8月に大阪で突発的な大規模停電が発生したが、予期せぬ停電は冷蔵庫や冷凍庫の中身をたダメにしてしまうリスクもある。停電が長引いた場合などになるべく食品にダメージを与えないよう、事前の備えや対策を知っておきたい。そこで、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに詳しく教えてもらった。
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冷蔵庫は停電時も2~3時間程度なら庫内温度が保たれる
十分に冷えている冷蔵庫は、停電時も季節や機種などによって多少の違いはありますが、2~3時間程度なら冷蔵庫本体の断熱性能で庫内温度が保たれます。そのため、数時間で復旧の見込みがある場合は、極力開閉回数を減らして庫内温度を上げないようにしましょう。
一方、停電が長引く場合は事前の備えをしているかどうかで大きく変わってきます。計画停電などが予定されている場合はもちろん、そうでなくてもなるべく日頃から備えておきましょう。
また、停電することが決まっている場合や、台風など停電の可能性が高い場合などは、肉や魚などの鮮度保持が難しい食品をあらかじめ消費しておきましょう。停電までの食事で食べきるのもいいですし、作り置きのおかずにしておけば、停電時の食事確保にも役立ちます。
冷蔵・冷凍効率を上げられるよう日頃から整理整頓
冷蔵・冷凍効率をよくすることは節電にもつながるため、普段から意識して整理整頓しておくことが大切です。
冷蔵室は食品が少ないほうが冷気が循環し、より冷えやすくなります。そのため、冷蔵室に入れる食品の量は7割程度までを目安とし、冷気の吹き出し口などをふさがないようにしましょう。
一方、冷凍室は、冷凍された食品同士が保冷材の役目を果たすため、隙間なく収納したほうが庫内温度が上昇しにくくなります。隙間がある場合は、事前に保冷剤や水が入ったペットボトル(必ず冷凍専用を使用)を冷凍してすき間を埋めておくとよいでしょう。注意点として、水は凍ると膨張する性質があるため、ペットボトルに入れる水は8割程度にしてください。
解凍すればすぐに食べられるものを冷凍しておく
冷凍室では、解凍すればすぐに食べられるものも冷凍しておくといいでしょう。おすすめは、納豆やチーズ、きんぴらごぼう、肉加工食品、焼き芋などです。電気が使えないなかでの食事の確保は大変ですが、自然解凍するだけで食べられるものがあれば、調理の手間を少なくすることができます。
停電が長引いた場合は保冷剤などを冷蔵室へ
停電が長引いている場合は、保冷材や凍ったペットボトルを冷蔵室へ移し、庫内温度の上昇を防ぎましょう。冷気は下に流れるため、保冷剤や凍ったペットボトルを冷蔵庫の上段に置くのが効果的です。ペットボトルなどの下にはタオルなどを敷き、結露で冷蔵庫が水浸しになることを防ぎましょう。
解凍されたペットボトルの水は、飲料水や生活用水として活用を。ペットボトルのキャップに小さい穴を開ければシャワーの代用にもなるため、断水時に役立ちます。
停電から復旧したら冷蔵庫の動作確認を
停電から復旧したら、冷蔵庫の動作確認を行いましょう。チェックポイントは、ドアを開けたときに庫内の明かりがつくかどうか、運転音がしているかどうかです。このほか、停電で冷蔵庫の設定が初期設定に戻っていることもあるので、その際は再設定を行いましょう。
あわせて、食材の状態もチェックし、傷んでしまった食品があれば処分しておきましょう。
◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん
節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/
構成/新藤まつり
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