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【私の今の生きがい】由美かおる、『水戸黄門』卒業後にパリで再会した“アコーディオン”がきっかけで音楽への愛が再燃「新しい趣味を始めるのに年齢は関係ない」

アコーディオンに再会したことで人生が変わったと話す由美かおる(時事通信フォト)
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自分を夢中にさせる「趣味」や「人とのつながり」は生きる活力となり、健康寿命を大きく延ばしてくれるはず。人生100年といわれる時代。まだまだ長い第二の人生、せっかくなら好きなこと、一生懸命になれることを見つけて生きていきたい。俳優・歌手の由美かおる(74才)に、いま夢中になっている「生きがい」について聞いた。

運命の“再会”がきっかけで「人生が変わった」と話す由美。彼女の視線の先には、年季が入ったアコーディオンがある。

「初めてアコーディオンと出会ったのは小学3〜4年生のとき。当時所属していた器楽クラブで習いました。10kg前後もある重厚な楽器ですが、小さな体で必死に演奏すると素敵な音色が出てとっても楽しかったことを覚えています」(由美・以下同)

器楽クラブで1年ほど演奏したものの、その後しばらくアコーディオンとは縁がなかったが、2010年に24年間出演したドラマ『水戸黄門』(TBS系)を卒業したのち、旅先のフランス・パリで“再会”を果たした。

「街角から流れてくる何ともいえない音色にふと足を止めると、道端でピンと背筋を伸ばした女性がアコーディオンを奏でていました。あまりのカッコよさに自分が昔演奏していたことを思い出し、“もう一回やってみたい”となった。帰国後に東京・御茶ノ水の楽器店に駆け込み、アコーディオンを購入しました」

由美かおるはアコーディオンをきっかけに音楽熱が再熱
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初めて演奏してから50年の月日が流れていたが、あっという間にアコーディオンに夢中になり、多い日は10時間も練習した。気づけば5台も購入しており、なかには40万円近くしたものも。そんな毎日のなか、忘れかけていた音楽への思いがよみがえってきた。

「なかなか上手にアコーディオンの音が出ないときも家のなかで“ひとりオーケストラ”のように弾き続けていると、自分はやっぱり音楽が好きなんだなぁと改めて気づきました。もともとデビューのきっかけは『11PM』(日本テレビ系)で歌った英語の歌だったし、若い頃は歌手としても活動していたから自分のなかの“音楽熱”が再燃しました」

再び演奏したいとの夢が叶い、2019年に37年ぶりとなるアルバムを発表し、アコーディオンの弾き語りとなる新曲を披露した。

「昭和歌謡やジャズも歌って、ピアノも弾いてみました。アコーディオンとの再会で音楽活動の幅が広がり、音楽への情熱と愛を取り戻すことができたんです」

2019年には37年ぶりに新曲をリリースした(時事通信フォト)
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還暦超えで重いアコーディオンの演奏に再チャレンジできたのは、普段からの健康づくりの賜物でもある。

「40年来、私の健康を支えるのが、おへその下にある丹田を意識して行う『コア呼吸』とストレッチを組み合わせた『由美ブリージング』です。これを習慣化することで体のすみずみに酸素が行き渡り、70代でもY字バランスができる健康な体を維持できています」

心身ともに元気な由美は、これからも新しい出会いが楽しみで仕方ない。

「新しい趣味を始めるのに年齢は関係ありません。挑戦したいことはどんどんやればいいし、できなかったら新しい趣味を探せばいい。この先の人生でも、アコーディオンのような“運命の出会い”があることをまだまだ楽しみにしています」

【プロフィール】
由美かおる(ゆみ・かおる)/1950年京都府出身。1986年より時代劇『水戸黄門』にかげろうお銀役で出演。現在は美と健康の秘訣について講演会も行う。

※女性セブン2025年7月3・10日号

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