免疫力が上がった気がする
森永さんは、「唯一感じる効果」として、免疫力の高まりを挙げる。
「効いているかどうかわからないと言いましたが、医療界では“画期的で、すごく効く薬”とされている。だから、その言葉を信じると前向きな気持ちになって免疫力が上がった気がします。つまり、オプジーボを打つということは、神に祈るとか、がんに効く温泉水を飲むとかとそんなに違わないかな。
だからこそ私は、オプジーボは一般的に誰でも彼でもやっていいかというと、そうではないと思います。安易にオプジーボに頼る必要はない。ほかのがん治療薬と同じで、毒にも薬にもなりますから。ほかに方法がない人のための薬なんです」
毎月120万円で延命している
免疫チェックポイント阻害薬は、オプジーボを皮切りに現在では8つの薬が承認されている。
「なぜオプジーボかと聞かれることもありますが、都心以外に住んでいるとオプジーボ以外の選択肢はありません。私は埼玉の都会のような田舎のような“トカイナカ”に住んでいますが、それでもオプジーボを打つというだけで大騒ぎになりました。
さらに地方に行けば、それさえ打つ選択肢もないかもしれない。そうした医療格差はありますね」
転移がない限り、森永さんは現状の治療を続けるという。
「とりあえずいまは、よくも悪くもなっていませんから、毎月120万円かけてなんとか延命しているという状況です。でも、転移してしまえば、抗がん剤を含めた新しい治療法を考えなければいけません。それが私に合うかはイチかバチかの賭けのようなもの。
転移してしまえば、1か月足らずで死んでしまうかもしれない。だからもう毎日必死で生きて、やり残したことを全部やる。まだオファーをもらった本で仕上がっていないのが13冊も残っているので、ひとまず年内にそれをしっかり仕上げます」
刊行予定の本について、「誰も言えなかったメディアの闇を全部書きますよ」と意味深に笑った森永さん。その言葉は生気に満ちあふれていた。
※女性セブン2024年12月19日号