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【新鮮野菜!地産地消グルメで飛鳥を深める】バイオリニスト・川井郁子と花音が親子で「日本国創成の謎に迫る」後編

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いまから約1400年前の飛鳥時代、日本の中心はここ奈良県明日香村にあった。国の礎が築かれたこの地は謎と神秘に包まれながら、いまもなお“日本人の心のふるさと”として訪れた人を魅了している。明日香村を歩く旅はすなわち、日本をつくった3人の女性天皇の軌跡を追うことでもある。時を超えて、母娘で歴史に触れ、新たな風を感じる旅に出よう。

自家菜園の野菜だけで作る大地からのスペシャリテ

豊かな自然が残る明日香村は、地元の美味な食材を使った料理も自慢。飛鳥時代から伝承される料理や、古代米、味の濃い野菜をつかった地産地消レストラン、カフェに注目!
明日香村出身の中井宏和さんが築120年の生家をレストランにした「Da terra」は、’23年より2年連続でミシュラン1つ星を獲得。主役は両親から継いだ自家菜園で作る野菜たち。店名(ダテッラはイタリア語で大地からの意)を冠したスペシャリテのサラダ『大地から』は、それぞれ調理法を変えた色彩鮮やかな20種の旬の野菜に赤大根をローストして燻したソースをたっぷりと。「異なる食感と味わいが絶妙なバランスでまとまっていて、ひと口食べるごとに驚きと発見があります」(郁子さん)。ランチコース(9000円)は月毎に変わり、小麦を挽いて作る自家製パスタなど8皿。

ローストした人参に色とりどりのエディブルフラワーをのせて。
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自家製の小麦を使用したパスタ。この日はほうれん草やしらすを合わせ、ごまの風味をきかせたペペロンチーノに。
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燻製した紅芯大根のソースをかけた、自家製野菜たっぷりのスペシャリテサラダ「大地から」。
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その日のメニューは「人参」「大根」「小麦」など素材名で記され、料理への期待感が高まる。
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築120年の生家を改装。
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シェフの中井宏和さん。
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DATE
奈良県高市郡明日香村川原884
0744・41・9072

自然派ランチと手作りドーナツにほっこり

体が喜ぶ食事と、心が豊かになるスイーツで人気のカフェ「ココロゴハン」。地元産のいちご『あすかルビー』とアイスをたっぷり挟んだ手作りドーナツが鎮座する「苺パフェ」(1550円)に、スイーツ好きの花音さんは思わず目を輝かせた。人気の定食「ココロゴハン」(1500円/内容は月毎に変更)は、明日香村の清らかな水と空気で育った地元農家の野菜と玄米を使用。家庭的な味わいで、体も心もリラックスできる。

この日のメインは「野菜のフライ」。加熱によって野菜の甘みがより感じられる。
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あすかルビーのきらめきにうっとり。
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古民家風の店内は入り口もかわいい。
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店内も落ち着く空間で、ゆったりとした時間が流れる。
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店主の河内晶さんと、スタッフの河井三佳さんは幼なじみ。
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DATE
奈良県高市郡明日香村岡956
090・3715・5578

地元お母さんたちの手作りの味

土産店の2階にある農村レストラン「夢市茶屋」からは石舞台古墳が目の前に。春には満開の桜も見られる。明日香村産の古代米を使った「古代米御膳」(1080 円)は地元のお母さんたちが手作りした滋味深く、優しい味のおかずが盛り沢山。

ホッとするやさしい味わいの定食は海外客にも人気。
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石舞台古墳も望める大きな窓からは光もたっぷり入る。
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DATE
奈良県高市郡明日香村島庄154-3
0744・54・9450

古代から愛される飛鳥鍋に舌鼓

古くから食されてきた、鶏の牛乳煮から考案された郷土料理「飛鳥鍋」を味わえる茶屋「ひもろぎ」。店では、すき焼き風に鶏肉を半分味わった後、牛乳を注ぎ、一度で2つの味を楽しめる。

「一度で二度美味しい」飛鳥鍋。
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DATE
奈良県高市郡明日香村飛鳥614
0744・54・2646

飛鳥グルメを堪能した後は、明日香村から足を伸ばして藤原宮跡にも行ってみよう。持統天皇が完成させた日本初の都である藤原京の宮殿跡には現在、建物の位置を示す朱塗りの列柱が並ぶ。現在、「飛鳥・藤原の宮都」は世界文化遺産登録へ向けて、政府が推薦を決定した。日本の原風景が残る静謐な地で、日本はじまりに思いを巡らせる旅に出よう。そこにはきっと、新たな発見や出会いがあるはずだ。

(前編を読む)

提供/JR東海 取材・文/岸綾香 撮影/深澤慎平

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