
卓上で料理ができて便利なホットプレートは、忙しい生活の中で、手軽においしい料理を楽しむことができるアイテム。節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんによると、ホットプレート調理は節約の観点でもおすすめだそうです。詳しく教えてもらいました。
一家に一台で大活躍のホットプレート
ホットプレートを持っていても、お好み焼きや焼肉など年に数回しか活用していないという人もいるのではないでしょうか? 実は、使い方次第で食費や時間の節約にもなる、とても便利なアイテムです。
最近はデザイン性に優れたものも多く、卓上にあるだけでテーブルが華やかになります。さらに、一般的な平面プレート以外にも、たこ焼き用やワッフル用などさまざまなバリエーションが登場しており、豊富な料理が楽しめます。そんなホットプレートを活用するメリットは大きく7つあります。
メリット【1】電気調理だからカセットコンロより安い
卓上調理器として比較対象に上がりやすいのがカセットコンロ。カセットコンロの場合はガスボンベを使用しますが、ガスボンベが3本セットで500~1000円程度だとすると、1本あたりの金額は約160~330円(https://enechange.jp/articles/ih-tabletop-stove-cost)。岩谷産業(https://www.iwatani.co.jp/jpn/)によれば、ガスボンベ1本の燃焼時間は強火で約1時間。つまり、カセットコンロのコストは1時間あたり約160~330円になります。

一方で、ホットプレートの消費電力は1200Wほど(https://www.zojirushi.co.jp/syohin/stan/product/hotplate.html)。1200Wの家電を1時間使用した場合にかかる電気代は約37.2円(1kWhあたり31円で試算 参考:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/)のため、ホットプレートのコストは1時間あたり約37.2円。カセットコンロの5分の1程度のコストということになります。
メリット【2】ガス火調理より涼しく、頻繁な換気が不要
夏場は特に、キッチンで料理をしているとコンロの熱で暑くなってきますよね。キッチンにはエアコンの風があまり届かないというケースもあるでしょう。一方、ホットプレートであれば、空調の効いたリビングやダイニングで調理ができるうえ、ガス火調理と比べて周囲が暑くなりにくいです。
また、火を使わない分、部屋の空気が汚れにくいため、頻繁な換気が不要な点もメリット。クリスマスや年末年始に卓上調理器で食事を楽しむにしても、冬の寒い時期に何度も窓を開けることになると少しつらいですよね。頻繁に窓を開けていると、冷暖房の効率も下がってしまいますし、その点でもホットプレートは節約に効果があるといえるでしょう。
メリット【3】外食より安価なのに華やか
ホットプレートを使えば、外食よりコストをおさえつつ、食卓をぐっと華やかにすることができます。例えば、いつもならフライパンで焼いて出す焼きそばや、焼きうどん、お好み焼きも、ホットプレートを使って目の前で調理して出せば、食べる人も調理中からワクワクできて、特別感がありますよ。

【4】プレートを拭けば別の料理もでき、洗い物が少なく済む
普段の料理では品数が増えるほど洗い物も増えますが、ホットプレート料理の場合は一品だけでも十分に見ごたえと満足感があるため、洗い物の量が抑えられます。
また、料理によってはプレートを拭けばすぐに次の料理ができるため、ホットプレート1枚でさまざまな食品の調理ができます。洗い物が少なくなれば、気持ち的に楽ですし、水道代も抑えることができますね。
【5】プレートが豊富でさまざまな料理を作れる
最近のホットプレートにはさまざまなプレートを差し替えて使えるものがあり、多種多様な料理を楽しむこともできます。焼きそばやお好み焼き、餃子は傾斜や凹凸のない平面プレートで、ホットケーキミックスもワッフル型で焼けばカフェ気分でスイーツを楽しめます。

たこ焼きプレートでベビーカステラを作るのもいいですね。また、おでんや鍋料理に使える深鍋のプレートや、蒸し器付きのホットプレートなどもあります。
【6】イベント感があり、土日の出費を抑えられる
節約上手の人は休みの日に家族で買い物に行くことがほとんどありません。家族で買い物に行くと、ついつい余計なものを買ってしまい浪費しやすいからです。外出をせずに土日を楽しく過ごしたい、と思った時にも活躍してくれるのがホットプレート。
ホットプレートでの食事は一種のイベント感があり、外食や買い物をせずとも楽しく過ごすことができます。さらに、焼きそば、たこ焼き、牛串といったメニューを用意すれば、自宅で縁日気分も楽しめるのでおすすめです。
【7】家族全員で温かい食事を楽しめる
せっかく作った料理は、家族に温かいうちに食べてもらいたいもの。一方で、できあがったものから食卓に持っていっていると、すべての料理がそろってようやく自分が食卓につけるころには一部の料理が冷めてしまっていたり、ほかの家族はほとんど食べ終わってしまっていたりすることもあるでしょう。

ホットプレートの場合は食卓で調理しながら食事をすることができるため、家族全員で温かい食事を囲むことができますよ。
ホットプレートが活躍するシチュエーション
さまざまなメリットがあるホットプレート。活用できる具体的なシチュエーションもご紹介します。
【1】ホームパーティーのとき
ホットプレートが活躍する場面といえば、何といってもホームパーティー。家族でちょっとしたパーティーをするなら、複数のプレートを使ってさまざまな料理をすれば特別感が増しますし、パエリアやチーズフォンデュのような華やかなメニューなら、家族以外の人を招待するホームパーティーにもぴったり。一台あるだけで、色々な場面で大活躍してくれますよ。

【2】家飲みのとき
コロナ禍ですっかり定着した家飲みでも、ホットプレートは大活躍。切った野菜やチーズをちょっと焼くだけでもおいしいおつまみになりますし、定番の焼き鳥もホットプレートで焼けばずっと温かいままいただけます。専門店に行かないとなかなか食べられない、もんじゃ焼きやお好み焼きもお酒と一緒に楽しめます。
【3】あれこれ料理をするのがつらいとき
「一汁三菜」という言葉もあるほど、家族の健康のためを思って、毎日さまざまなおかずを作ろうと頑張っている方は多いと思います。一方で、それが毎日続くと時々疲れを感じてしまうこともありますよね。
そんな時にはホットプレートを使うのがおすすめ。ホットプレートであれば、一品だけでも十分に満足感があり、手抜き感を出すことなく食事を用意できますよ。

【4】出費を抑えたいとき
ホットプレートのメリットでもご紹介した通り、ホットプレートは実は節約にぴったりなアイテム。外出せずともレジャー感を出してくれるうえ、カセットコンロよりも低コストで使うことができ、出費を抑えたいと思っている時の強い味方です。
料理が楽しくなるホットプレートメニュー
色々な場面で大活躍のホットプレートは、作れるメニューも多種多様ですが、個人的に最近気に入っているのはタコライス。ひき肉を使うため、比較的低コストで済みますし、適度に野菜も摂ることができます。簡単なわりに豪華に見えるため、子供も大喜びなんです。

このほか、たこ焼きプレートで、ホットケーキミックスと切ったソーセージを使ったミニアメリカンドッグや、ベビーカステラもよく作ります。ホットプレートを使った料理やおやつはアイディア次第で無限大に作ることができます。ぜひいろいろと試してみてください。
ホットプレートを使う際の注意点
そして最後にホットプレートを安全に使用するために注意するべきことを紹介します。
タコ足配線は使わず、単独のコンセントにホットプレートのプラグを差しましょう。そしてじゅうたんやビニールシートなど、不安定な場所や熱に弱い敷物、座布団や畳の上は、器具の故障や火災の原因になります。テーブルなどの固定された場所に設置しましょう。
また、蒸気や熱は壁や家具を傷めたり、変色・変形させる原因になるため、ホットプレートの周りの空間に余裕をもって使用しましょう。使用前には取扱説明書をしっかりと読み、安全においしく、お得に楽しみましょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり