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《今年こそやせる!》食べやせダイエットの専門家がダイエット成功のヒントを指南「スーパーは店内の外側を1週するだけ」「サラダは大量にストック」

ダイエット成功のヒントはスーパーの買い物から(写真/イメージマート)
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新しい年を迎えて、気になりだした正月太り。新年の誓いに「今年こそはやせる!」と決意した人も多いのではないでしょうか? そんな人たちに、食べやせダイエットの専門講師で『食べるほど人生が変わるずぼらダイエット』の著者・松田リエさんが、挫折せずにずぼらにダイエットを成功させるヒントを教えてくれました。

スーパーでの買い物からダイエットは始まっている

松田さんは、「スーパーでの買い物から、ダイエットは始まっている」と言います。

「私たちの体は、食べたものでできています。つまりは、買い物カゴに入れた食べ物や、冷蔵庫や食品庫に保存している食べ物が未来のあなたやあなたの家族の体になります。たとえばスーパーでポテトチップスのビッグサイズが割り引きされていたとしましょう。

『小さい袋よりもお得。ダイエット中だけど、ご褒美として少しずつ食べれば大丈夫』そんな思考パターンになりがちな人は気をつけてくださいね。少しずつ食べたとしても、その大袋の中身は確実にあなたの体へと入ってくるのです。そもそも、家に大袋のポテトチップスが置いてなければ〝一気に食べ過ぎないように気をつける〟といった努力も不要で、ムダなストレスを抱え込まなくてすみます。

太るようなものは家に持ち込まない。そんなマインドで過ごしたいですね。それでは、わが家の松田家が、ふだんスーパーで、どんなふうに買い物をしているか紹介しましょう」

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スーパーの店内では中央にある加工食品、お菓子の棚には立ち寄らない

わが家は、男の子ふたりと夫婦の4人家族。育ち盛りの男の子なので、2週間でだいたいお米5㎏を食べ切ってしまうほど食欲旺盛です。子どもたちは、昼は学校で給食がありますが、それ以外の食事はすべて私が準備しています。

冷蔵庫がすっからかんになるタイミングで、買い物に行きます。だいたい週に2回のサイクルです。冷蔵庫は生鮮食品を入れておく場所で、長期で保存するところではないと思っているので、なるべく使い切ることを心がけています。空っぽだと、布巾でサッとふくだけで庫内を清潔に保てるのもいいところです。

加工食品やお菓子コーナーには寄らずに生鮮食品だけを買う(写真/イメージマート)
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スーパーではカートがいっぱいになる量の買い物をしますが、所要時間は10分間くらいとても早いんです。なぜなら、生鮮食品しか買わないから。ご存じですか? 生鮮食品って、店内のいちばん外側をぐるっと1周するように配置されているんです。大きなショッピングセンターでも、小さなスーパーでもたいてい同じで、内側の島になっている部分には加工食品が置かれています。誘惑の多いお菓子コーナーも立ち寄らないようにしています。私が買うのは生鮮食品だけ。外側1周するだけなら、驚くほどスピーディに買い物ができて、あっという間ですよ。

買い物カゴの中身は「自分」カゴをのぞくと、その人の生活が見えてくる

先ほど述べたように、わが家のスーパーでの買い物は生鮮食品だけ。保存食品や重たいものは通販で購入するようにしているので(時短になるし、選択肢も増える)、スーパーで衝動的に余計なものを買うこともありません。レジに向かう頃には、私のカゴは野菜でパンパンです。

でも、レジの列に並んでまわりの人のカゴを見ると、パンやお菓子でいっぱいのカゴ、野菜がほとんど入っていないカゴ……、といろいろな個性があることに気づきます。カゴの中身は未来の自分を映す鏡。カゴに入れたものでしか体は作られない。「カゴは自分だ」という意識をもつと、買い物カゴの中身も変わってくるはずですよ。

冷蔵庫が余分なものでパンパンなのはダメ!ずぼらさんこそ、スッキリ

冷蔵庫を空っぽにしてからスーパーへ買い物に行くのが私のルーティンですが、空っぽというのは、文字どおり本当に“すっからかん”の状態のこと。わが家の冷蔵庫には、いつ開封したのか定かではない焼き肉のタレやエスニック調味料とか、いただきものの瓶詰や佃煮といった類のものは一切ありません。冷蔵庫には、数日で食べ切る生鮮食品“だけ”を入れているからです(冷凍庫には若干、保管用の食材も入っていますが……でも1か月以内には食べ切っています)。

以前、インスタグラムやユーチューブでわが家の冷蔵庫のなかをお見せする動画を配信したことがあるのですが、あまりにもスッキリと片付いているせいか「もっとずぼらな冷蔵庫が見たい」と視聴者さんからいわれてしまうほど(笑)。

でも、ずぼらさんこそ、冷蔵庫はスカスカのほうがいいんです! 扉を開けてパッと見ただけで今あるものとないものとが一目瞭然だから、ものを探す手間がありません。スーパーに行ったときに「きゅうりってまだあったっけ……?」などと迷ったり、ダブって買って食材をムダにするようなことがなくなります。そして何より、週に2回は空っぽにしているので(空っぽにしてからスーパーへ)、そのときにサッとふけば、ピカピカの庫内を保てるんです。ものがぎっしりと詰まった冷蔵庫だと、庫内を掃除するのってひと仕事ですよね。スカスカだからこそ、ずぼらでもキレイが保てるんです。

不思議なことに、冷蔵庫がスッキリすると体もスッキリしてくるんです。もっといえば、冷蔵庫がスッキリしてくると、キッチンとか部屋とか広いエリアにも相乗効果が現れて、スッキリと片付いた部屋に変わってくるんです。私自身がそうでしたし、ダイエットに成功した会員さんからも同じ体験談をよく聞きます。

暴飲暴食、やけ食いなどを引き起こすストレスは、ダイエットの敵。冷蔵庫のなかがごちゃごちゃとしていて機能的でなく見た目にもよくない状態って、たとえそんな自覚はなくても、それで日々ストレスを感じてイヤな思いをしているんです。だから、思い切って一度、冷蔵庫の大掃除をしてみてください。いらないものを一掃すると、本当に爽快です。今まで無自覚のうちに苛まれていたストレスが消えて、心が晴れやかになります。部屋やクローゼットにくらべたら、冷蔵庫なんて小さなスペース。思い立ったらすぐに掃除できて成果も出ます。とてもタイムパフォーマンスのよいストレス解消法です。

「冷蔵庫のいらないもの」チェックリスト

□ 人からいただいたまま食べるかどうかわからないもの
□全然使っていないもの
□いつからあるかわからないもの
□使いかけのまま放置されているもの
□賞味期限が切れているもの
□そもそも何に使うかわからないもの
□いつか使えそうだけれど使うチャンスのないもの(付属のからし、しょうゆなど)

スッキリきれいな松田リエさんの家の冷蔵庫
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ケチャップなど濃い味の調味料はなるべく買わずに代用品で

ケチャップ、ソース、マヨネーズなどは、味が濃くて、甘みや脂質が気になる調味料です。

ケチャップやマヨネーズなどはできるだけ使用するのを避ける(写真/イメージマート)
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私はできるだけ使用するのを避け、「やせ調味料」などですますようにしています。たとえばケチャップなら100%トマトピューレで応用してみたり(甘みは天然甘味料エリスリトールやはちみつなど、別の食材を足しています)。マヨネーズは、なんと豆乳マヨネーズを使っています。材料は、オリーブオイル(大さじ5)、豆乳・リンゴ酢(各大さじ1)、天然塩ふたつまみを入れてボトルのなかでシェイクするだけ。また、みそマヨネーズ(みそ大さじ1、ヨーグルト大さじ2を混ぜるだけ)もよく作ります。これらのマヨネーズに出合ってから、市販のマヨネーズを使わなくなりました。

ソースなどは隠し味に使う場合もあるので、そんなときは、量に気をつけています。カロリーハーフ、塩分カットなどと書いてあるものは一見ヘルシーそうに見えますが、栄養表示を見ると通常のものより糖質量が多かったりするものもあるので気をつけてください。

いずれにしろ、原材料がなるべくシンプルなものがおすすめなので、商品の裏側にある食品表示をよく見て、何が入っているか確認するクセをつけましょう(往々にしてそういったものは少々お高めです。質のよいものを大切に使えば、使い過ぎも抑えられます)。

サラダは大量に作って冷蔵庫にストック お腹が空いたときどれだけ食べてもOK

平日はほぼフルタイムで働いているので、買い物をした日か翌日にまとめて料理をします。だいたい1時間半くらいで10~12品作りますが、どうしても時間が取れないときや、YouTubeの仕事でカメラを回しながらお料理を作る場合は4品くらいのときもあります。

料理は決して得意ではないんです。でも料理する時間は、私にとってはヒーリングタイム。今、自分に起こっていることだけに集中する「マインドフルネス」という瞑想法がありますが、料理はまさに目の前のことだけに集中できる時間ですよね。難しいことを何も考えなくてよくて、どんどん料理ができあがっていくから達成感もあります。

まず、絶対に欠かさず常備しているのが「サラダストック」です。レタス、トマト、ブロッコリースプラウト、ベビーリーフなどの葉物野菜を切ったりちぎったりして、大きなコンテナに入れて冷蔵庫へ。いつでも取り出して食べられるようにしています。朝も晩も食べます。最近よく売っている、水切り機能が付いた二重構造の保存用コンテナは、野菜を長持ちさせるのでとても便利です。

作りおきするのは主に副菜です。たとえば「にんじんサラダ」とか、「小松菜をレンジでチンしてツナとポン酢であえたもの」とか。みそ汁も、朝夜分まとめて鍋に作っています。ここまでしておくと、あとはメインの肉や魚を焼くだけ。まったく苦ではなく続けられます。しかも、冷蔵庫にずらっと並んだ常備菜が、1日、2日……と減っていって最後に全部食べ切ってしまうのも、達成感があります。

サラダは数種類組み合わせて、いつでも食べられるようにしている。ニトリの野菜保存用「フレッシュキーパー」(右)などで冷蔵庫保
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食べ盛りの子どもにはプラス1品で対応

「食べ盛りの子どもがいるから、なかなかダイエットできない」。もしそんなふうに思っているなら、そのネガティブマインドを切り替えてください。

体のもととなるたんぱく質がたっぷりで、ビタミンもミネラルも食物繊維もとれるバランスのとれた食事は、子どもの成長にもいいに決まっています。親が健康的な食事をしていたら、自然と子どもも健康になります。あなたのためのダイエットは家族のためにもなるのです。

ただ、体重を減らしていきたいあなたと、成長期の子どもとでは、食べる量に差があります。また、子どもは唐揚げやハンバーグなどのおかずを好みます。だから、追加で1品、子どものためにおかずを足してあげましょう。ダイエットの観点からいうと、調理方法のおすすめは、生のまま、蒸す、焼く、煮る、揚げる、の順になります。

ちなみに揚げものをするときは、オートミールをフードプロセッサーで砕くとヘルシーでおいしい衣になります。毎回作るのは大変なので、ある程度まとめて作ってストックしておくと便利です。

オートミールを衣に使用することでヘルシーに(写真/イメージマート)
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オートミールはヨーグルトと混ぜてしっとりさせてからフライパンで焼けばパンのようになるし、ふやかしたものをバナナと混ぜてレンチンすればケーキのようになるし、残りもののスープに加えればおじやのようになるしと、アレンジが多彩にできる食材です。

おやつは15時がベスト!わが家の間食はさつまいも、おにぎり

スナック菓子などは買わないようにしているわが家。間食の定番は、さつまいもとおにぎりです。ひとつずつラップに包んで冷凍保存して、欲しいときに欲しい数食べられるようにしています。さつまいもは、糖質のなかでも食物繊維が豊富で血糖値が急上昇しにくく、甘みもあるのでおやつ代わりに。成長期で運動量も多い長男には、厚めに切ってレンチンしたさつまいも1切れと、おにぎり1個を補食としています。子どもたちは、正しい味覚が備わっているのかいつもおいしく平らげてくれます。

一方、私自身は、朝食でおかず、サラダ、汁もの……と順に食べていくと、満腹で主食まで行きつかないことがあります。そんなときは、ごはんをラップに包んでおにぎりとし(またはパン)、10時頃に間食として食べます。

甘いものをおやつとして食べる場合は、午後3時頃がベスト。朝起きてから8時間くらいの時間帯は、脂肪を溜め込む働きが弱くなるといわれています。

もったいない、という考えは捨てる。あなたの胃袋はゴミ箱じゃない

子どもの食べ残しを、もったいないからと食後に食べていませんか? 食べ物をムダにするのはいけないこと、という倫理観はわかります。それが日本人の美徳でもあるでしょう。でも、あなたの胃袋はゴミ箱ではないのです。必要のないものを、無理に食べることはやめましょう。もったいない、と食べたものがそのまま身になってしまうのですから。

わが家では、子どもの食が進まないときは、「いらないなら、もう下げるよ」と声をかけ、片付けてしまいます。もったいないほど残っているのなら、ラップをかけて冷蔵庫へ。次の食事で食べればいいのです。

食事は、体に十分な栄養を与えて自分を心地よい状態へと整えるためのもの。もったいないからと無理をして、その結果太ってしまったら、元も子もありません。

◆教えてくれたのは:ダイエット講師・松田リエさん

ダイエット講師・松田リエさん
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看護師・保健師・ダイエット講師 Belle Lus 株式会社代表取締役。Belle Life Style 協会代表理事。1986年生まれ。二児のママ。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として成人の健康教育、糖尿病患者への保健指導を行う。この経験から、栄養や体の知識を身につけないと、食習慣はよりよくならないことに気づく。 自身が自然に12㎏やせた経験を生かし、食べやせダイエット専門講師として起業。2022年、ダイエットに悩む人の多くが面倒くさがりやであることに着目した食事メソッド本『ずぼら瞬食ダイエット』(小学館)が大ヒット。シリーズ3冊目の『食べるほど人生が変わるずぼらダイエット』(小学館)を発売。SNS 総フォロワー数56万人。
Instagram @matsuda_rie8
X @rie_matsuda
YouTube 松田リエ・おうちで食べ美【 食べ痩せダイエット講師】

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