【6】糖質や脂肪分ゼロはNON

「いくらカロリーが控えめでも、人工的な甘みや風味を加えた加工食品は、栄養価の面で自然素材の食品にはかないません」
大切なのは食習慣だけではない。健康運動指導士の菅野隆さんが解説する。
【7】35才以降と55才以降で生活を変える
閉経後には骨密度の低下が起こるために筋トレを始め、55才以降は食事量を抑えて散歩を続けることがコツだというが、どのような効果が期待できるのか。

「特に注意すべきは閉経後の骨密度の低下で、将来、圧迫骨折や脊柱管狭窄症を招くリスクとなります。55才以降こそ筋トレが必須です。骨の強さは筋肉量に比例します」(菅野さん・以下同)
まず鍛えるべきは、筋肉量の多い足だ。
「おすすめは、手を前方に伸ばし、4秒でひざを曲げて中腰まで落とし、4秒で元に戻す『ハーフスクワット』。6~10回を1セットとし、段階的に1日3セットを週3回程度行うことが目標。高齢者も実践しています」
【8】よく歩き、階段を使う
多くのフランス女性はジム通いが嫌い。通勤や買い物の間にせっせと歩けば立派な運動になると主張する。

「『運動するぞ!』と意気込まなくても、日常でよく活動できていれば健康増進効果はあります。日本ではかつて1日1万歩が推奨されていましたが、近年は8000歩を週1~2回でも充分といわれています。
歩くときに重要なのは、競歩のような高重心の姿勢。重心が高いと股関節の位置が上がり、歩幅が広がります。まっすぐ立ち、両腕を真上にぐっと伸ばした状態が理想的な重心の位置。この姿勢だと足が前に出やすく、楽に、颯爽と歩けます。歩くより運動強度が高い自転車もおすすめです。肥満気味のかたは足への負担が少ないので安全です」
フランスはエレベーターのない古い建物も多いため、必然的に階段を使う頻度が高くなるという面も。
「階段の上り下りは足の筋トレに最適。先述のハーフスクワットでも同様の効果が期待できます」
【9】体重は測らない
フランス女性は体重の増減より、スリムなパンツをはいたり、鏡の前で全身を見たりしながら体形の変化をチェックするという。

「体重の記録をつけることは、減量が必要な人には有効な手段ですが、BMI(肥満度の指標)が22~23以下の人が体重を気にする必要はありません。その意味でも、自分の目で体形を管理するのはいい方法ですね」
【10】何才になってもおしゃれ
著者は、「年齢を重ねても服装に無頓着にならず、かといって若い人と同じように着飾るのでもなく、優雅な身だしなみに気を使うべき」だと綴る。

「自分の見た目に気を配るとおのずと食や生活習慣も丁寧なものになります」(松田さん)
フランス女性の健康術は、外面だけでなく内面から美しくなれそうだ。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・松田真紀さん
日本抗加齢医学会認定指導士。各メディアで活躍するほか、兵庫県神戸市で発酵デリ専門店「hakko matsuda slow food okamoto」を経営する。@hakko_matsuda.maki
◆教えてくれたのは:健康運動指導士・菅野隆さん
「日本健康運動研究所」代表、ヘルスケアトレーナー。日常生活に簡単に取り入れることができる運動方法や運動プログラムの研究開発、指導を幅広く行う。https://jhei.net/
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2025年3月13日号