
肥満が気になる人はもちろん、内臓脂肪は痩せている人でも実は蓄えていることがあるという。内臓脂肪のせいで不調や病気が起こってしまってからでは対策も大変だが、食事に少し気をつけるだけでも、内臓脂肪が増えるのを防いだり、減らしたりすることができる。『「内臓脂肪がなかなか減らない!という人でも 勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)の著者で医師の齋藤真理子さんに、できるだけ避けたいNG食品と内臓脂肪を燃やすのを助けてくれるレシピを教えてもらった。
加工食品はできるだけ避けたほうがいい?
市販のお菓子や飲み物、レトルト食品や冷凍食品、ドレッシングやたれ類、コンビニ弁当などは手軽で、購入する人も多いだろう。しかし、加工食品には健康や体形を維持するのを妨げるリスクがあるので、できるだけ避けたほうがいいと齋藤さんは話す。

加工食品のデメリット3つ
リスクを避けるために、加工食品に注意するべき理由は次の3つ。
・糖質が多く含まれる
・食品添加物が入っている
・トランス脂肪酸など健康に好ましくない油を過剰摂取してしまう
「加工食品には、血糖値を上昇させる糖質が多く含まれていることもあり、気をつけないと食後血糖値が急上昇してしまいインスリン抵抗性などが生じるリスクがあります」
インスリン抵抗性とは、インスリンの糖を運ぶ働きが悪くなること。必要な場所へ運ばれなかった血液中の糖は、脂肪に変換され体に蓄積されてしまう。

食品添加物入り食品をとるリスク
食品添加物については、添加の上限量が定められているものの、いくつもの食品添加物入り食品をとった場合のリスクはわかっていないという。
「また、マーガリンやショートニングなどに多く含まれているトランス脂肪酸は心疾患のリスクを高めるとしてアメリカでは禁止されており、世界保健機構(WHO)も摂取を控えるべきとしています」
まったく食べないことは難しくても、少しでも減らす意識をもって、糖質量や添加物が少ないものを選ぶようにすることが大切だ。

やせやすい体づくりに有効な短鎖脂肪酸
気をつけるべき脂質であるトランス脂肪酸に対し、健康のために摂りたいのが短鎖脂肪酸。これはココナッツオイルなどに含まれているもので、血糖値を安定させる作用と内臓脂肪をケトン体に変換する働きがあり、継続的に摂ることによってやせやすい体作りができる。
短鎖脂肪酸100%のMCTオイル
短鎖脂肪酸100%のオイルがMCTオイルで、齋藤さんは1日小さじ1/2量からはじめて、徐々に1日あたり小さじ1/2×2〜3回量を摂るようにすることをすすめている。

無味無臭でどんな食事にも合わせやすいMCTオイル。料理にかけて食べるだけと手軽に取り入れることができるが、さらに健康効果をアップさせるべく齋藤さんが考案した「燃えるドレッシング(洋風)」のレシピを紹介する。
「燃えるドレッシング(洋風)」のレシピ
豆乳とMCTオイルを使うことで糖質もカロリーも抑えながら、クリーミーで満足度の高い味わいに仕上げている。サラダとの相性も抜群! 大さじ1杯あたりの糖質量は0.5g。
ミキサーがない場合は、空き瓶に材料をすべて入れ、全体が乳化して黄色っぽくなるまで、瓶をしゃかしゃか振って作ろう。熱湯消毒し、完全に乾かした密封容器で保存すれば、1週間から10日程度日持ちする。

《材料》(作りやすい分量)
豆乳…大さじ3、マヨネーズ…大さじ1、MCTオイル…大さじ3、バルサミコ酢…大さじ1、にんにく(すりおろし)…小さじ1、しょうが(すりおろし)…小さじ1、塩…小さじ1/4、粉チーズ…大さじ1
《作り方》
【1】材料すべてをミキサーに入れ、かくはんする
【2】清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で保存する
「にんにくに入っているアリシン、しょうがに入っているジンゲロールはともに血流を改善、代謝をアップさせてくれるので、さらなるダイエット効果も期待できます」
◆教えてくれたのは:医師・齋藤真理子さん

さいとう・まりこ。医療法人社団山本メディカルセンター理事長。医学博士、日本整形外科学科専門医。分子栄養学認定医。昭和大学医学部大学院卒業。2010年に山本メディカルセンターに入職し、皮膚科・形成外科を立ち上げる。その後、2016年に山本メディカルセンター2代目院長に就任する。テレビに多数出演するほか、分子栄養学の観点からカフェレストランのメニューの考案も行う。https://www.tansanmagic-jp.com/adviser/marikosaito.html