娘からもらった役作りのヒント
愛情を目一杯に受け取りながら育った娘たちと松坂の親子仲は良好で、松坂のライフワークである日本の伝統文化を海外に伝える取り組みを3人で行っていたこともある。
「2019年頃まで、『万葉集』の朗読劇や、中世の伝統芸能『田楽(でんがく)』を現代風にアレンジした『大田楽』を韓国やニューヨーク、フィンランドなどの舞台で披露していました」(前出・芸能関係者)
そうした活動を通して松坂は芸術の道を究める者の背中を見せた。そんな母の姿に感化されたのか、娘たちも成長するにつれ、やりたいことが明確になっていったという。娘の2人は日本でインターナショナルスクールを卒業後、ハワイの大学に進学した。
「長女は版画を、次女は陶芸彫刻を専攻しました。子煩悩な松坂さんとしてはせめて20才になるまでは親元にいてほしかったそうですが、松坂さんは若い頃、自分が周囲の大人の言いなりだったことを悔やんでいます。娘たちには自分の人生を自分で歩んでほしい、と切に願っているそうですから、ここで引き留めるのは違うと思ったのでしょう。寂しさのあまり自宅で涙することもあったようです」(前出・芸能関係者)

すっかり成長してアーティストとして活動する娘たちは、いまは同居しながら母をサポートする大切な存在だという。
「今回のドラマで松坂さんはヒップホップを披露します。最初はうまくリズムに乗れなかったそうですが、娘さんが海外の高齢女性が楽しげに踊る映像を見つけてきてくれたことで、年齢なりの踊り方でいいと思えるようになったんだとか。おかげでレッスンを楽しめるようになり、そんな母を見て娘たちも満足したみたいです」(前出・芸能関係者)
自分が結婚した年齢に愛娘が近づくなか、綾瀬と娘を重ねつつも劇中の母親のように娘を案ずることはないようだ。
「ドラマでは今後、鳴海が人生をひとりでまっとうするために奮闘する様子が描かれます。現実の松坂さんも、ひとりの生活が寂しい人生だとは思っていないはずです。むしろいまの時代、“ひとりでしぬもよし”と、娘たちの選択を尊重するつもりでしょう」(前出・松坂の知人)
ドラマを契機に価値観がアップデートされそうだ。
※女性セブン2025年7月24日号