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《無理なダイエットは卒業》「体重は測らない」「たっぷり水を飲む」フランス女性が太らない10の理由 美スタイルを保つメソッドを解説

カフェの外の席でコーヒーを飲みながら笑顔のフランス人女性
美スタイルな女性が多いイメージのフランス人女性。その秘訣とは?(写真/イメージマート)
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美食の国として名高いフランス。バター香るクロワッサンや、クリームや肉など高たんぱく食材をふんだんに使った料理、砂糖たっぷりの焼き菓子やチョコレート、そしてワインなど代表するグルメはどれもハイカロリーなものばかり。にもかかわらず、美スタイルを保っているフランス女性の「たしかなメソッド」を解明。

フランス女性の太らない食・生活習慣

ストイックな食事制限も不要、運動もしなくていい。それでも美しい体形を維持する秘訣はフランス人の食生活や生活習慣にあった。フランス生まれの実業家女性であるミレイユ・ジュリアーノがその秘訣を紹介した著書『フランス人はなぜ好きなものを食べて太らないのか』が世界で300万部超の大ヒットを博している。その代表的なものが上の10項目。管理栄養士の松田真紀さんが分析する。

カフェでワインと食事を前に笑顔のメガネを掛けたフランス人女性
美しい体形を維持する秘訣はフランス人の食生活や生活習慣にあった(写真/PIXTA)
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「これなら太らないのも納得です。彼女たちは、素材も味も“本物のいいもの”を食べ、適量で満足する術を知っていると思います。もっとも重要なのは『心で味わう』ということでしょう。
とはいえ欧米人と東洋人では体格や体質が違うので、日本人が真似をするなら少しアレンジが必要です」

“心で味わう”となぜ太らないのだろうか。

「“喜んで食べると太らない”といわれますが、それには一理あって、罪悪感を抱えた食事はストレスとなり、血糖値が上がりやすくなって腸の働きが鈍ります。体にいい発酵食品や食物繊維も、義務感で食べると消化できず体内に毒素がたまってしまうこともある。心から楽しく味わえば消化にもよく、量をそれほど食べなくても満足できるのです」(松田さん・以下同)

それでは1~10を具体的に見ていこう。

【1】たっぷりの水を飲む

フランス女性はとにかく水分補給にこだわり、こまめに水を飲むという。

水を飲むフランス人女性のイメージイラスト
たっぷりの水を飲む(イラスト/とげとげ。)
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「体の約7割は水でできています。不足すると体内の酸素の循環や代謝が悪くなり、太りやすくなります。疲労も蓄積するので、水を飲む習慣は素晴らしいことです。水が苦手な人の場合は、白湯や好みの温かいお茶でもOKです。日中、湯飲み1杯程度を1時間おきに飲むといいでしょう」

【2】スープが大好き

“世界一スープを食べる国民”と著者が表現するほどスープ好きのフランス人は、昼にボリュームのある食事を摂ることが多いため、夕食はスープで済ませることがよくあるという。

スープを飲むフランス人女性のイメージイラスト
スープが大好き(イラスト/とげとげ。)
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「胃腸を休ませるためにも、夜の食事を軽くするのは大賛成。具だくさんスープにすれば栄養も摂れ、水分補給にもなります。みそ汁なら1日2杯までに。化学調味料が入っただし入りのみそは塩分も多いので、だしなしがおすすめです」

【3】パン、食後のデザートは“適量”楽しむ

「炭水化物はダイエットの大敵といわれますが、フランスパンは水と小麦など原料がシンプルで砂糖や脂肪分も多くありません。またデザートは、食後に摂ることで血糖値が上がりにくくなる。どちらも食べすぎないことがポイントです」

パンやデザートを思い浮かべるフランス人女性のイメージイラスト
パン、食後のデザートは“適量”楽しむ(イラスト/とげとげ。)
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同書でも、パンはメイン料理とともに1~2切れ楽しもうと提案している。

「欧米人に比べて腸が長いといわれる日本人は、小麦を消化する力が弱いので、パンよりお米を食べるといいですね」

【4】旬の食材を食べる

フランスでは、旬の野菜や果物、新鮮な肉や魚が手に入るマルシェ(市場)を利用する人が多い。

いちご、ブロッコリー、レモンのイメージイラスト
旬の食材を食べる(イラスト/とげとげ。)
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「旬の食材は栄養価が高く値段も手頃。日本でも居住地に近い産地の旬のものを選びたいですね。肉や魚、きのこなど複数の食材を美しく盛り付ければ栄養バランスもよく、目にも満足感が得られます」

【5】毎日1~2杯のワイン

ワインを嗜むフランス人女性のイメージイラスト
毎日1~2杯のワイン(イラスト/とげとげ。)
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「ワインは発酵食で、適量を摂ることは健康に寄与すると考えられます。しかし、アルコール分解酵素を持つ欧米人に比べ、東洋人は分解酵素を持たない下戸の人が多く、アルコールの耐性が低い。特に女性はワイン1杯でも肝臓に負担がかかります。お酒は週2日程度に抑え、飲みたいときは、ワインと同じ発酵食の甘酒やしょうが湯に変えてみてはいかがでしょう」

【6】糖質や脂肪分ゼロはNON

0カロリー飲料や脂肪分カットのチョコーレートなどを好まないフランス人女性のイメージイラスト
糖質や脂肪分ゼロはNON(イラスト/とげとげ。)
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「いくらカロリーが控えめでも、人工的な甘みや風味を加えた加工食品は、栄養価の面で自然素材の食品にはかないません」

大切なのは食習慣だけではない。健康運動指導士の菅野隆さんが解説する。

【7】35才以降と55才以降で生活を変える

閉経後には骨密度の低下が起こるために筋トレを始め、55才以降は食事量を抑えて散歩を続けることがコツだというが、どのような効果が期待できるのか。

エクササイズをするフランス人女性のイメージイラスト
35才以降と55才以降で生活を変える(イラスト/とげとげ。)
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「特に注意すべきは閉経後の骨密度の低下で、将来、圧迫骨折や脊柱管狭窄症を招くリスクとなります。55才以降こそ筋トレが必須です。骨の強さは筋肉量に比例します」(菅野さん・以下同)

まず鍛えるべきは、筋肉量の多い足だ。

「おすすめは、手を前方に伸ばし、4秒でひざを曲げて中腰まで落とし、4秒で元に戻す『ハーフスクワット』。6~10回を1セットとし、段階的に1日3セットを週3回程度行うことが目標。高齢者も実践しています」

【8】よく歩き、階段を使う

多くのフランス女性はジム通いが嫌い。通勤や買い物の間にせっせと歩けば立派な運動になると主張する。

階段をのぼるフランス人女性のイメージイラスト
よく歩き、階段を使う(イラスト/とげとげ。)
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「『運動するぞ!』と意気込まなくても、日常でよく活動できていれば健康増進効果はあります。日本ではかつて1日1万歩が推奨されていましたが、近年は8000歩を週1~2回でも充分といわれています。

歩くときに重要なのは、競歩のような高重心の姿勢。重心が高いと股関節の位置が上がり、歩幅が広がります。まっすぐ立ち、両腕を真上にぐっと伸ばした状態が理想的な重心の位置。この姿勢だと足が前に出やすく、楽に、颯爽と歩けます。歩くより運動強度が高い自転車もおすすめです。肥満気味のかたは足への負担が少ないので安全です」

フランスはエレベーターのない古い建物も多いため、必然的に階段を使う頻度が高くなるという面も。

「階段の上り下りは足の筋トレに最適。先述のハーフスクワットでも同様の効果が期待できます」

【9】体重は測らない

フランス女性は体重の増減より、スリムなパンツをはいたり、鏡の前で全身を見たりしながら体形の変化をチェックするという。

鏡でスタイルをチェックする女性のイラスト
体重は測らない(イラスト/とげとげ。)
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「体重の記録をつけることは、減量が必要な人には有効な手段ですが、BMI(肥満度の指標)が22~23以下の人が体重を気にする必要はありません。その意味でも、自分の目で体形を管理するのはいい方法ですね」

【10】何才になってもおしゃれ

著者は、「年齢を重ねても服装に無頓着にならず、かといって若い人と同じように着飾るのでもなく、優雅な身だしなみに気を使うべき」だと綴る。

おしゃれを楽しむフランス人女性のイメージイラスト
何才になってもおしゃれ(イラスト/とげとげ。)
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「自分の見た目に気を配るとおのずと食や生活習慣も丁寧なものになります」(松田さん)

フランス女性の健康術は、外面だけでなく内面から美しくなれそうだ。

◆教えてくれたのは:管理栄養士・松田真紀さん

日本抗加齢医学会認定指導士。各メディアで活躍するほか、兵庫県神戸市で発酵デリ専門店「hakko matsuda slow food okamoto」を経営する。@hakko_matsuda.maki

◆教えてくれたのは:健康運動指導士・菅野隆さん

「日本健康運動研究所」代表、ヘルスケアトレーナー。日常生活に簡単に取り入れることができる運動方法や運動プログラムの研究開発、指導を幅広く行う。https://jhei.net/

取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2025年3月13日号

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