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電気代高騰の対策に節約アドバイザーのおすすめは「最新家電への買い換え」 それで本当に“お得”になるのか?

電気料金の領収書
続く電気代高騰の対策には家電の買い替えも?(Ph/photo AC)
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電気料金の高騰が止まらない昨今、とくにこの冬から春にかけての請求金額を見て驚いた人も多いようです。家計を圧迫する電気代対策の一案として、節約アドバイザーの丸山晴美さんは「長く使っている家電の買い換え」を提案します。果たして節約になるのでしょうか。丸山さんに詳しく聞いてみます。

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10年以上使用している家電は買い替えたほうがお得!?

私が家電の買い替えをおすすめする理由は、新しい家電の方が省エネ性能が高く、電気代の節約につながる可能性があるからです。10年前に買ったものと最新家電では、消費電力に大きな差が出る場合があります。

省エネ家電との違いが一目瞭然「しんきゅうさん」

今使っている家電と最新家電の消費電力の違いを知りたいときには、環境省の省エネ製品買換ナビゲーションサイト「しんきゅうさん」(https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/)が便利です。

「しんきゅうさん」の比較イメージ
環境省が公開している「しんきゅうさん」で今遣っている家電とこれから買おうと思っている家電の消費電力を比較!(Ph/「しんきゅうさん」)
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冷蔵庫、エアコン、テレビ、温水洗浄便座、照明器具について、購入年やメーカー、型番などを入力することで、現在使用している製品と購入予定の製品の年間消費電気量や電気代の数値を簡単に比較できます。

冷蔵庫価格の一例
年間で安くなる電気代と家電の金額を比較して検討を(Ph/「価格.com」)
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たとえば、2013年に購入した冷蔵庫を今年別のものに買い換えた例では、年間電気代が最大で9610円節約になります。現状の販売価格は比較的新しいタイプであるため、23万8000円と少し高めで、元を取るためには約25年かかる計算になりますが、型落ちになるのを待って安くなったころに買うとよいでしょう。

約10年が家電の寿命

とはいえ、まだ使えるものを買い替えるのに抵抗がある人もいると思います。そこで、購入から10年を買い替えの目安として提案します。

それは、定格寿命と呼ばれるメーカーが公表している寿命があり、エアコンや冷蔵庫など大型家電の場合は大体10年程度とされているからです。10年ほど使った家電はいつ壊れてもおかしくない状態と考えることができるので、省エネ家電に買い替えることで安心して使うことができます。また、10年を目安に家電購入用の積み立ての計画を立てておけば、いざ買い替えとなったときにも困らないでしょう。

エアコン
家電の買い替えは10年が目安(Ph/photoAC)
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なお、購入から10年以内でも、省エネ家電の新商品に買い替えたほうが低コストの場合もあるので、まずは「しんきゅうさん」で比較してみることをおすすめします。

買い換える際は長期保証付きがマスト

電気料金だけでなく家電自体も値上がりしている今、購入して数年で故障してしまったときに買い替えるのは大変な出費です。そこで、安価で修理に出せるよう、長期保証をつけておくことのがおすすめです。購入時に数千円の追加費用がかかったとしても、長い目で見れば小さな出費で、万が一の備えができます。特にエアコン、冷蔵庫、洗濯機は、単価も修理代も高くなりがちなので長期保証付きにしておくと安心です。

盗電の可能性も 確認するには?

一方、あまりにも高い電気代の請求が続く場合は、盗電の可能性もあります。

電気メーター
盗電が心配な場合はセルフチェックもできる(Ph/photoAC)
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盗電の場合、家中すべての電気を消して、電力メーターを確認してみてください。それでもメーターが大きく動いている、スマートメーターの場合はデジタル表示の数字がカウントされるようなら、ベランダや給湯器、メーターボックスなど屋外にあるコンセントを目視で確認して、あきらかに自分のものではないコードが刺さっている場合は盗電の可能性があるので警察へ相談しましょう。

どれにも当てはまらない場合は保温ポットや炊飯器の保温、ウォーターサーバー、保温便座の保温機能など常に温める状態にある家電製品を多用していないか、もう一度チェックしてみましょう。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/吉田可奈

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