ライター歴45年を迎えたオバ記者こと野原広子(66歳)。ここ数年、愛猫や身内の死を相次いで経験。昨年は自身の大病で手術、入院をした。それから意識し始めた“終活”。モノを捨てる「捨て活」を始めたのだが最近、ある動画に目が留まった――。
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“80代ばあちゃん”の掃除術に「こんな人がいたんだ」
いやぁ、衝撃だったね。何がって掃除の天才の動画よ。こんな人がいたんだ。こんな世界があったんだって、見終わったときはしばし身体が動かなかったもんね。それは【80代元気ばあちゃんの日常】という登録者数8万人の人気YouTubeチャンネルで、『朝のお掃除ルーティン/毎日の習慣でキレイを保つ/掃除・洗濯・洗い物の工夫や便利グッズも紹介』という回なの。
動画は「朝、目が覚めたら床の中でグーバーグーパーを10回ほどしまして」で始まるんだけどね。私がマネできるのはこれだけ。続く「シーツは毎日交換。枕カバーの上にタオルをかけてこれも毎日(交換)。あとお寝間着はもちろん毎日ですね」で、完全にノックアウトよ。自分だけしか使わないシーツを毎日、交換するって意味がわからない。「お寝間着」という言葉遣いの上品さも衝撃だし、それに80代というのにチェックのスカートで、なんとちゃんとウエストがあるのよ。拭き掃除をする後ろ姿もキリリとしていてもう、ため息しか出ないって。
お湯を沸かしてポットに入れたら、そのヤカンをフタから外側、内側までキッチンペーパーで拭くというシーンでも目が点。こんなことをしてる人、これまで一度も見たことがないもの。洗濯を終えたら洗濯機の糸くず受けからドラムのふちから水の注ぎ口、ドラムの中を細かく細かく拭き上げるし、さらに2か月に一度、カビ取りクリーナーをかけるんだって。
身体の動きがシャープ!家中ぴかぴか
それにしても台所から洗面所の水回りのきれいなことよ! テーブルの上に何も載っていないのは当然だし、それこそ家中ぴかぴかでホコリすらない! 80代というのに身体の動きがシャープなのは朝からいくつかの体操をしているからというけれど、それにしてもよ。毎朝、25分のお掃除ルーティンがこれほど身体を若くするのかと思うと、ああ、66歳の私は取り返しがつかない? いや、これからの努力次第ではなんとかなる? と、最近キヤキヤと痛み出したひざをさすったわよ。
でも、ちょっと待って! こういう“お掃除エリート”は目の保養にするのはいいけど、真に受けたらダメ、ともうひとりの私が言うんだよ。このおばあちゃんと私、生まれも育ちも違うし第一、”目”が違う。私はそもそものところで、ほどほどに散らかっている部屋がくつろげると思っているから、ざっくりとした目で家の中を見ているのよ。その“ほどほど”のタガが外れて、あれよあれよという間に汚部屋になったわけだけど、精密な目を持っているこのおばあちゃんにしたら私の部屋は“狂気の沙汰”だと思う。もしかしたら10分で心身に異変をきたすかも。