
2025年春から放送される連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)の舞台となるのは、2023年放送の『らんまん』に続いて高知県。漫画家やなせたかしさんと、

* * *
『あんぱん』の舞台となる高知県。観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」も、ドラマ放映開始と同じくして、通常コース(高知駅・窪川駅間)に加え、太平洋の景色を見ながら、『あんぱん』ゆかりの地を訪れることができる「ごめん・なはり線コース(高知・奈半利間)」を運行。今回は「女性目線で楽しむ高知」をテーマに、観光列車、ホテル、スポットを紹介します。
エレガントな内装にうっとり!観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」
JR四国には「伊予灘ものがたり」など3つの本格的な観光列車が走っていますが、中でも斬新なデザインや内装のエレガントさが際立つのが「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」。

明治維新の新しい時代の幕開けをイメージしていたという観光列車は、列車名に漢字が多く、外観に坂本龍馬が描かれ、すこし硬い印象を筆者は持っていました。ところが、中に入ってびっくり! 幕末の志、輝かしい未来がテーマの車内は、エレガントで女性好みの雰囲気。

2両編成の1号車「KUROFUNE」は志を語りながら大海をゆく蒸気船がモチーフ、2号車「SORAFUNE」は新しい時代の夜明けをイメージし、大空の先、宇宙に思いを馳せ、空想科学上の宇宙船をモチーフにしたデザインになっています。

今回乗車したのは『あんぱん』放映開始と同じくして運行開始のコースで、ごめん・なはり線奈半利駅を15時18分に出発し、高知駅に17時57分に到着する「雄飛の抄」。

観光列車では車内でいただく食事(オプション)も楽しみのひとつですが、今回は「浜スイーツ&ティーセット」(3500円・予約)を、車窓に広がる太平洋を眺めながら頂くことに。
木箱に入ったスイーツに、弘法大師空海が広めたとされるお茶「きしまめ茶」がセットになっているのですが、器も素晴らしくテンションがあがりっぱなし。

中には海洋深層水を使用したスコーン、室戸産の備長炭を使用して作った炭パンのサンドイッチ(真っ黒!)、旬のフルーツ、パウンドケーキなど。スイーツは地元産にこだわり丁寧に作られたのが伝わってきて、どれも美味。でもちょっと食べきれない!と思っていたら、一部はお土産として持ち帰りができる仕様で、心遣いに感動!

車内では高知県ゆかりのお酒やフォトジェニックなドリンクも注文でき、中でも高知の柑橘飲み比べセットは、土佐文旦、小夏、柚子の3種類のジュースが、列車をイメージした特製の器で提供されます。



窓に広がる太平洋、車内のエレガントな雰囲気、そして地元を感じる食と、五感に響く約2時間半の列車旅はプライスレス。ごめん・なはり線コースの運行は、2025年4月~6月の金曜日に運行されますが詳細はホームページをご覧ください(土・日・祝は通常コースを運行)。
ごめん・なはり線の各駅では、やなせたかしさんが描いた各駅のキャラクターが出迎え、やなせたかしさんが少年時代を過ごした南国市後免町には、ゆかりの地が多数あります。世代を超えて愛されたアンパンマンの作者のふるさとは、『あんぱん』を見て訪れるといっそう楽しみが広がりそうです。

■JR四国~観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」 https://www.jr-shikoku.co.jp/yoakenomonogatari/
高知市内で宿泊!タイプでえらぶおすすめホテル2選
高知市内にはたくさんホテルがありますが、筆者のおすすめを2つ紹介します。旅スタイルやお好み、人数に応じてチョイスしてみてくださいね。
「JRクレメントイン高知」高知駅からすぐのロケーション!ひとり旅もOK
「JRクレメントイン高知」は、JR高知駅から徒歩2分と列車旅の拠点に便利。2020年開業で、館内は高知県産木材や土佐和紙などを用い高知らしさを感じる空間。客室は機能的で居心地がよく、県産木材の壁の装飾もオシャレです。朝食にも力を入れ「藁焼きタタキ定食」「釜揚げしらす丼定食」など複数から選べるのもうれしい。ラウンジでは無料ドリンクが提供され自由に利用ができ、ツインの他シングルの客室もあるので、ひとり旅やビジネス利用にもおすすめです。




■「JRクレメントイン高知」 https://www.jrclement.co.jp/inn/kochi/
「OMO7高知by星野リゾート」高知の文化をぎゅっと凝縮。よさこい楽宴LIVEを毎晩開催
高知に根付くもてなし「おきゃく文化」を体感できる「OMO7高知by星野リゾート」は、365日高知の風物詩である「よさこい楽宴LIVE」を毎晩開催、ゲストも参加OK。
客室は、土佐の伝統・自然を感じるデザインで、高層階からは市内を一望。ダイニングは高知の郷土料理を取り入れたビュッフェで、かつおの藁焼きのダイナミックプレゼーションも楽しく、芋けんぴなどデザートまでどれをとっても美味しい。大浴場は、露天風呂前に高知の山野草が植えられた庭園が広がり、オートロウリュウ併設のサウナもあるので、旅の疲れをとるのにもぴったりです。





■「OMO7高知by星野リゾート」https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/omo7kochi/
高知市内、沿線の女性向けおすすめスポット
筆者が旅をした中から、高知市内ならびに沿線のおすすめスポットを紹介します。ぜひ観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」への乗車とあわせて、高知の魅力スポットを旅してみてくださいね。
高知県立 牧野植物園
高知県立 牧野植物園は、高知県出身の植物学者で『らんまん』の主人公牧野富太郎氏を記念した植物園。四季折々の植物が楽しめ、研究資料や展示も充実し見ごたえ充分。JR高知駅から高知市内の観光スポットを回る「MY遊バス」の利用が便利。牧野植物園へアクセスできる五台山券(区間乗り降り自由)は900円で、提示で路面電車も当日無料で乗れます。

■高知県立 牧野植物園 https://www.makino.or.jp/
高知県立 高知城歴史博物館
高知県立 高知城歴史博物館は、高知城ゆかりの歴史資料や土佐藩の文化を展示。城下町の風景を一望できる展望スペースも魅力。館内の珈琲館 イストワールでは、高知城を眺めながら坂本龍馬モチーフのカフェラテも楽しめる。

■高知県立「高知城歴史博物館」https://www.kochi-johaku.jp/
香美市立やなせたかし記念館
香美市立やなせたかし記念館はやなせたかしさんの出身地・香美市香北町にあり、JR「土佐山田駅」からバスで約25分。絵本の原画や多彩な作品が展示され、やなせさんの創作哲学を感じる空間は、子どもはもちろん、大人も楽しめるミュージアムです。車で訪れた際には、柳瀬家跡地 にある「やなせたかし朴ノ木(ほおのき)公園」まで足を伸ばすのもおすすめ。のどかな自然、アンパンマンたちが見守る中、やなせたかしさんご夫妻が眠られています。


■「香美市立やなせたかし記念館」 https://anpanman-museum.net/guide/
南国市後免町(ごめんちょう)~やなせたかしさんゆかりの地
後免駅構内には、やなせたかしさんの詩が刻まれた記念碑があり、「やなせたかしロード」には、アンパンマンのキャラクターの石像が。駅から徒歩10分「海洋堂SpaceFactoryなんこく」では、フィギュアメーカー「海洋堂」の製造工程の見学やジオラマ作成などの体験も。

■南国市後免町(ごめんちょう)~やなせたかしさんゆかりの地 https://www.nankoku-kankou.jp/
(番外)体感型で楽しめる飲食スポット
「西島園芸団地」は、栽培ハウスが15棟ある観光農園。一年中フルーツが楽しめる観光施設で、メロンがたわわに実るハウスは壮観!冬でもスイカやメロンを食べられる貴重な施設。冬から春はいちご狩り体験で賑わう。(高知県南国市)


■「西島園芸団地」 https://www.nishijima.or.jp/
「TOSACO TAP STAND」は、高知県産の素材を活かしたできたてのクラフトビールが味わえるお店。ダム湖畔のロケーションが気持ちよく、自家製のジェラートも美味。天気のいい日は屋外の席でのんびりと過ごしたい。TOSACOブランドのビールは、高知市内で広く流通し、観光列車「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」の車内、OMO7高知のダイニングなどでも飲むことができる。(JR土佐山田駅からJR四国バス「川奈路」下車目の前。駅からアンパンマンミュージアムへ行く途中にあります)

■「TOSACO TAP STAND」 https://tosaco-brewing.com/pages/tapstand
◆教えてくれたのは:旅行ジャーナリスト・村田和子さん

旅行ジャーナリスト。「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、旅の魅力を媒体で発信。宿のアドバイザー・講演なども行う。子どもと47都道府県を踏破した経験から「旅育メソッド(R)」を提唱、著書に「旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(日本実業出版社・2018)」。現在は50歳を迎え、子どもも大学生となり、人生100年時代を楽しむ旅を研究中。資格に総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズアドバイザーなど。2016年より7年間、NHKラジオ『Nらじ』月一レギュラーを
●2024年は3連休以上が11回も!地震や豪雨など「自然災害」への備えを万全にした「旅計画のポイント」を旅行ジャーナリストが伝授
●《1泊1万円代とコスパ抜群》夫婦や母娘で行きたい大満足の【個性派温泉宿】3選「温泉」「絶品の食事」「ユニークなデザイン」魅力を旅行ジャーナリストがレポート