副鼻腔炎の予防に役立つ食材
副鼻腔炎の原因となる、風邪などの感染症にかからないためには免疫力を高めることが有効です。免疫細胞の働きを高めるために、たんぱく質と、ビタミンA、ビタミンB群を多く含む食材を摂取しましょう。
それぞれの栄養素には役割があるので、ひとつの栄養素だけを取り入れればいいというわけではありません。
まず、たんぱく質は免疫細胞の主成分で、肉や乳製品、大豆、魚類などに多く含まれています。とくに、冬が旬のまだらは高たんぱく質な魚です。低カロリーなのでたくさん食べても肥満につながる心配が少ないのも魅力です。
そして、免疫細胞だけではなく、細菌やウイルスの侵入を防ぐ役割をする粘膜の強化も欠かせません。粘膜の強化には、ビタミンA、ビタミンB2が有効です。
これらを多く含む食材には、ほうれん草があります。鍋にしてまだらと一緒に食べたり、まだらの煮物におひたしを添えたりするなど、組み合わせを工夫して食卓に取り入れるとよいでしょう。そのほか、ビタミンA、ビタミンB2は豚・鶏レバーにも多く含まれています。
副鼻腔炎には漢方薬も役立つ
漢方薬には「副鼻腔炎(蓄のう症)」「鼻詰まり」などに効果が認められているものがあります。
副鼻腔炎の対策には、「血流をよくして鼻の粘膜を強くする」「鼻の粘膜の炎症を和らげる」「水分代謝を促し、副鼻腔炎の原因となる鼻水を改善する」「消化・吸収機能をよくして抵抗力を高める」といったはたらきを持つ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
おすすめの漢方薬
・辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
鼻水が黄色くドロっとして、閉塞感がある場合に適した漢方薬です。体にこもった熱を冷まし、鼻やのどなどの炎症を鎮める効果があります。
・葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
粘り気のある鼻水が目立つ人に処方されます。水分代謝を促して体にたまった余分な水分を排出し、鼻粘膜の腫れを緩和し、鼻詰まりや慢性鼻炎、副鼻腔炎に効果を発揮します。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。また、植物や鉱物などの生薬から作られる自然由来の薬で、一般的に副作用リスクは西洋薬より低いといわれています。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。