年末の大掃除までに!“ズボラ夫“を掃除好きにする妻の心構え&段取り 「“やって”ではなく“助けてほしい”と言う」「リーダーや指揮官にならない」「“私がやった方が早い”は封印」
玄関にリビング、台所、浴室と1年の汚れをごっそり落とす季節がやってきた。どうせなら、今年こそは夫に“大掃除デビュー”を! ズボラ夫を掃除好きに変える方法を専門家に聞いた。
夫にも掃除をしない理由がある
「家事を何もしないご主人も実は、妻のために何かしたいと思っているケースが多いんです。ただ、下手に手伝って怒られるくらいなら、“何もしない方がマシだ”と思っているようです」とは、家庭内ワークシェアリングを提案している家事研究家の佐光紀子さんだ(「」内、以下同)。
妻の領分に口を出さないことこそ家庭円満の秘訣と思っていたり、そもそもいつも掃除がされていると、それが“きれいな状態である”ということに気づかず、掃除をしろと言われても“どこが汚れているのか、何をしたらいいのかわからない”という夫も少なくないという。
「妻の“こうしてほしい”を夫が察することは不可能。夫に掃除を手伝ってもらいたいなら、どこをどうしてほしいのか、具体的に伝えるため、話し合いの場を設けることが先決です。この手間を惜しんで、夫を家事が何もできないままにしておくと、自分に看護や介護が必要になったとき、生活が破綻しかねません」
妻が行動を起こさない限り何も変わらない。年末の大掃除は、日常的な掃除に比べてイベント性が高く、家族で協力し合うにはいいタイミングだ。この機会にぜひ挑戦してみよう。
掃除への責任感を待たせることが大切
家事シェア研究家の三木智有さんがアドバイスする。
「掃除をしたことがないご主人も、これまでやる習慣がなかっただけで、仕事として任せて責任を負わせれば、むしろこだわって役割を果たそうとするケースが多いんです」
“自分事”として夫に認識してもらうためには、妻の意識改革と事前の段どりが必要だ。上記にその方法を詳述した。掃除に取り掛かる前に押さえてほしい。
STEP1:掃除好きな夫にするための12の「妻の心構え」
まずはSTEP1。やる気を引き出す“魔法の言葉&教え方”とは? 掃除好きな夫にするための妻の心構え12項目を紹介する。
【1】「やって」ではなく「助けてほしい」と言う
命令は人のやる気をそぐもの。「相談として持ちかけてヘルプを出す、頼る姿勢を見せることが大切です」(佐光さん・以下同)。
【2】リーダーや指揮官にならない
「妻がリーダーになると、夫は指示待ち人間と化し、主体性がなくなります。"一緒にやろう"というスタンスをとって」
【3】具体的すぎる指示は出さない
「細かい指示出しはNG。主体性を持ってもらうには担当場所とどの程度きれいにするかを伝えればOK」(三木さん・以下同)
【4】妻の願望より夫の気持ちを尊重
「掃除場所は妻が決めがちですが、夫のやりたい場所や身体的特性(身長や力が必要など)に合った場所を選んでもらいましょう」
【5】妻がやりたくない場所を押し付けない
「自分だけにやらせてズルイと思われないよう、夫が掃除中は妻も別の場所を掃除し、一緒にがんばっている感じを出して」
【6】夫が掃除中は自分も掃除する
「自分だけにやらせてズルイと思われないよう、夫が掃除中は妻も別の場所を掃除し、一緒にがんばっている感じを出して」
【7】同じ場所を一緒に掃除しない
「同じ場所を掃除するとやり方の違いで衝突しがち。別の場所にするか同じ台所でも妻はシンク、夫は換気扇などと役割を分けて」 (佐光さん・以下同)
【8】「私がやった方が早い」は封印
「妻とは経験値が異なるので、時間がかかるのは当然。好きなだけやらせるか、逆に制限時間を設け、手出しせず見守って」
【9】夫のやり方に口を出さない
「夫に任せたら口を出さない。要領のいい方法を知っていようが、放っておいた方が自分なりの最適な方法を見つけるものです」 (三木さん)
【10】掃除の仕上がりは期待しない
「きれいの価値観は人それぞれ。思うような仕上がりでなくても、とりあえずこの場ではよしとする寛容さを持つことも大切」 (佐光さん・以下同)
【11】掃除中は怒ったり感情的にならない
「危険性があったり、迷惑をかけたりしない限りは怒らない。納得がいかない場合、なぜその方法を取ったか聞いてみましょう」
【12】結果はどうあれ、仕上がりをほめる
「喜んでもらうことをモチベーションにするケースも多いので、結果はどうあれ、ほめると次へのやる気につながります」 (三木さん)