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放送中のドラマ『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ・フジテレビ系)に、中島裕翔とW主演する板垣李光人。科学警察研究所の法医第九研究室、通称「第九」の室長・薪剛を演じている。作品や役についての深い想い、そして初共演でバディーを組む中島裕翔との関係性について聞いた。
――原作は清水玲子先生によるマンガ『秘密-トップ・シークレット-』『秘密 season0』です。マンガとドラマの関係性について、どう向き合っていますか?
板垣:清水先生が描く、キャラクターの想いが複雑に交錯するこの濃厚な人間ドラマは、マンガでしか描けないものがあります。一方で、日常の些細なシーンであったり、感情表現だったり、ぼくら生身の人間が演じることで、原作の持つ魅力を増幅できるのではないか。そう信じながらドラマを作っています。
――演じる薪剛と自身とで、重なる部分はありますか?
板垣:すごく挑戦的な役なので、現場に入るまで似ているところを見出すのが難しいだろうなと思っていました。撮影が始まったいまはもう、役との「共通点」や「共感」を超え、薪と一つになっているような感覚があるんです。それは中島裕翔さん、門脇麦さん、高橋努さんをはじめとするキャストとスタッフの皆さんが、素晴らしい『秘密』の世界を作ってくださるからだと日々感じています。
――中島さんとお芝居をしてみての感想は?
板垣:中島さんが現場でずっと役の〝鈴木″ としていてくださるおかげで、ぼくは薪として感情を保てている部分があります。薪が鈴木のことを想う一人のシーンは精神的に揺さぶられ、すごく疲弊するんです。その撮影が終わって、待機場所に戻り中島さんの顔を見た時に、泣きそうになったんですよね…。薪という人間にこれだけ入り込めるのは、鈴木という存在がいてくれているから。中島さんと僕自身という関係性においても、中島さんが先導して作ってくださっています。
※3話から、中島裕翔は青木一行の一人二役になる。
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まだ見たことのない世界を見たい
――昨年、個展を開くなどアーティストとしても活躍中です。
板垣:それまで、誰かに見せるために絵を描いたことがなかったので、ファンのかたやお世話になったかたが大勢に見ていただいた個展を経て、創作への向き合い方が変わる予感がしています。日本に観光に来ていたかたがふらっと個展に入って来られたという話も伺って、すごく不思議な感覚がありました。具体的に次が決まっているわけではありませんが、テーマを決めて、そこから派生した物語として作品を作っていくことは今後も続けていきたいです。ここ数年、その年を振り返って「こんなにも新しいことを経験させていただけたんだ」と思うと同時に、体験していなかったことがこんなにもあることがありがたくて。芝居でも創作活動でも、まだ見たことのない世界を見られるように、日々、努めたいです。
――1月28日に23才の誕生日を迎えました。ファッションを愛してやまない板垣さんですが、ご自身への誕生日プレゼントは?
板垣:特別コレというのはないです。と言うのも、自分へのご褒美は普段から散々買っているので(笑)。そういう意味では、毎日が誕生日みたいなものです。
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取材・文/小泉咲子