見直すべきは毎日飲んでいる水
毎日の積み重ねが折れにくい骨を作るという点では、食生活も大事だ。骨を健康に保つといえば、カルシウムが豊富な小魚などが真っ先に浮かぶが、それだけではないと戸田さんは言う。
「豆腐などの大豆食品や乳製品、小松菜にもカルシウムは多く含まれています。硬い小魚が食べられなくなってもカルシウムを摂ることはできます」
そのうえで戸田さんは、「なにより見直してほしいのは毎日飲んでいる水」と続ける。
「日本人が欧米人に比べて骨粗しょう症になりやすいのは、欧米でよく飲まれている硬水にはミネラルが120mg/L以上も含まれているのに対し、日本の水道水にはミネラルがほとんど含まれていないから。ただし、日本人が硬水を飲むと下痢になりやすいので、『〇〇山脈の水』などと書かれている日本の山で採取されたミネラルウオーターを飲むといい。水道水よりミネラルが豊富です」
浅見さんは、骨を作るには、「たんぱく質とビタミンDも必要」だと話す。
「たんぱく質も骨の材料になるので、肉や魚をしっかり摂るようにしましょう。カルシウムを吸収するには、鮭やしいたけなどのきのこ類に豊富なビタミンDも欠かせません。ビタミンDは紫外線を浴びることでも生成されます。日照時間が減るこれからの季節は、ウオーキングをするなら屋内より公園を歩くなど、積極的に太陽の光も浴びてほしい」(浅見さん・以下同)
転倒を防ぐことも重要。東京消防庁の調査によると、救急車で運ばれた高齢者の約6割が自宅で転んでいる。
「室内にある1~2㎝程度の段差や、電気コードにつまずく危険があるので気をつけましょう。マットや座布団で滑って転ぶ人もいます。介護保険で住宅の改修ができることもあるので、要介護になったタイミングで自宅をバリアフリーにするのもいいでしょう」
夜中の暗がりでトイレに行く際は転びやすいので、自動点灯のフットライトをつけるなど、対策が必要だ。
「まだ元気だから平気」──。そう思っていると、ある日突然、取り返しのつかないことになりかねない。今日からコツコツと「骨活」に取り組もう。
※女性セブン2024年11月14日号