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【海外ご訪問秘話】天皇皇后両陛下、心温まるご交流 馬のプレゼントや療養中の雅子さまを気遣ったご招待も

ニュージーランドご訪問では先住民族・マオリの民族衣装をお召しに(2002年12月13日、Ph/JMPA)
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1年前の9月、エリザベス女王の国葬に出席されるためイギリスを訪問された天皇皇后両陛下。そして今年になってからは、およそ20年ぶりの海外公式訪問となるインドネシアへ。即位後、海外との関係を深めてこられています。今回は、これまで訪問され、親交を深められてきた海外の王室との交流秘話を紹介します。

ご成婚後、初めての海外訪問は中東 オマーン国王から馬のプレゼント

天皇皇后両陛下がご成婚後、初めて海外に訪問されたのは1994年のサウジアラビア、オマーン、カタール、バーレーンの中東4か国でした。翌年の1995年1月にはクウェート、アラブ首長国連邦、ヨルダンの中東3か国を訪問されています。

サウジアラビアのリヤド郊外にある赤い砂漠を散策された(1994年11月9日、Ph/宮内庁提供)時事通信社代表撮影]
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オマーンご滞在中に、国王からアハージージュという名前のアラブ馬を贈られました。

オマーンを訪問された際にはアラブ馬をご覧になった(1994年11月、Ph/時事通信社代表撮影)
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アハージージュが産んだ小馬は豊歓(とよよし)と名付けられ、愛子さまが幼い頃から何度も乗り、親しんだ愛馬となりました。

別れを告げるためアハージージュの子、豊歓に会った愛子さま(2021年5月6日、Ph/JMPA)
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2021年の12月に豊歓が亡くなりましたが、天皇ご一家が2023年4月に栃木県高根沢町の御料牧場に滞在された際、豊歓のお墓に花とにんじんを供えられたそうです。オマーンから贈られたアラブ馬は、およそ30年近くもの間、友好のシンボルとして天皇ご一家から愛されていました。

4月5日、およそ4年ぶりとなるご静養のため、栃木県高根沢町の御料牧場に到着された天皇皇后両陛下と愛子さま
豊歓のお墓参りをされた天皇ご一家(2023年4月5日、Ph/JMPA)
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リラックスされているご様子(2023年4月5日、Ph/JMPA)
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散策されるご一家(2023年4月5日、Ph/JMPA)
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愛子さまのパンツはスリット入り(2023年4月5日、Ph/JMPA)
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散策されるご一家(2023年4月5日、Ph/JMPA)
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→天皇皇后両陛下、「夫婦円満の秘訣」はコチラ

ベルギー・フィリップ国王の結婚式に参列 2002年にはW杯をご鑑賞も

1999年12月には、フィリップ国王(当時は皇太子)の結婚式に参列するため、天皇皇后両陛下はベルギーを訪ねられます。

フィリップ国王の結婚式に参列された天皇皇后両陛下 (1999年12月4日、Ph/JMPA)
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フィリップ国王とマチルド王妃の結婚式のためベルギーを訪問された(1999年12月4日、Ph/JMPA)
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雅子さまは全身ブルーコーデで出席された(1999年12月4日、Ph/JMPA)
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結婚式は首都のブリュッセルにあるサン・ミッシェル大聖堂で行われ、各国から1200人以上の人が参列しました。

パールのアクセサリーでさらに華やかな雰囲気に(1999年12月4日、Ph/JMPA)
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翌年の2000年9月には、フィリップ国王夫妻が来日し、両陛下が葛西臨海水族園を案内されました。その後も皇室とベルギー王室との交流は続き、2002年6月4日には、フィリップ国王ご夫妻とともにW杯の日本対ベルギー戦を観戦されました。

埼玉県さいたま市・埼玉スタジアムにてW杯を観戦された(2002年6月4日)
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ベルギーの国王夫妻と日本vsベルギー戦をご観戦に(2002年6月4日)
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ベージュのジャケット姿で観戦された雅子さま(2002年6月4日)
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雅子さまとマチルド王妃。おふたりともジャケット姿でご観戦(2002年6月4日)
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2002年には、国際親善のためニュージーランド、オーストラリアを訪問された天皇皇后両陛下。

ニュージーランドに到着された天皇皇后両陛下。歓迎式典が行われた(2002年12月12日、Ph/JMPA)
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地元の子供たちと交流された雅子さま(2002年12月12日、Ph/JMPA)
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「ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ」を訪問された天皇皇后両陛下(2002年12月13日、Ph/JMPA)
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雅子さまがまとわれた民族衣装は木の皮で作られたケープ(2002年12月13日、Ph/JMPA)
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現地の人とマオリの挨拶を交わされた雅子さま(2002年12月13日、Ph/JMPA)
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おふたりとも白いジャケットをお召しに(2002年12月15日、Ph/JMPA)
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世界遺産「フィヨルドランド国立公園」を訪れられたおふたり(2002年12月15日、Ph/JMPA)
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フィヨルドの絶景を楽しみにされていたという雅子さま(2002年12月15日、Ph/JMPA)
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「フィヨルドランド国立公園」の中にあるミルフォード・サウンドへ(2002年12月15日、Ph/JMPA)
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野鳥を撮影される天皇皇后両陛下(2002年12月15日、Ph/JMPA)
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オーストラリアで歓迎された雅子さま(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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シドニーにある「タロンガ動物園」を訪問された天皇皇后両陛下(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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シドニーの動物園でワラビーと触れ合われた天皇皇后両陛下(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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ウォンバットを抱き抱えている雅子さま(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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コアラやウォンバットなど有袋類をご見学(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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報道陣の質問に英語で答えられたおふたり(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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小児病院を訪問された雅子さま(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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小児病院で、女の子から折り鶴のプレゼントを受け取られた雅子さま(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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子供たちを抱きしめられた雅子さま(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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小児病院を訪問され、子供たちと交流された。愛子さまのお写真を見せられるシーンも(2002年12月17日、Ph/JMPA)
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オーストラリア戦争記念館を訪問された雅子さま(2002年12月18日、Ph/JMPA)
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オーストラリア戦争記念館では、無名戦士の墓に花を供えられた(2002年12月18日、Ph/JMPA)
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この訪問の翌年、2003年7月に、雅子さまは体調を崩され「適応障害」と宮内庁から発表されました。その後は天皇陛下がお一人で外国への親善訪問に臨まれる時期が続きました。

→皇后雅子さま、麗しきウエディングドレス姿はコチラ

女王からやさしさ溢れるご招待 ご一家でオランダへ

2006年にオランダ王室から、天皇ご一家への招待があり、オランダを訪問されました。雅子さまの療養もかねたご滞在でした。

親密な交流を続けらている天皇皇后両陛下とオランダ王室(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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2006年8月、天皇陛下(当時は皇太子)、愛子さまとともに2週間、ご静養のためオランダを訪れた雅子さま
愛子さまにとっては、初めての海外となったオランダご訪問(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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訪問された翌年の2007年に開かれた天皇陛下のお誕生日の会見で、こう述べられました。

2006年8月、天皇陛下(当時は皇太子)、愛子さまとともに2週間、ご静養のためオランダを訪れた雅子さま
雅子さまとマクシマ妃(現王妃)は淡色のパンツスーツというリンクコーデに(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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2006年8月、天皇陛下(当時は皇太子)、愛子さまとともに2週間、ご静養のためオランダを訪れた雅子さま
ご一家でオランダご訪問。アイスブルーのワンピースがかわいらしい愛子さまと全身ホワイトで統一された雅子さま(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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2006年の夏、家族とともにオランダで静養された雅子さま(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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2006年8月、オランダのベアトリクス女王からの誘いで、オランダでご静養された際の愛子さまとオランダ王室の子どもたち
子供たちもアイスブルーの洋服でおそろいに(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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2006年8月、オランダのベアトリクス女王からの誘いで、オランダでご静養された際の天皇皇后両陛下と愛子さまとオランダ王室の方々
雅子さまも愛子さまも滞在を笑顔で楽しまれた(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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子供たちに目を細める両陛下(2006年8月18日、Ph/JMPA)
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「オランダ行きは、私たちにとって、オランダ王室の方々と交流でき、また、有意義な体験でした。また、雅子の治療にとっても有益であったと思いますし、愛子にとっても様々な新しい経験をすることができ、良かったと思っています」

→皇后雅子さま、シャネルストール姿はコチラ

雅子さまの体調を配慮したオランダ王室 11年ぶりに外国への公式訪問

オランダでの休養から7年後の2013年4月30日、オランダ国王の即位式へ出席された天皇皇后両陛下。マキシマ王妃が直接、電話で雅子さまを招待されたと報道されました。雅子さまの体調へのオランダ側の配慮もあり、お二人そろっての出席が実現し、雅子さまにとっては11年ぶりの外国への公式訪問となりました。

2013年4月28日に東京を出発した天皇皇后両陛下が、日本時間29日未明、オランダのスキポール空港に到着
2013年4月28日に東京を出発したご夫妻が、日本時間29日未明、オランダのスキポール空港に到着(2013年4月29日、Ph/代表撮影)
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天皇陛下はこの年の記者会見で「かなり長いこと外国を公式に訪れていなかった雅子にとっては、大きな決断であり、大きな一歩でしたが、この行事に臨むことが、新たな一歩を踏み出す一つの契機になるのではないかと思い、お医者様とも相談の上で決まりました」と話されています。

2013年4月、国王の即位式に合わせて、オランダをご訪問の天皇皇后両陛下
夫婦水入らずでの外国訪問は実に11年ぶり(2013年4月30日、Ph/代表撮影)
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2013年4月、国王の即位式に合わせて、オランダをご訪問の天皇皇后両陛下
オランダをご訪問。雅子さまの右胸には美智子さまから受け継がれたブローチが添えられていた(2013年4月30日、Ph/代表撮影)
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雅子さまのご体調を気遣われてきたオランダの王室。天皇皇后両陛下が揃って海外へ再び訪問するきっかけを作った恩人といえます。

→皇后雅子さま、ご静養ファッションはコチラ

トンガの王室&国民から温かく迎えられ戴冠式に参列

2015年7月にトンガ王国のトゥポウ6世国王の戴冠式に参列されるため、即位後に初めての外国への公式訪問をされた天皇皇后両陛下。フリーウェズリアン・センテナリー教会で行われた戴冠式では、トンガの王族と共に最前列の席で見守られました。

トゥポウ6世国王の戴冠式にご出席するため、トンガ王国を訪問(2015年7月4日、撮影/JMPA)
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トンガの王族と共に最前列で見守られた(2015年7月4日、撮影/JMPA)
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トンガのご訪問を終えたあと、両陛下のご感想が公開されました。

「トンガ国訪問中には、国王王妃両陛下を始めとする王室の皆様方、ポヒヴァ首相を始めとする政府関係者の方々に心のこもったおもてなしをいただいたことに深く感謝しております。トゥポウトア・ウルカララ皇太子同妃両殿下には、空港にお出迎え、お見送りいただくなど、温かいお心遣いをいただき、戴冠式昼食会の席上などで親しくお話しすることができ、大変うれしく思いました」

即位後初めての公式訪問はトンガ王国(2015年7月4日、撮影/JMPA)
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「今回の戴冠式にあたり、トンガ国は祝賀一色であり、国王陛下への国民の温かい祝福の気持ちを感じました。こうした中でトンガ王室やトンガ国民の皆様に温かく迎えていただいたことを心からありがたく思いました」

2年2か月ぶりの海外公務(2015年7月4日、撮影/JMPA)
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「これからも我が国とトンガ国との関係が深まり、両国国民の友情と交流の絆が更に強まればと願っています。私たちも、両国の親善、友好のために少しでもお役に立てれば幸いです」

トンガでは温かく迎えられたという天皇皇后両陛下(2015年7月4日、撮影/JMPA)
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2019年10月22日に行われた即位礼正殿の儀には、海外からは191か国・機関が参列し、トゥポウ6世国王夫妻も来日されました。

ベルギーのフィリップ国王夫妻も、オランダのウィレムアレクサンダー国王夫妻も、即位のお祝いに駆けつけました。

約5年ぶりの再会を喜ばれた天皇皇后両陛下(2019年10月22日、Ph/宮内庁提供)
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通訳を介さず懇談された(2019年10月22日、Ph/宮内庁提供)
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即位前、そして即位後も国王や大統領など数多くの要人との関係を深められてきた天皇皇后両陛下。これからもインドネシア、イギリスと続き、世界との交流を大切にされることでしょう。

●天皇皇后両陛下とオランダ王室、絆を深めた「17年前の夏休み」と続く交流 雅子さまと王妃は元キャリアウーマンという共通点も

●【ご即位後初の国際親善で海外へ】天皇皇后両陛下、20年前の海外ご公務で見せられたお心遣い 

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