1971年6月に『丸美屋』の『麻婆豆腐の素』が発売されてから53年後のいまでは各メーカーから数多くの『素』が発売され、おいしさを競っている。その中には、豆腐も入りで温めるだけですぐ食べられるお手軽品も。そこで、そんな商品をごはんにのせた麻婆丼にして、3名のプロが食べ比べ！ 審査員の合計点で忖度なしのランキングを作成しました。
- 4つのポイントで定番の『麻婆豆腐の素』を審査
- 1位【67点】『町中華 麻婆丼』（エスビー食品）
- 2位【59点】『ごはんにかける 四川麻婆豆腐』（無印良品）
- 3位【55点】『花椒の芳醇な香り 四川風辛口麻婆豆腐』（ファミリーマート）
- 3位【55点】『金のどんぶり 四川風麻婆丼』（マルハニチロ）
- 5位【48点】『どんぶり繁盛 麻婆丼の具』（日本ハム）
- 6位【47点】『麻婆豆腐 豆腐入り 中辛』（丸美屋）
- 6位【47点】『花椒香る、コク深い本格四川風麻婆丼』（セブンプレミアム）
- 8位【45点】『GoodPack！麻婆豆腐＜中辛＞』（丸美屋）
- 9位【26点】『まごころを食卓に 膳 麻婆豆腐四川風』（国分「K＆K tabete」）
- 麻婆豆腐の素アレンジレシピ
＊ ＊ ＊
4つのポイントで定番の『麻婆豆腐の素』を審査
《審査員》
・料理研究家・管理栄養士の満留邦子さん
・麻婆豆腐マニアのアーティスト・藤崎涼さん
・「中国菜エスサワダ」オーナーシェフの澤田州平さん
辛さは基本「中辛」で調査。各商品とも、具が“豆腐”“長ねぎ”“豚ひき肉”（元々入っている具材はその具材を利用）になるように不足具材を足して調理し、「おいしさ」「香り」「バランス」「コスパ」をそれぞれ10点満点で審査した。
料理研究家・管理栄養士の満留邦子さん
家族の健康を考えた「家庭料理」が得意で、書籍、雑誌や新聞、企業のレシピ開発、料理教室など食にかかわるさまざまな活動を行う。『あさイチ』（NHK）などテレビ出演も多い。
ドラマー・音楽プロデューサーの藤崎涼さん
ドラマーとして横浜銀蝿一家などのサポートや音楽プロデューサーとして活躍しながら、週に4回は「朝マーボー」を実践する麻婆豆腐マニア。『マツコの知らない世界』（TBS系）などに出演。
「中国菜エスサワダ」オーナーシェフの澤田州平さん
本場香港で修業を積み、中国料理の真髄を学んだ後、2016年大阪に「中国菜エスサワダ」を開業し、ミシュラン1つ星獲得。『ジョブチューン』（TBS系）の審査員としてもおなじみ。
1位【67点】『町中華 麻婆丼』（エスビー食品）
【おいしさ：16】【香り：16】【バランス：18】【コスパ：17】
豆腐と麻婆あんを混ぜて炒めたくずし豆腐タイプ。芝大門にある「麻婆豆腐」が名物の行列店「味芳斎」の味。「フレッシュな豆板醤の味」（藤崎さん）。「辛さが初めにくる。ごはんと相性◎」（満留さん）。「旨みが強く、炒めたくずし豆腐入りのあんは、麺料理にも合いそう」（澤田さん）。
2位【59点】『ごはんにかける 四川麻婆豆腐』（無印良品）
【おいしさ：13】【香り：15】【バランス：15】【コスパ：16】
しびれの強い赤花椒粉末と香りの強い粗びき青山椒入り。「本格的な味で、山椒の香りもある。とろみが弱く、スープカレーのよう」（澤田さん）。「四川風ではないけど、甘さ控えめでごはんに合う。花椒の香りが強い割に、しびれは弱い」（藤崎さん）。
3位【55点】『花椒の芳醇な香り 四川風辛口麻婆豆腐』（ファミリーマート）
【おいしさ：14】【香り：14】【バランス：14】【コスパ：13】
長期熟成した豆板醤と花椒入り。「豆腐の存在感あり」（満留さん）。「レトルトの豆腐にしてはおいしい。牛脂の味がして牛丼っぽい」（澤田さん）。
3位【55点】『金のどんぶり 四川風麻婆丼』（マルハニチロ）
【おいしさ：11】【香り：11】【バランス：13】【コスパ：20】
粗びき山椒の辛さと香りがアクセントに。「甘めだが、ごはんとの相性がいい味付け」（満留さん）。「甘め味に山椒が合わずアンバランス」（藤崎さん）。
5位【48点】『どんぶり繁盛 麻婆丼の具』（日本ハム）
【おいしさ：11】【香り：10】【バランス：12】【コスパ：15】
鶏ひき肉入りで、辛みを抑えたまろやか味「豆腐の食感がしっかり残っている。コクは少なめ、旨み多め」（満留さん）。「味が薄い」（澤田さん）。
6位【47点】『麻婆豆腐 豆腐入り 中辛』（丸美屋）
【おいしさ：11】【香り：12】【バランス：11】【コスパ：13】
しょうがとにんにくを効かせた定番味。「豆腐が調味液を吸って独特の味わいに」（満留さん）。「豆腐入りは味の構成が難しい」（澤田さん）。
6位【47点】『花椒香る、コク深い本格四川風麻婆丼』（セブンプレミアム）
【おいしさ：10】【香り：13】【バランス：11】【コスパ：13】
プルッと食感の豆腐に青花椒油と花椒粉末入り。「ご飯に合わせるなら甘さが足りない」（満留さん）。「花椒の香りはしっかりある」（澤田さん）。
8位【45点】『GoodPack！麻婆豆腐＜中辛＞』（丸美屋）
【おいしさ：11】【香り：11】【バランス：11】【コスパ：12】
容器入りなので、レンチン後そのまま食卓に。鶏ガラスープが丸美屋らしいやさしい味。「豆腐がかたすぎるかも」（満留さん）。
9位【26点】『まごころを食卓に 膳 麻婆豆腐四川風』（国分「K＆K tabete」）
【おいしさ：7】【香り：8】【バランス：7】【コスパ：4】
レンジ対応のパウチ入りで、汁気が多め。「ごはんと合わせるには、塩味が弱い」（満留さん）。「みその味が強くてバランスが悪い」（澤田さん）。
麻婆豆腐の素アレンジレシピ
藤崎涼さんおすすめ！味付けは麻婆豆腐の素だけ「麻婆炒飯」
「麻婆豆腐の素とごはんを炒めるだけで、おいしい炒飯になります。豆腐は入れなくてもいいですが、ひき肉とねぎ、にんにくは必須、卵はお好みで。ぼくは『陳麻婆豆腐の素』で作るのが大好き」（藤崎さん）
《作り方》
【1】フライパンに油大さじ1を熱し、にんにくみじん切り小さじ1とねぎのみじん切り1/4本分を炒めて香りが出てきたら、ひき肉50g（できれば牛）を入れて炒める。
【2】ひき肉の色が変わったら溶き卵1個分、温かいごはん1膳分を加えて炒め、麻婆豆腐の素大さじ1を加えてよく炒め合わせる。（麻婆豆腐の素の分量は、1人前大さじ1を目安に、味を見て調整する）
※必要な具材は各商品のパッケージに書いてある調理する上で準備が必要な具材を表します。
※撮影は7月初旬に実施。価格はメーカー希望小売価格の税込み表示で、オープン価格の場合は編集部調べの実勢価格。
撮影／田中宏幸 取材・文／山下和恵
※女性セブン2024年8月1日号