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《節約アドバイザーが指南》スマホ代やアンペア数、保険など 子どもが巣立った後の家計の見直しポイント4つ

現金や通帳、印鑑
お金の「貯めどき」にやるべきこと(写真/photoAC)
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人生にはお金を貯めやすい「貯めどき」が3回あるとされる。1回目は就職してから結婚するまでの独身期間、2回目は結婚したあと夫婦共働きのDINKs期間、3回目は子どもが巣立ったあとの老後までの期間だ。そこで、3回目の貯めどきにおける家計の見直しポイントについて、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに詳しく解説してもらった。

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まずは3回目の貯めどきに早く気が付くことが大切

子どもが巣立ってから老後を迎えるまでの期間は、人生における3回目の貯めどき。そのことに早めに気が付き、ラストスパートとして早く貯める仕組みを作ることが大切です。

子どもが巣立つと、教育費がなくなるほか、食費や日用品にかかる費用も減るので、浮いた分はそのまま貯蓄や積立投資に回しましょう。サブスク代なども減らせる可能性があるので、子どもしか使っていなかったサブスクなどがないか、引き落とし口座やクレジットカードの明細で確認しましょう。

チョークで書いたグラフ
3回目の貯めどきに早く気付こう(写真/photoAC)
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スマホは格安SIMや安い料金プランに

スマホも重要な見直しポイント。家族割ができるものを選んでいた場合は、格安SIMに変えたり、ahamoなどの新料金プランやUQモバイルといったサブブランドに乗り変えたりして費用をおさえましょう。

家族割で契約していると、子どものスマホ代を巣立ったあともそのまま親が支払っている場合がありますが、基本的には巣立った子どもの分は本人が払うようにするのがいいでしょう。

電気のアンペア数も見直す

電力会社によってはアンペア数を下げると基本料金が安くなる場合があるため、普段使用する家電を踏まえて、アンペア数も見直すことで、費用をおさえられる可能性があります。

NURO光(https://www.nuro.jp/article/ampere-meyasu/)によれば、3人家族以上の場合、契約アンペア数の目安は40~60アンペアですが、夫婦2人であれば20~50アンペアが目安です。アンペア数を下げた場合は、電子レンジやエアコン、浴室乾燥、アイロン、炊飯といった消費電力量が高い家電製品を一度に使わないように気を付けるとよいでしょう。

保険も見直しポイント

保険もこの機会に見直しましょう。子どもがいるうちは、両親に何かあった場合に子どもが路頭に迷わないよう死亡保障などを厚めに付けている人もいますが、巣立った後であれば高額な死亡保障はなくしてしまっても問題ありません。

生命保険のパンフレット
子供が巣立ったあとは生命保険を見直して(写真/photoAC)
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自宅も見直せばコストダウンに

子どもが今後実家で暮らすことがないのであれば、小さい家に住み替えたり、家賃の安い郊外に引っ越したりするのも選択肢です。

また、そのまま暮らす場合でも、子ども部屋をレンタルスペースとして人に貸し出せば、ちょっとした収入になります。部屋があいているからといって民泊をするのはハードルが高いですが、倉庫や物置として部分的に貸し出す場合はそこまでハードルは高くありません。

iDeCoやNISAも活用して貯める

家計の見直しで浮いた分を貯蓄する場合は、預貯金だけで貯めるのではなく、iDeCoやNISAも活用して資産運用も並行するのがおすすめです。すでに利用している場合でも、無理のない範囲で増額し、長期積立の恩恵を多く受けられるようにするといいでしょう。

お金が増えていくイメージ
資産運用も視野に(写真/photoAC)
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iDeCoについては、社会保険に加入して働き続ける限り65歳まで積立(拠出)が可能になったため、加入期間を延ばすことができるようになりました。また、2024年12月からは企業型DCやDBなど他の制度に加入している第2号被保険者がiDeCoを併用する場合、1万2000円から2万円へと掛金の限度額が引き上げられるため、すでに上限まで拠出していた場合も増額が可能になります。

老後の年金生活では現役時代より少ない生活費で暮らしていかないといけなくなるため、その準備をすることと、しっかりと老後のお金まわりの準備をしていくことが大切です。

◆教えてくれたのは:節約アドバイザー・丸山晴美さん

丸山晴美さん
節約アドバイザー・丸山晴美さん
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節約アドバイザー。ファイナンシャルプランナー。22歳で節約に目覚め、1年間で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニの店長などを経て、2001年に節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物主任士(登録)、認定心理士などの様々な資格を持ち、ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演などで行っている。https://www.maruyama-harumi.com/

構成/新藤まつり

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