などの硬いものではなく、おぼろ豆腐にすることで、おつゆを飲むようにスッとお腹におさまります」

翌日は煮込みうどんに

鍋の煮汁に水と酒各適量を加え、ナンプラーで味を調える。茹でたうどんを加えてさっと煮たら、残った油揚げやねぎなどをのせる。

「土鍋に残った煮汁は鍋ごと冷蔵庫に保存して、翌日そのまま調理できます。小さな土鍋は保存容器としても、調理器具としても優秀です」

【鍋】「ポトフ風洋風鍋」のレシピ

塊肉に見立てたロール肉で深い味わいに。

「塊肉ではなく、巻いた薄切り肉を使うことで火が通りやすく、食べやすくなります。肉に塗ったマスタードが旨みに」

「ポトフ風洋風鍋」
「ポトフ風洋風鍋」
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《材料》(1人分)

豚肩ロースしゃぶしゃぶ用…400g 塩…小さじ1/2 こしょう…少量 フレンチマスタード…大さじ2 薄力粉…適量 じゃがいも(メークイン)…中2個 セロリ…2本 ペコロス…8個 にんじん…中1本 オリーブオイル…大さじ1 にんにくみじん切り…小さじ1
サワークリーム…1/4カップ みじん切りパセリ…大さじ1 粒マスタード…適量

【A】チキンスープ…2と1/2カップ 白ワイン…大さじ3

《作り方》

【1】豚肩ロース肉は7cm幅、15cm長さに整え、3〜4枚を重ねて並べる。両面に薄く塩・こしょうを振り、フレンチマスタードを上面に薄く伸ばす。手前から空気を抜きながら巻いたら、巻き終わりを下にして薄力粉を全体に薄く振る。

【2】じゃがいもは皮をむき、半分に切って面取りする。セロリは筋を除き、10cm長さに切る。ペコロスは上下を切り落とし、皮をむく。にんじんは皮をむき、縦半分、横半分に切って面取りする。

【3】土鍋(または厚手のホーロー鍋)にオリーブオイルを中火でしっかり熱し、巻き終わりを下にして【1】を並べる。焼き色がつき、肉が固まったら上下を返し、全体に焼き色がついたら取り出す。

【4】【3】の鍋に残った油でにんにくを炒めたら、【2】を加えて炒める。【A】を加えて沸いたら肉を戻して煮立て、一度あくと脂を除いたらふたをして弱火で20~30分煮込む。味をみて、必要であれば塩・こしょう適量(分量外)で味を調える。

【5】パセリのみじん切りは水分をおさえ、サワークリームと混ぜて薬味を作る。

【6】【4】を器に取り、好みで【5】や粒マスタードを加えていただく。

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