料理・レシピ

食パンとフランスパン、太りにくいのはどっち? 管理栄養士が示した意外な見解

食パンとフランスパン
食パンとフランスパン、ダイエットを考えるならどちらを選ぶのが正解?(Ph/イメージマート)
写真5枚

低糖質ブームもあり、ダイエッターからは敬遠されがちな糖質高めの主食。だが、糖質は活動のエネルギー源となる大事な栄養素。健康にやせるためにも適量の糖質は不可欠だ。そこで、太りにくい主食とその選び方を、話題の新刊『食べても太らないのは、どっち?』(三笠書房)を上梓した管理栄養士菊池真由子さんが教えてくれました。

【ご飯VSバターロール】活発に腸を働かせるのがカギ

どちらかというとバターロールの方が脂肪多めでカロリーも高そうだが、ご飯1杯分(150g)は234kcal(カロリー数は菊池さんの著書『食べても太らないのは、どっち?』より、以下同)なのに対し、ロールパン(2個)は186kcal。ご飯の方がロールパンより断然カロリーは高いが、太りにくいのはご飯。

「太りにくさで重要なのは、カロリーの量ではなくカロリーの質。ご飯には腸の老廃物を排出してくれる食物繊維が豊富に含まれ、適量を食べていれば太りにくい。さらに、ご飯の水分量は全体の60%。比較的高めなのも太りにくいポイントで、食物繊維が水分を吸収して膨らむことで腹持ちがよくなり、次の食事までの満足感を長持ちさせることにつながります」(菊池さん・以下同)

白米
ご飯は食物繊維が豊富で腹持ちもいい(Ph/イメージマート)
写真5枚

ご飯の適量はお茶碗1杯分。外食のカレーや丼物はやや多めに盛られる傾向(1.5杯分程度)にあるので、小盛りやミニサイズを選ぶのがベター。

「一方、ロールパンはご飯と比べて食物繊維が少なく、水分量もご飯の約半分。パン自体に脂肪があるうえに、バターやジャムを追加すれば脂肪や糖質をとりすぎになります。バターロールを食べるなら栄養価が高く食物繊維豊富なレーズン入りがおすすめ。さらに、小麦粉よりも全粒粉や米粉の方がカロリー低めでダイエット向きです」

一緒に、肉、魚、卵などの代謝を高めるたんぱく質をとることも太りにくいコツ。特に、朝は糖質&たんぱく質をしっかりとって1日の代謝を上げよう。

【パスタVSうどん】低GI値で血糖値の上昇を防ぐ

同じ麺類のパスタとうどんを比べてみると、スパゲティ・マカロニなどのパスタ(1人前 乾燥100g)は330kcalなのに対し、うどん(1人前 ゆで200g)は190kcal。カロリーに注目すれば、うどんの方が断然低く消化もよさそうだが、太りにくいのはパスタという結果に。

「うどんの消化のよさは正解ですが、反面食べてもすぐ小腹がすいてしまうので太りやすいのです。一方、パスタはご飯と同様に食物繊維が豊富。食物繊維は胃の中に長くとどまり満腹感が持続しやすいため、余計な食欲がわきづらくなります。また、余分なコレステロールを外に出す効果もあるので、ぽっこりお腹の解消にも有効です。

パスタ
パスタはGI値が低くぽっこりお腹の解消にも効果的。選ぶ時は具だくさんのものを(Ph/イメージマート)
写真5枚

また、パスタは食後の血糖値上昇速度を示すGI値が低く、パスタ(小麦)は65、パスタ(全粒粉)は50に対して、うどんは85。さらに、白米は88、食パンは95。主食の中でもパスタは食べても太りにくいと言えます」(GI値は参考例です)

ただし、麺だけで比較するとパスタの方が太りにくいが、肉、魚、卵などのたんぱく質を合わせれば、うどんも代謝の上がる太りにくい麺になる。

「コンビニなら、ざるうどんよりも肉うどんや温玉うどんを、パスタもシンプルなペペロンチーノより具だくさんのパスタを選びましょう」

【フランスパンVS食パン】噛んで、噛んで、消費カロリーUP!

どちらも糖質高めに思えるが、フランスパン(10㎝分)は217kcalなのに対し、食パン(6枚切り)は149kcal。フランスパンのカロリーは食パンの約1.5倍。フランスパンの方が太りやすそうだが、太りにくいのはフランスパン。噛み応えが太りにくい鍵に!

「噛み応えが太りにくい理由になるなんてビックリですよね。ですが、よく噛んで食べれば消費カロリーは増えます。実は、ゆっくり噛んで食べる人ほど体脂肪率も低い傾向にあるのです。硬いフランスパンはしっかり噛まないとのみ込めません。自然に噛む回数が増えるため、代謝が上がり太りにくくなるのです。さらに、噛む回数が多ければ、満腹感を得やすく食欲を抑えるホルモンも十分に出ます」

フランスパン
正解はフランスパン。しっかり噛むことで代謝が上がり消費カロリーも増える(Ph/イメージマート)
写真5枚

一方、食パンは、ふんわりやわらかな食感が魅力だが、噛む回数が少なくてすむため消費カロリーは低い傾向に。さらに、バターを使わないフランスパンに対して、バターを使う食パンの脂肪はフランスパンの約3倍。これも食パンが太りやすい理由の1つだ。

「パンをベースにしたサンドイッチを選ぶときは具材に注目。マヨネーズで味つけされた卵サンドやツナサンド、コロッケサンドなどの揚げ物系より、素材を生かしたハム&チーズや照り焼きチキンの方が脂肪も少なく食べても太りにくい」

主食の太りにくいポイントは、“食物繊維”、 “低GI値”、“噛み応え”。1日3食、3つのポイントを軸に食べ重ねれば、体重ダウンも期待大!

◆教えてくれたのは:管理栄養士・菊池真由子さん

管理栄養士・菊池真由子さん
管理栄養士・菊池真由子さん
写真5枚

1966年大阪府生まれ。管理栄養士。健康運動指導士。NR・サプリメントアドバイザー。日本オンラインカウンセリング協会認定上級オンラインカウンセラー。大阪大学健康体育部(現・保健センター)、阪神タイガース、国立循環器病センター集団検診部(現・予防検診部)を経て、厚生労働省認定健康増進施設などで栄養アドバイザーを務める。ダイエットや生活習慣病の予防対策など、のべ1万人の栄養指導に携わる。著書に、ベストセラーになった『食べても食べても太らない法』(以上、三笠書房《知的生きかた文庫》)がある。https://www.diet-class.com/

●食べても太りにくいのはどっち?「シュークリームVSショートケーキ」「ベルギーワッフルVSたい焼き」 カロリーだけじゃないその理由

●低糖質ダイエットと低脂肪ダイエット、どっちが痩せやすい?続けやすいのは?管理栄養士が解説