寒い冬真っ只中、足元が寒いとせっかくのお出かけも楽しくありません。だからと言って、防寒を重視するあまり暖かい素材の靴下やタイツを選ぶと野暮ったくなり、おしゃれとはほど遠い印象になりがち。そこで、足元の防寒とおしゃれを両立するコツをパーソナルスタイリストの杉山律子さんにうかがいました。
ポインテッドのロングブーツで暖かくおしゃれに
「寒い冬を暖かく過ごすための足元には、ブーツがおすすめ」と杉山さん。ではどんなブーツを選んだらおしゃれと防寒を両立できるのでしょうか。
「大人女性にいちばんのおすすめはロングブーツ。暖かいのはもちろん、ふくらはぎの肉感もカバーできるのでスタイルアップして見えるんです。
選び方のポイントはつま先のデザイン。つま先が尖ったポインテッドやそれよりやや丸みのあるアーモンドトゥなどシャープな形のブーツが大人のキレイめファッションには万能です。ヒールは5cm程度がキレイに見えますよ。
つま先がスクエアタイプのブーツは流行り廃りがあるので要注意。ブーツはそれなりにお値段も張りますから毎年買い替える人は少ないはず。そこにトレンドを取り入れてしまうと”賞味期限”が短くなってしまいます。これから購入する人はポインテッドかアーモンドトゥのように流行に左右されないデザインを選ぶのがポイントです」(杉山さん・以下同)
話題のタビブーツは超難易度の高いアイテム
ブーツといえば、マルジェラの“タビブーツ”も話題のアイテムですが大人女性が取り入れても大丈夫?
「私もマルジェラは好きなブランドですが、超難易度の高いタビブーツには手を出しません。流行のタビブーツを履いているから“おしゃれ”というわけではなく、履きこなせる人が履いてこそ、おしゃれに見えるアイテム。まして、アラフィフ以上になると難易度が倍増します。
以前大流行したムートンブーツもタビブーツと同じくらい大人女性にとっては難易度の高いアイテム。大人が上品に履きこなせるものではないので気をつけましょう」
靴下やタイツは見せないことがおしゃれの秘訣
防寒のために欠かせない靴下やタイツですが、野暮ったく見せないためにはどう合わせるのが正解?
「靴下やタイツは見せないことが基本ルールです。つまり、靴+タイツや靴下+ボトムスという具合に横に分断される数が増えるのはNG。
その点、ロングブーツならボトムスとの間に隙間ができないので、スタイルもよく見え、脚の形やふくらはぎの肉感もカバーできます。細身のパンツならロングブーツにインしてもOK。脚長効果も期待できます。
ショートブーツにタイツをはいて、スカートがひざ丈でブーツとの間にタイツが見えてしまうなら、ロングブーツにして足を中途半端に分断しないようにしましょう。ショートブーツの場合は、ワイドパンツやロングスカートなどブーツにかかる長め丈のボトムスと合わせれば失敗ありません。
スニーカーの場合は、ワイドパンツをスニーカーにかぶせてはくのがおすすめ。防寒にもなり、キレイめに仕上がりますよ」
素肌感を演出するスキントーンタイツはNGアイテム
最近、若い女性に流行しているスキントーンタイツ。暖かいのに自然な肌色で素足のように見えると評判ですが…。
「大人女性は素足感を出さないほうがベター。いくら暖かいといってもスキントーンタイツはおすすめしません。基本的に冬は素肌もタイツも靴下も見せないことが防寒しながらおしゃれに見せるコツなんです」
防寒を重視するあまり野暮ったくなりがちな真冬の足元コーデ。杉山さんおすすめのロングブーツを取り入れて、暖かいのにすっきりおしゃれに見えるコーデにぜひ挑戦してみましょう。
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん
一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。ファッション講座やプロ認定講座を開催。顔立ちや体型、に合わせたスタイルの提案に定評がある。新著に『シンプルにはじめる 大人の着こなし入門 プロが教えるセオリー&アイデア』(翔泳社)がある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子
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