気になる家電があっても、高額でなかなか購入に踏み切れない――。そんな人におすすめなのが、一定の金額を払えば数日間や週単位、月単位などで家電を試せるレンタルやサブスクサービス。ただし近年はサービスを提供する業者も多様化していて、選ぶ際には注意が必要だと、家電ライターの田中真紀子さんは話します。改めて、家電のレンタルやサブスクのメリット、注意点を聞きました。
家電のレンタル・サブスクを使うメリット
ご存じの人も多いと思いますが、改めて家電のレンタルやサブスクとはどういうものか、教えてもらいました。
「サブスク(サブスクリプション)とは、月額や年額といった定額制で商品やサービスを利用できるサービスのことを言います。『Spotify』などの音楽配信サービス、『Netflix』のような動画配信サービスなどが有名ですが、家電の場合は定額料金を支払っている間はずっと製品が借りられるので、レンタルのようなものですね。レンタルと異なるのは、サービスによっては契約終了後、引き取ってそのまま自分のものにできる場合があるということです」(田中さん・以下同)
高価な家電ほど、買う前にお試しでレンタルを
では、どういう人におすすめなのでしょうか。
「メリットの1つとして、購入しようか迷っている家電をお試しで使えることです。家電は実際に使ってみないと、自分のライフスタイルにマッチするかわかりません。特に価格が高いものなどは、『買ったはいいけれど、使わなくなった』ということになったら宝の持ち腐れです。
例えば、ロボット掃除機が我が家の間取りできちんと走れるのか、電気圧力鍋を使うとどれほどラクになるのか、意外と使いこなせないのか、美容家電を飽きずに使い続けられるか――。こうした迷いがある人は、まずは試してみることをおすすめします」
不要になったら気軽に返却できる
もう1つのメリットは、不要になった場合に廃棄の手間がかからないこと。
「新大学生や新社会人、単身赴任など、数年間だけひとり暮らしをするけれど、帰ったら家電はいらなくなる場合などは、レンタルする手もあります」
故障した際には無償で交換も
さらに使用中に故障してしまった場合に、対応してくれるのも大きなメリット。
「多くの場合、過失がない場合は無償で交換などを行ってくれるなど、対応窓口が明確なのも安心です。
ある人は、1年半レンタルで使用したルンバが不調になり、チャット窓口で問い合わせたら、3日以内に他のリユース品と取り換えてもらったそう。リユース品といってもクリーニング済みなので、ホコリで詰まっていたフィルターや汚れが蓄積したダストボックスも新品同様にきれいになり、掃除のパフォーマンスが格段に上がったと喜んでいました。通常、家電の補償期間は購入後1年間ですが、それ以上の期間でも対応してくれるのはありがたいですよね」
多様化するサブスクサービス、その選び方は?
さて、サブスクと一口に言っても近年はサービスを提供する業者も増え、その特徴も多様化していると言います。どう選んだらよいのでしょうか。
「例えば、家電専門の業者もあれば、家具と一緒にインテリアとして提案する業者、新生活向けセットを安く提供する業者、家電メーカーが直接行うサービスなどがあります。同じ製品でも、業者によって定額の金額やサービスの内容はさまざまです。
選ぶ際にチェックしたいのは、初期費用、月額(または年額)、契約期間、解約可能期間、契約終了後の買い取りの可否、メンテナンスの有無、返送料の負担の有無など、多岐に渡ります。
月額に関しては、契約期間の総支払額と、実際の製品価格に、どれぐらい差異があるかもチェックしましょう。近年、家電も値下げをしないメーカーが出てきていますが、値下がりする製品も多くあります。そうした製品の場合、サービスは解約して、値下がりした製品を購入したほうがお得になる場合もあります。
『自分は何か月間借りたいのか』、『何か月目から解約手数料がかからないか』、『送料はサービス提供者側と自分のどちらが持つのか』など、トータルの支払い金額をシミュレーションしてみることもポイントです。
また、実際に使ってみて気に入った場合、契約終了後あるいは残り契約期間分の金額を支払えばそのまま自分のものにできる業者だといいですね。自分のものにできない場合は、使い続けるほど損しますので、早めの判断が必要になります」
それでは、田中さんがおすすめする家電サブスク・レンタル業者は? 2社挙げてもらいました。