浪費家から節約オタクになったふゆこさんは、450万円の奨学金を返済しながら、20代で1000万円の資産を築いた方法をまとめた『貯金はこれでつくれます 本当にお金が増える46のコツ』(アスコム)を上梓しました。その著書でも紹介している9つのルールから、すぐに実践ができる4つを教えてもらいました。
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ふゆこさんが実践した変動費の節約テクニック
基本的に毎月発生する出費には、住宅費や通信費、保険料など定額の出費(固定費)と、食費や交際費など月によって金額が変わる出費(変動費)があります。
ふゆこさんは、その変動費の節約に対して、9つのテクニックを実践しているそうです。その使わない「自分ルール」から、すぐに実践できる4つをピックアップして紹介します。
食費にまつわる「使わない」テクニック
食費は変動費の中でも大きな割合を占め、節約の余地がある出費です。ふゆこさんの実体験を交えながら、食費を節約するテクニックを2つ紹介します。
「ついで買い」「乗せられ買い」の罠にハマらない買い物のコツ
買う気がなかったものを衝動的に買ってしまうのは、たまに行くデパートやファッションビルよりも、日頃通っている食品スーパーだとふゆこさんは言います。
自炊をするための食材を買いにスーパーに行ったのに、つい割高な惣菜や菓子パンを手にしたり、トークスキルに乗せられて予定外に試食販売の商品を購入したりしてしまうことがあると思います。
「こういう買い物は、自分の意志で買っているのではなく、店舗の販促マーケティングに踊らされている」とふゆこさん。ふゆこさん自身も、その戦略に乗せられやすい、いわゆる“チョロい客”だったそうです。
「お店側は、『この位置で、この価格で、こんなふうにアピールすれば必ず客は買いたくなるはず』と思って販売しているわけですから、わたしはまんまとその戦略にハマっているのです」
ふゆこさんは「買い物を土曜日の週1回のみ」「見たら負けの精神を持つ」という2つで、マーケティングによる戦略に抗ったと言います。
まずは、疲れてお腹も空いている平日の仕事帰りを避け、心身のコンディションを整えた土曜日に1週間分の食料を買い込むこと。そして、事前に作った「買い物メモ」に書いた商品だけをカゴに入れ、誘惑の多い場所を避けて買い物をすることで、欲しくなりそうなものを見ないようにして、浪費を避けることに成功しました。
ただし、あくまでこれはふゆこさんの中で優先順位の高い、節約を最優先に考えての行動です。
「『買い物を楽しむこと』や、『少し割高になっても、調理時間を短縮して別のことに時間を使いたい』という部分の優先順位が高いのであれば、売り場をくまなく見て回ったり、時短アイテムを活用したりするのもいいでしょう」
なんとなくコンビニから卒業
コンビニが大好きで、つい立ち寄って買い物をしてしまっていた、というふゆこさんのように、特に用もないのにコンビニへ行くことが日課になっているということはありませんか?
・用もないのにコンビニに行く
・「ついで買い」をよくする
・新製品や限定品という言葉に弱い
上記のようなタイプの人はコンビニでの浪費割合が高い、とふゆこさんは予想します。
ほぼ毎日、出勤前や帰り道にコンビニでお菓子や飲み物を買っていたふゆこさんが、アプリで家計簿をつけたところ、多い日には1日3回もコンビニに立ち寄っていたといいます。1回の出費は400〜500円程度でしたが、月4000円だとしても1年分になると4万8000円にもなります。
「ほとんどの人はなんとなく習慣で通っていて、そこでなにを買ったのかすら覚えていないことも多いのではないでしょうか。そんな『なんとなく』の行動に、あなたの大切なお金を使ってしまうのは、とてももったいない」
そこで「騙されたと思って1週間でも2週間でも、『コンビニに絶対行かない』ルールを試してみてください」とふゆこさん。
最初は落ち着かなくても徐々に慣れ、「コンビニに行かなくても困ることはない」「余計なものを買ってしまうだけだった」と気づくことができるはずだとふゆこさんはいいます。
「みなさんもご存知のように、コンビニの商品はスーパーなどと比べて高めの価格になっています。同じお菓子や飲み物を買うのでも、スーパーでまとめ買いをすればずっと安い金額で入手できるのです」
コンビニでの買い物を一例として、生活の一部になっている出費を見直すことが、節約や貯金のヒントになるといえるでしょう。
家計簿で無駄遣いの「見える化」
ふゆこさんが家計簿をつけ、コンビニでの浪費が意外と大きかったことに気づいたように、無駄遣いを「見える化」することが節約につながります。
出費を“浪費”として自覚する
何かを頑張った日にご褒美としてちょっと特別なお菓子を食べる、気分転換のために月1回外食をするなど、日々に彩りを与えたり、ストレスと上手に付き合うべくガス抜きをしたりといった出費は節約生活を長く続けていくために必要だといえます。
そこで大切なのは「予定外の出費を“浪費”として自覚する」ことです。浪費を自覚せず、予定外の出費が「今日だけ」でなく明日も、明後日もと続いてしまうと、気がついたら浪費メンタルに逆戻りしてしまいます。
「1か月に必要な食費を決めたら、それ以外の食に関する出費は、すべて浪費です。食費以外では、洋服、アクセサリー、雑貨など『買わなくても生活できるもの』も浪費にあたるので、忘れずにメモします」
浪費を視覚化することが重要
浪費を自覚するために、ふゆこさんは「浪費日記」をつけることをすすめます。日記といっても細かいものではなく、カレンダーアプリや使っている手帳、カレンダーなどの買い物をした日付に品名と金額を記録するだけでOKです。
ここでのポイントは、「毎日必ず見るカレンダーに記録する」こと。そうすると、「今週はお菓子を買いすぎた」「今月はいらないものにお金をかけてしまった」など、浪費を一瞬で把握できます。
「浪費を視覚化することで『自制心が働く』という効果が期待できるというわけです」