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《金銀の豪華な糸が紡がれ》雅子さまがモンゴル大統領夫人に贈ったのは“美智子さまから受け継いだ”伝統のハンドバッグ

国際親善の場で、雅子さまは生き生きとした表情を見せられる
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皇族の公務は社会的なニュースになるだけではない。その時々のお召し物などからお人柄や趣味嗜好、お考えになっていることまで幅広く世間の関心事となる──この夏、天皇陛下と共にモンゴルをご訪問されている皇后・雅子さまは、大統領夫人に、美智子さまから受け継がれる伝統の品である「佐賀錦」のハンドバッグを贈られた。

象牙の色の着物

7月6日から、モンゴルを訪問されている天皇皇后両陛下。天皇皇后として初めての同国訪問に注目が集まる中、現地は歓迎ムードに包まれた。

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「8日、歓迎式典が開催された首都ウランバートル中心部の広場には、カラフルな民族衣装『デール』に身を包んだ数百人の市民が、日の丸とモンゴル国旗を手に、両陛下を歓迎しました。広場の横にある時計台の外壁には、高さ10メートル以上の巨大な両陛下の写真が張られる歓迎ぶり。記念撮影する人も多く見られました」(皇室ジャーナリスト)

その日の夜、大統領夫妻主催の晩餐会に出席された両陛下。雅子さまは黄味かかった象牙色の着物に身を包み、大統領夫妻をはじめとする参加者たちと杯を傾けられた。

カミラ王妃はその場で使用

晩餐会にあたって、両陛下から大統領には色鮮やかで観賞用としても重宝される『九谷焼』の飾鉢が、そして大統領夫人には『佐賀錦』のハンドバッグが贈られたという。

カミラ王妃が右手に持っているのは、雅子さまがプレゼントした佐賀錦のハンドバッグ(写真/時事通信社)「『佐賀錦』は金銀の箔を使った華麗な手織物で、佐賀県に伝わる伝統工芸品のひとつです。皇室とゆかりの深い品物で、昨年、両陛下がイギリスを訪問された際、カミラ王妃に贈られたのも、佐賀錦のハンドバッグでした。

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カミラ王妃は雅子さまからハンドバッグを受け取った直後の晩餐会で、そのバッグを使用。そのお姿は、翌日の現地の新聞の一面を飾り、カミラ夫人がとても喜んでいる様子がイギリスでも大きく報じられました。雅子さまに感謝の気持ちを示された行動でしたが、それをご覧になった雅子さまも、かなり喜んでおられました。

さらに今年3月、ブラジルのルラ大統領夫妻が来日された際も、ロサンジェラ夫人に佐賀錦のバッグが贈呈されています」(宮内庁関係者)

佐賀錦と皇室の縁は、美智子さまがつながれたものだという。

「美智子さまの母である正田富美子さんは、佐賀県のご出身。その縁もあって、美智子さまは佐賀錦を積極的にファッションに取り入れられました。和装の際のハンドバッグだけでなく、洋風のドレスに佐賀錦の装飾を取り入れるなどの工夫も凝らされたのです。

佐賀錦が海外の要人への贈答品とされたのも、美智子さまから受け継がれた伝統。1991年、当時ソ連の大統領だった故・ゴルバチョフ氏夫妻が来日した際も、夫人には佐賀錦のハンドバッグが贈られています」(前出・宮内庁関係者)

この皇室の伝統は愛子さまにも受け継がれているようだ。

「昨年、愛子さまが園遊会デビューされた際は、金と朱の濃淡が鮮やかな佐賀錦のハンドバッグを手に持たれていた。その日は雅子さまも、白と金色の佐賀錦のバッグをお持ちになっていました。美智子さまから脈々と、伝統がつながれているのです」(前出・宮内庁関係者)

皇室ゆかりの品は、時代を超えて継承されていく。