不調改善

医師が語る、健康を守るために大切なこと「自分は大病しないという思い込みを捨てる」「“薬をのめば大丈夫”はNG」

胸に手を当てる女性
自分の健康を自分で守るために大切な考え方とは(Ph/photoAC)
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病気になっても薬さえ飲めば大丈夫、と思っていないだろうか。自分の病気を治すのは自分自身であると話すのは、『どうせ一度きりの人生だから 医師が教える後悔しない人生をおくるコツ』(アスコム)を上梓した、医師の川嶋朗さん。健康を守るためには生活習慣を意識するだけでは不十分だと語る川嶋さんに、病気を治したり、悪化を防いだりするための重要な考え方についても詳しく教えてもらった。

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自分の病気を治すのは自分自身

病気になってもなかなか生活習慣を改善させなかったり、薬を飲むだけで病気が治ることを期待したりする人は多い。実際に、川嶋さんのところにも、病気の原因を自分で見つけようともせず、自分の病気を治せる薬があるはずだと思い込んでいる患者が来院することがあるという。

「そんなときは、私は即座にこうお答えします。『そんなものはありません。私は魔法使いではありませんから。あなたの病気を治すのは、あなた自身しかいません』」(川嶋さん・以下同)

健康のためにはラクをしようとしないことが大切

自分の病気を治すのは自分自身。喫煙が原因で病気のリスクが高まっているのであれば禁煙すべきであり、運動不足が原因なのであれば積極的に歩いたり階段を使ったりなど、自分で行動を変える必要がある。

階段
病気のリスクが高まっているなら、面倒でも階段を使うなどの努力が必要(Ph/photoAC)
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「健康のために体に負荷をかけることもしないで、ラクなほうへ逃げてしまうのがいちばんよくありません。『魔法の薬』や『奇跡の治療法』などというものはないのです」

自分は大病しないという思い込みを捨てる

また、「自分は大病しない」という思い込みを捨てることも必要だ。がんであれば死を意識するケースもあるが、糖尿病の患者の多くは、まさか自分が合併症を起こして死に至る病になるとは考えておらず、生活習慣を改善する努力にも身が入らないことが多いという。

その結果、いつの間にか症状が進行してしまい、気付いたら苦しい闘病生活をしなければならない状態になってしまっているということが起こり得る。

「予防できたのに、やらなかったというのは後悔が残ります。『あのときにやっておけばよかった』と、なってしまってから悔やむことがないように、自覚を持って生活習慣を改めることが必要なのです」

自分の健康は自分で守る

医者の言うことを鵜呑みにせず、自分の健康は自分で守るという意識も大切だ。

例えば、40歳から74歳までの公的医療保険加入者を対象に行われているいわゆる「メタボ健診」は、「受信者が自分の体の状況を把握する指標」とすべきもの。数値に神経質になって余計な治療を受けるためのものではないものの、実際は基準値を少しでも上回れば「要治療」とされ、大量の薬を飲まされるような治療が行われるケースも少なくないという。

薬
必要以上に病院に行くと、本来不要な薬の処方につながることも(Ph/photoAC)
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「自分の健康は自分で守るのが基本です。必要もないのに病院にかかるのは間違いです。『病気の原因は自分自身にある』と認識して、生活習慣などの間違いに気づき、主体的に改善してください」

乱れた生活習慣だけが病気の原因ではない

自分の健康を自分で守ろうと考えたとき、まず思い浮かぶのは喫煙や過度な飲酒、不健康な食事や運動不足などの乱れた生活習慣を改善することだが、病気の原因はそれだけではない。多くの病気は心の影響を少なからず受けており、自律神経のバランスが崩れれば内分泌系に影響を与え、ホルモンの分泌に影響が出れば代謝に影響を及ぼすという。

「ストレスに年中さらされていると、交感神経が優位になります。そして自律神経のバランスを崩すことによって免疫力が低下してがんを引き起こす一因となっている可能性があるのです」

体と心、両方からのアプローチを

体と心は連動している。そのため、病気の治療も体だけ見ていては根本的な解決にはならないと川嶋さんは言う。

虫眼鏡を持った医師
病気の原因を改善するには、体だけでなく心も見る必要がある(Ph/photoAC)
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「統合医療のように、体と心、両方からのアプローチが欠かせないのです」

病気の原因に気が付けば別の治療法を見つけられる可能性も

川嶋さんは、たとえ医師から「もう治らない」と言われたとしても、あきらめる必要はないと言う。体と心の両面から生活を見つめ直し、病気になった原因に気づくことができれば、体がもともと持っている「生きる力」が患者を後押ししてくれるような治療法を見つけることができる可能性があるためだ。

「患者さんご本人が病気になった原因を受け入れて改善すれば、症状が落ち着くか、消えてなくなる可能性があるということなのです」

◆教えてくれたのは:医師・川嶋朗さん

白いスーツを着た男性
医師の川嶋朗さん
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かわしま・あきら。神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授。統合医療SDMクリニック院長。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院などを経て2022年から現職。漢方などの代替、伝統医療を取り入れ、西洋近代医学と統合した医療を担う。著書に『どうせ一度きりの人生だから 医師が教える後悔しない人生をおくるコツ』(アスコム)など。https://drs-net.com/profile/

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