
iDeCo、NISA、株式投資など少額の元手からでも始められる比較的手軽な投資も多いなか、難易度が高いと思われがちな不動産投資。しかし、コツを掴みさえすれば“何もしなくても家賃収入を得られる”という、まさに究極の“勝ち組投資”ともいえる。不動産投資で豊かな人生を手に入れた女性投資家の「不動産投資は怖くない」とアドバイスする声を聞いた。
新聞広告をきっかけに新築ワンルームマンションを購入
不動産投資のハードルは、銀行からの融資や、不動産業者とのやりとりだけでなく、収入と支出のバランスを考えて税金対策をするなど、事業的な側面が強いこともある。
内本智子さんは会社員として働きながら不動産投資を始め、資産を増やし、現在は5棟107室を所有し総資産は約14億円。物件の管理は管理会社に委託せず、自主管理する“上級大家”だ。

内本さんが初めて物件を購入したのは、2003年のこと。会社員だった当時、新聞広告をきっかけに新築ワンルームマンションを購入。8年後の2011年から本格的に不動産投資家としての活動を開始し、一棟マンションの購入に踏み切った。しかし、ここで大きな障壁となったのが、銀行でも業者でもなく、「夫の猛反発」だった。
「マンション一棟の購入となると、1億円以上の融資が必要です。保証人になってもらおうと夫に説明したところ、『おまえはアホか』と一蹴されてしまいました」(内本さん・以下同)
それでも内本さんは諦めず、夫に内緒で不動産投資をすることを決意。銀行とのやりとりなどではもちろん苦労もあったが、内本さんは果敢に挑戦した。
「銀行では『ご主人は?』と言われたことは幾度となくあります。それでも諦めずに資金調達に動きました。
夫を保証人に立てられず融資が希望金額まで届かないこともあるなかで、必要書類を揃え、金融機関を回って融資を獲得し、2011年には1年間で3棟のマンションを購入しました。その年に会社員を辞め、専業の不動産投資家・大家として独立。これまでに購入した物件は売却済みのものも含めると18棟になります」
物件を自主管理にした理由
現在は所有物件を整理し、常磐線沿線の5棟のみを残している。その意図は、自宅から1時間程度の範囲に物件を集め、物件の状態を把握しやすくするためだ。また通いやすい場所であれば、物件の様子を頻繁に見に行くことで管理会社の過剰なリフォームを抑止することができる。

「少ししか汚れていない壁紙、壊れていないドアをリフォームするという連絡が入ることがあります。でも、それを繰り返せば当然費用はかかる。そうならないように、月1回は物件を見に行って『よく来る、厳しい大家』だと認識してもらうんです」
リフォームを提案されると、“家のことを考えてくれるいい管理会社”などと思ってしまうかもしれないが、そうとは限らない。
「やはりみんな自分の利益が大事ですから。不動産投資をするコツは、人を信じすぎず疑ってかかるくらいでちょうどいいと感じます」
こうした経験を経て、2018年からは物件の管理を自分で行う「自主管理」にシフトし、経費削減を図った。物件管理を管理会社に委託すると家賃収入の5%前後の委託費が発生するのが一般的だが、自主管理にすればその費用を削減できる。
「入居者の募集や入居希望者の対応、退去のほか、家賃滞納者の夜逃げ、設備故障の際の業者とのやりとり、入居者同士のトラブル仲裁、返事がこない入居者への度々の連絡を含む、物件にまつわることすべてを行わなければならない大変さは確かにあります。一方で入居者や業者との接点が増え、楽しさが増しました。トラブルの対応も素早くできますし、入居者からお礼を言われるとうれしいです」
大切なのは「責任を取れる範囲」に収めること
不動産投資は、お金をやりとりして資産を増やすという無機的なだけでなく、人と人との有機的なやりとりがあるからこそ、インテリアや植栽、入居者との折衝など自分の特技を生かすことができる。また、なにもいきなり戸建てやマンション一棟を投資用に購入する必要はない。
「世話好きな人だったら、自分の家の一部屋だけ貸すことから始めてみてもよいかもしれません。賃貸併用アパートを購入し、自ら入居する手もあります。上級者向きですが戸建てを借りてシェアハウスを運用する方法もあります。いずれにしても土地勘のあるエリアがおすすめです」
資金については、自身に収入がなくても会社に勤める配偶者に保証人になってもらえば融資が受けられることもある。まず貯金して数百万円の頭金を作るのもいいだろう。また、物件を購入せずに借りた物件を転貸するという手もある。
「大切なのは、責任を取れる範囲に収めること。収支を計算してみてマイナスになる物件は買わない、銀行から融資を受けても自宅は担保に入れないなどの線引きは必要ですね。いずれにしても、まずはスモールスタートし、不動産賃貸業ができるかどうか自身の適性を見てはどうでしょう。私も始まりはワンルームマンションひとつでした」
豊かな老後の扉を開ける可能性を持った不動産投資。少しでも関心を持った人は、さっそく不動産投資本やセミナーで学び、最初の一歩を踏み出してはいかがだろうか。2025年はあなたの「不動産投資元年」になるかもしれない。
【プロフィール】
内本智子さん/不動産投資家歴21年。夫からの反対を受けながらも規模を拡大し、現在の所有物件は5棟、総資産は約14億円。物件管理を不動産管理会社に委託せず、自主管理を実践。不動産投資家の勉強会「内本塾」を主宰。著書に『家賃年収1億円ママ、今度は“自主管理”でキャッシュフロー をドンドン増やしています!』『子育てアラフォーママがまだまだ夫にナイショで家賃収入1億円突破!』ほか。
※女性セブン2025年1月30日号