
「朝バナナ」や「夜トマト」など、決まった時間に決まったものを食べるダイエット術は多い。だが、一度はやせても、キープするのは難しい。そこで、いまが旬の「キウイ」に注目。いつもの朝食と一緒に食べるだけでリバウンドしにくいやせ体質が手に入る、“置き換え”でも“カロリー制限”でもない、最強のダイエット法を発見!
“やせる栄養”がぎっしり
1月も終盤だが、いまだ正月太りを解消しそびれている人も少なくないだろう。なかなか減らない体重や体脂肪に悩んでいるなら、2月頃から旬を迎える「キウイ」を朝食に取り入れて、「朝キウイダイエット」を試してみてほしい。
「キウイは、脂肪の蓄積を抑えるポリフェノールのほか、代謝を促すビタミンB群、むくみを解消するカリウム、一緒に食べたものの消化吸収を助けて血糖値の急上昇を防ぐたんぱく質分解酵素のアクチニジンなどを豊富に含み、やせる栄養素の宝庫。まさに、ダイエットの強い味方なのです」
こう話すのは、管理栄養士の望月理恵子さん。
中でも特筆すべきは「食物繊維」だという。食物繊維には、腸を刺激して便意を促したり、便のかさを増やしたりする不溶性食物繊維と、腸内で水分を吸収してゲル状になり、便を軟らかくする水溶性食物繊維の2種類があり、不溶性と水溶性を2:1の割合で摂取するのが理想的とされている。
キウイには、まさにこの理想の割合で食物繊維が含まれているのだ。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが解説する。
「キウイ1個に含まれる食物繊維はバナナ3本分。しかもカロリーはバナナの半分ほどなので、非常に効率的に食物繊維を摂取できます。またビタミンCも豊富なのでダイエットだけでなく、美容と健康にも最適です」(石原さん・以下同)
体内時計をリセット
そんな最強ダイエット食品であるキウイの効果を最大限に享受するには、「朝」食べること。

「果物はどれも中性脂肪を増やす果糖が多く含まれるため、その影響がもっとも少ない朝に食べるのがおすすめです。
一方で適量の糖質を朝に摂取することは、体内時計をリセットして体温を上げ、その日のエネルギー代謝を高め、やせやすい体をつくることに役立つのです」(望月さん・以下同)
朝は“排泄の時間”でもある。
「カリウムが豊富なキウイを食べることで余分な水分を尿として排出し、むくみの解消になります。さらに、豊富な食物繊維によって朝のお通じを整える効果も期待できる。また朝食のパンやご飯の後にキウイを食べることで、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます」
水溶性食物繊維は、ダイエットの強い味方である善玉菌の一種「酪酸菌」の大好物。善玉菌が水溶性食物繊維をもっとも効果的に利用できるのも「朝」だ。
「酪酸菌は腸内環境を整えるだけでなく、免疫細胞の活性化にも役立ちます。そして、腸内で水溶性食物繊維をえさに『短鎖脂肪酸』をつくり出します。これが腸の粘膜から吸収されると、脂肪細胞の活性を抑え、脂肪をためにくい体に導いてくれるのです」
「軽くつぶす」と効率アップ
キウイには大きく分けて、ゴールドキウイとグリーンキウイの2種類がある。より高い効果が期待できるのはゴールドキウイよりもグリーンキウイだという。
「どのキウイも食物繊維やポリフェノール、ビタミンが豊富ですが、特にグリーンキウイは100gあたり2.6gと、ゴールドキウイの約2倍の食物繊維が含まれています。また、ほかの果物と同様、皮の付近にもっとも多くの栄養素が含まれているため、皮ごと食べられるベビーキウイもおすすめです。
一方、ゴールドキウイには1個で1日分のビタミンCが摂れるといわれています。近年話題のルビーキウイは、ポリフェノールの一種のアントシアニンが豊富で、美容やアンチエイジングに効果が期待できます」
グリーンキウイのダイエット効果を高めるには、軽くつぶして食べること。
「植物性の食材の栄養素は細胞膜に包まれているため、細胞膜を壊すことで効率よく栄養を摂取できます。フォークの裏などでつぶすだけでも充分ですが、バナナやりんごなど、ほかの果物と合わせてスムージーにするのもおすすめです」
複数種類の果物を一緒に食べることで、それぞれの持つポリフェノールが相乗効果を発揮する。
「いくつかの果物と一緒にミキサーにかけてジュースにしたり、アボカドなどと合わせてグリーンサラダにまぜたりするのもいいですね」(石原さん・以下同)