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67歳オバ記者、“5日間乗り放題”の鉄旅をリポート! 越後湯沢では酒風呂を満喫、新しくなった新潟駅ではノマドも

オバ記者
列車の撮影中のオバ記者。満足顔でパチリ
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ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(67歳)。大病を患ってから2年、体調も少しずつ上向き傾向となり、念願だった“鉄旅”を決意。『大人の休日倶楽部パス』を利用して“5日間乗り放題”の旅へ向かったのだ。大満足の旅の様子をリポートする。

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”血湧き肉踊る”『大人の休日倶楽部パス』

誰にもこれさえあれば機嫌が良くなるという好物があると思う。私の場合、炊きたてのご飯と天然生まぐろの赤身の刺し身だけど、もうひとつ強烈な好物が鉄道なの。中でもJR東日本全線が新幹線も含めて5日間、乗り放題のフリーチケット『大人の休日倶楽部パス』(1万8800円)が大好物でね。このチケットを持って、東京駅の新幹線の電光掲示板の下に立つと、血湧き肉躍るってこういうこと?ってくらい興奮する。

しかし、とはいえ、よ。その気持ちは変わらなくても体調が良くないと身体がついていかないんだね。ここ数年は、うき~っとしても、東京から青森に行って1泊して帰ってくるとその翌日は起きられなかったの。2年前のちょうど今ごろ、卵巣がんの疑いで子宮と卵巣を全摘する手術をしてからは身体の芯棒が今ひとつシャキッとしない感じ。

オバ記者
卵巣がんの疑いで6時間の手術を受けたオバ記者
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それが、なんだか最近、違うんだわ。やれそう、できそうという気力がみなぎっていて、5日間のフリー期間の1日目は午後から青森へ出かけて夕方に現地着。2日目は朝早起きして午前10時10分新青森発のはやぶさに乗り込んで午後2時半には、大満足で家のベッドに大の字になっていたわけ。私ら鉄仲間うちではこういう往復を「鉄分を抜く」というんだけどね。

というのも今回のメインイベントが翌日に控えていたの。女性セブンのカラーグラビアで、あ、ここはもう一度言うね。カラーグラビアで(笑)、わたくし乗り鉄のモデルの仕事なんですの。

『えちごトキめきリゾート「雪月花」』に乗り込んだ

しかもただの“乗り”じゃないよ。鉄ちゃんから「ウソだろッ。ずるいよ。そりゃないって」と大ブーイングされた『えちごトキめきリゾート「雪月花」』に乗り込んだわけさ。で、運がよかったのは、たった一室しかない運転席の真後ろのボックスシートがたまたまキャンセルが出て乗れたって、まぁ、私ってば、おーっほほほ、どんだけ?

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写真はボックスシートでカメラマンの浅野剛さん(中央)とライターの北武司さんと
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あ、すみません。ちょっと取り乱しました。でね、この「雪月花」は上越妙高~妙高高原~直江津~糸魚川を結ぶ2両編成のリゾート列車で、国内最大級のワイドな車窓に新潟の田園風景と山並みと日本海が次から次に現れるだけでもすごいのに、なんとなんと、その列車の中で地元の味覚を味わえたのよ。

ただし、『大人の休日倶楽部パス』の有効区間は北陸新幹線の上越妙高までで、「雪月花」に乗るのはお隣りの糸魚川駅。こちらはJR西日本圏内だから新幹線のひと駅分3850円を追加料金がかかるけど、まぁ、この列車のど素晴らしさからしたらなんのことない。

どんだけすごいかは、21日発売の女性セブン37号のカラーグラビアで(しつこい?笑)紹介されているから、ぜひ見てね。

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山深い峡谷を走る
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雪月花に乗り込む前のうひひ顔
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新しくなった新潟駅でノマドのなぜ?

あ、ついでにもうひとつバカ鉄話をしてもいいですか? 上越妙高駅。この駅がどれほど鉄心を熱くするかというと、なんと私が手にしている『大人の休日倶楽部パス』を運営しているJR東日本とJR西日本の接点の駅なの。JR西日本は北陸、山陰から九州北部までカバーしていて、ここはここの格安のフリーチケットがあるんだわ。てことはよ。それを手にして上越妙高駅で東京に向けていた体を90度、西に向けたら、博多と敦賀と福井と金沢を行ったり来たり。そして、ときどき上越妙高から東京に戻って北に向かって仙台で牛タンを食べる。やだ、もう私、日常に戻れないわ。

いやいやいや、待て待て待て。その前に『大人の休日倶楽部パス』を4〜5枚を買って期間中、全部、JR東日本の風来坊になるというのもやってみたい。お財布事情により手の出ない5日間35000円の『大人の休日倶楽部パス』のグリーン車版にも乗りたい。そのためにはシルバー鉄乗り系YouTuberになる? 乗りを仕事にする? な〜んて妄想が止まらないバカ鉄女が4日目に向かったのが新潟でした。

新潟は今年の春、駅が新しくなったばかりで、どこもここもピカピカ。古い新潟駅を知っている身に異空間よ。で、ここで何をしたかというとドトールコーヒーに入ってお仕事。

オバ記者
新潟駅のドトール店内
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なんで新幹線に乗ってきて到着駅で仕事をするのよ? という疑問はもっともだけど、まぁ、聞いて。これはね、東日本を股にかけてノマドをしてきた私の個人的な感想だけどリゾート地、温泉場、風光明媚な海山はもってのほか。どんなに静かな環境でも遊び気分が抜けなくて仕事にならないんだって。そこいくとこの真新しい駅ナカのニセ都会感はやる気スイッチを入れてくれるよ。私、ここにいた2時間、ずーっとタブレットしか見てなかったもんね。

そんなわけで「ったく、日本全国、どこもここも似たような小洒落た駅になりくさって!」というアクタレも本日は封印です。

オバ記者
キレイな店内で原稿作業中
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ラストの5日目に向かった先は…

オバ記者
越後湯沢駅でポツンと立つオバ記者
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さてさて、『大人の休日倶楽部パス』5日目。つまりラストデーよ。この日は昼前から熊本からやって来たY美さんと築地でお寿司ランチして、ちょっと昼酒なんかも飲んで、たっぷりおしゃべりしたあと、私はひとりで東京駅から新幹線に乗って越後湯沢へ向かったの。目的は駅ナカにある酒風呂に入ることと、新米を買って帰ること。

さすがは酒どころだけあって、なんと天然温泉にお酒を入れているの。駅の構内にある温泉は全国的にも珍しいんだけど、住人にとっては町の共同浴場のひとつなのね。東京から移住して20年の同世代の女性とふたりだけだったから大汗を流しながら湯の中談義をしちゃった。

この日も駅から一歩も出ないで、滞在時間は1時間半。しかし鉄旅のシメはこれでいいのよね。と、ポツポツと灯りが見える夜の新幹線の車窓に寄りかかりながら大満足なのでした。

ああ、またどこか遠くに行きたいな。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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