
《この子、絶対来る!》――TikTokやInstagramの音楽好きの間でそんな声が飛び交っているのが、シンガーソングライターのラナメリサ(21才)だ。11月26日にシングル『愛でてよベイベー』でメジャーデビューを果たした、注目の新人アーティストだ。
2003 年生まれ、神奈川県出身の彼女が音楽と出会ったのは中学時代の部活だった。そこで アコースティックギターに魅せられた彼女は、独学で弾き語りを始める。教室に通うわけでもなく、 YouTube 動画を見たり、影響を受けたアーティストであるNICO Touches the Walls や FLIP の 曲を耳コピしたりしながら、コツコツと腕を磨いた。
「はじめのうちは、全然上手に弾けませんでした。でも、自分の書いた歌詞にメロディをつけて、それをギターで表現できた時の喜びが今でも忘れられません」(ラナメリサ、以下同)
少女時代の小さな情熱が、多くの人を魅了する歌声へと成長した。転機は2024年。自身で作詞作曲したオリジナル曲『エロス』を、本人弾き語りでSNSに投稿すると、瞬く間にバズった。Instagram、TikTok、YouTubeでの総再生数は450万回を突破。コメント欄には《鳥肌が立った》《この歌声に救われた》《何度もリピートしてる》といった声が並んだ。
「私の言葉に対して、SNSで《わかる!》《私も同じこと思ってた》ってコメントをもらえると、すごく嬉しい気持ちになります。私の歌が誰かの心に届いているんだなって実感できる瞬間です」
実は彼女、デビュー前の2025年4月から、ラジオ番組『ラナメリサのきいてよベイベー』(FM NACK5)のパーソナリティを務めている。リスナーとのトークを楽しむ彼女の素顔は、ステージ上とはまた違っている。
「最初は自分にラジオ番組のパーソナリティが務まるのか不安もありましたが、歌っている時とは違う“21才の私”の素の部分を出せるようになってきましたし、トークもだんだん楽しめるようになりました。リスナーさんからのメッセージやリクエストも日に日に増えていて、少しずつですが私の存在を知ってもらえているんだと自信も湧いてきました」
11月5日には、「東京国際ミュージック・マーケット(TIMM)」に出演し、バンドメンバーを従えての約20分のパフォーマンスに臨んだ。ほとんどの観客が「はじめまして」のお披露目ライブのような雰囲気の中、ベース、パーカッションの力強いサウンドに乗せて披露された歌声は、会場を包み込むように響き渡った。普段は1人での弾き語りが多い一方、バンドでの出演でも堂々と歌い上げた。
「正直、めちゃくちゃ緊張しました。でも、ステージに立った瞬間、『私はこのために音楽をやってきたんだ』と充実した気持ちになりました。お客さんの顔を見ながら歌えるって、最高に幸せなことです」

そんな彼女のデビュー曲『愛でてよベイベー』を手がけたのは、グラミー賞の「最優秀グローバル・ミュージック・アルバム部門」を受賞経験のある宅見将典氏。業界最高峰のプロデューサーが、21才 の新人のために本気のサウンドメイキングに挑んだのだ。キャッチーなメロディライン、印象的なアコースティックギターのリフ、そして心地よいベース&ドラムのグルーブ。各楽器と彼女の歌声が絶妙なバランスで調和した、エモーショナルパワーポップソングに仕上がっている。
メジャーデビューを果たした彼女に、改めて今の心境を聞いた。
「不安もありますが、少し前までは想像もできなかった環境にいられることにワクワクしています。ここまで応援してくれた皆さん、これから新しくラナメリサに出会う皆さんに、私らしい音楽を届けたいです。がんばります」
大きな扉が開こうとしている。