年齢を重ねたら重ねたで新たに直面するアラフィフ世代のお悩みを、ヴァイオリニスト・高嶋ちさ子さんの父で音楽プロデューサーの高嶋弘之さん(90歳)が回答。破天荒人生の熱血先輩が、“大人のモヤモヤ”を軽やかに解消する。映える&効きめがある&気分が上がるおしゃれ・美容・趣味・暮らしの実例やヒントを紹介する、大人女性に向けたムックシリーズ『reShine』から注目記事をピックアップ。
パート先の、友人の愚痴に付き合うのが面倒
【悩み】「パート先の、友人の愚痴に付き合うのが面倒でなりません」(60歳・女性・既婚・宅配サービスパート)
【アンサー】人生の楽しみは、「人」と「人」との会話。友人の愚痴こそ、絶好のチャンス
「愚痴の内容はともかくとして、あなたの『めんどくさい』が問題です。この世に生まれて、生きてゆくためには『めんどくさい』ことだらけです。
人生はまさに、『メンドクサイ・オン・パレード』です。
友人は愚痴を発散して(しっかり)働いています。あなたは、パートで楽しく働くことを見逃しています。人生の楽しみは、『人』と『人』との会話です。
友人の愚痴、いいですね。絶好のチャンス。愚痴、しっかりと聞いてあげましょう。そして突進です。相槌を打つのもよし、友人の欠点をつくのもよし、あなたが会話の主導権を握り、会話を成立させるんです。なんの愚痴もなく、しっかりと働いているあなたは、友人にとっては羨ましい限りです。友人は、『あなたは、いいわね。毎日、明るく働いていらして』と愚痴るかも」
犬を飼いたいが、将来のことを考えると飼いきれるか不安
【悩み】「健康と寂しさを埋めるため犬を飼いたいのですが、将来のことを考えると飼いきれるか不安です」(58歳・女性・未婚・会社員)
【アンサー】寂しさを乗り越えた先に可愛いワンちゃんとの出会いに期待
「犬を飼う。健康のためならワンちゃんと一緒に散歩できるので、いいですね。お歳を考えると、お飼いになるワンちゃんの一生に付き合えますし。
ただワンちゃんを飼いたい理由が“寂しいから”というのはいかがなものかと思います。ワンちゃんと一緒の生活が始まったとしても〝寂しさ〟が消えなかったら、より寂しさが募るのでは。
いろんな寂しさがあると思いますが、人間は生まれてくる時も一人(双子の話は持ち出さないでください)、死ぬ時も一人です。私達人間は、みんな寂しい時があるんです。みんな寂しいんです。この地球に生まれ出てきたということは、まさに奇跡です。奇跡に感謝しなければ。
この世の中には、その気になれば、挑戦すべきことが山ほどあります。どんな小さな事でも、挑戦の気持ちが生まれれば、寂しさなんて吹っ飛んでしまいます。ぜひ寂しさがなくなってから、可愛いワンちゃんを見つけてください」
◆教えてくれたのは: 音楽プロデューサー・高嶋弘之さん
1934年生まれの90歳。音楽プロデューサー。東芝レコード時代にビートルズ担当ディレクターとして一大ブームを作り上げた後、“和製ポップス”のヒット作を数多く手掛ける。現在は高嶋音楽事務所を主宰。近著に『笑う老人生活』。兄は俳優の故高島忠夫さん、次女はヴァイオリニストの高嶋ちさ子さん。
※高嶋弘之さんの高は正式表記ははしごだか
イラスト/MASAMI 構成/加治かおる
※『reShine』2024年夏号