
回転寿司とあなどることなかれ。そのおいしさは想像を超え、プロもうなるクオリティ!今回は、プロが教える、味もコスパも、満足度の高い回転寿司店&自慢のネタを一挙ご紹介。ますます元気に進化し続ける回転寿司。プロが太鼓判を押すおすすめの寿司店や、鮮度抜群のネタを豪快に楽しみ、価格以上の満足を体感しよう!

今回、教えてくれた人は以下の4人。
◆回転寿司評論家・米川伸生さん

全国約5000店舗を食べ歩いた、回転寿司のスペシャリスト。
◆回転寿司探究家・柳生九兵衛さん

訪れた回転寿司店は、のべ2000軒以上。庶民派グルメのプロ。
◆タレント・加藤るみさん

寿司好きタレントとして活躍。週3回は回転寿司店に通う。
◆飲食チェーン店研究家・BUBBLE-Bさん

ローカル飲食チェーン店を極める。回転寿司の著書も執筆。
※寿司の内容と価格は、取材時のものです。店舗、時期等により変動します。
- 回転ずしの聖地といえば!“北陸&北海道”の名店4選
- 【石川】七尾湾の“天然いけす”から海の恵を直送「金沢まいもん寿司」
- 【富山】新幹線を降りてすぐ!北陸の鮮魚を握りで堪能「こだわりの活き 廻る富山湾 すし玉 富山駅店」
- 【北海道】青魚も鮮度抜群。豪快ネタでにぎやかに味わう北海道寿司「超美食回転寿司なごやか亭」
- 【北海道】道内漁港直送だからこそ希少な珍味も楽しめる「回転寿し トリトン」
- プロが伝授する回転寿司を“よりおいしく楽しむコツ”
- こだわりの仕入れが味の決め手!の名店
- 【神奈川】競りで直接仕入れ、鮮度と価格にこだわる「独楽寿司」
- 迫力満点!ネタの大きさが自慢な名店2選
- 【神奈川】200種類以上のネタ!原価率90%超のマグロも「回し寿司 活」
- 【愛知】三河湾の恵みを味わい迫力ショーに心おどる「廻鮮江戸前すし 魚魚丸」
- 回転寿司を超えた!?注目の名店3選
- 【群馬】郷土愛がたっぷり詰まったご当地回転寿司「群馬を握る、まぐろ問屋 いちもん」
- 【福岡】コンセプトは“本格的な寿司をカジュアルに” 「博多割烹流れ鮨 海進丸」
- 【京都】「銀座おのでら」ブランドの江戸前鮨を気軽に楽しめる
- 全国チェーンの回転寿司店ではこれを食べるべき!
回転ずしの聖地といえば!“北陸&北海道”の名店4選
北陸は魚の旨みを引き出した、繊細な味わいが楽しめる! 北海道は、海の恵みをそのまま味わう迫力が魅力。
【石川】七尾湾の“天然いけす”から海の恵を直送「金沢まいもん寿司」

「金沢まいもん寿司」は、金沢港や“天然のいけす”と呼ばれる魚種豊富な七尾湾で獲れた魚介を、関東や関西など全国の店舗に直送。
「特にがすえびは流通が難しいのですが、網元から直接送る体制を確立し、鮮度を守っています」(スーパーバイザー・内添浩さん)。
加藤さんも「鮮度が落ちるのが早いがすえびが、遠方の店でも味わえるのが素晴らしい」と称賛する。
新鮮な海の幸を存分に食べくらべ!
北陸を代表する高級魚のどぐろは“白身のトロ”と呼ばれ、口の中でとろける食感が魅力。こちらも鮮度が高く、塩とすだちで味わえば脂の甘みが際立つ。日替わりの3貫盛り、5貫盛りは北陸のネタに加え、豊洲や三浦漁港から届く旬の魚が1貫ずつ供され、多彩な味を楽しめる。
本日の金沢まいもん百万石握り。左下から反時計回りに黒むつ、北陸甘えび、ばい貝、かに身、のど黒(2060円)。

白身の三貫盛り(924円)。左から金目鯛、黒むつ、かんぱち。

こうばこ蟹 極旨軍艦(1276円)。

がすえび(748円)。

紫大根を合わせたブリ。寒鰤(924円)。

スーパーバイザー・内添浩さんは「日替わりは3~4割が北陸産です」と。

「金沢まいもん寿司 三軒茶屋」
住所:東京都世田谷区三軒茶屋1-37-2 三茶ビル2階
【富山】新幹線を降りてすぐ!北陸の鮮魚を握りで堪能「こだわりの活き 廻る富山湾 すし玉 富山駅店」

「こだわりの活き 廻る富山湾 すし玉 富山駅店」は、毎朝夕に水揚げされる活きのいい魚を富山湾の岩瀬浜漁港や、金沢の中央卸売市場から直接仕入れ。石川県産、富山県産コシヒカリを使ったシャリには金沢の老舗寿司店「玉寿司」のシャリ酢を合わせる。
白えび、のどぐろ、さくらます、北陸の華を堪能
「JR富山駅前の駅ビル内という好立地に加え、寒ブリ、紅ズワイガニ、ふくらぎなどの地元ネタが存分に楽しめます。白えびは海苔ではなくおぼろ昆布で巻かれており、独自の工夫が光ります」(柳生さん)
富山の「ます寿司」でも有名な鱒を、生で。さくらます(440円)。

左からのどぐろ、中トロ、白えびの贅沢三種盛り(1540円)。

炙りの香ばしさと、とろける脂が濃厚なのどぐろ炙り(660円)。

「こだわりの活き 廻る富山湾 すし玉 富山駅店」
住所:富山県富山市明輪町1-220
【北海道】青魚も鮮度抜群。豪快ネタでにぎやかに味わう北海道寿司「超美食回転寿司なごやか亭」

釧路発祥の「超美食回転寿司なごやか亭」は道東・道央の旬魚を豪快に握り、シャリには道産米を厳選。海苔は香り高い有明産の高級品を用いる。看板商品「こぼれいくら」を供する際には、従業員の「わっしょい!」の掛け声が響き、店内が一体となって盛り上がる。
豪快な盛り付けが人気の看板メニュー!
「“こぼれシリーズ”の盛りネタは甘エビなどもあり、北海道に来たと実感できる豪快さ。いわし、ニシン、あじなどの青魚も鮮度抜群!」(加藤さん)
釧路産の鮭を使用。たっぷりいくらは通常の約3倍の量。こぼれいくら(1320円)。

鹿児島県東町漁協の専用契約漁場から直送された鯖。翼乃鯖(528円)。

だしに親鶏の脂や旨みが溶け込んだ郷土料理。常連客は必ず注文する一杯。かしわ抜き(407円)。

「サメガレイなど珍しいネタもご用意!」と。

「超美食回転寿司なごやか亭 北野店」
住所:北海道札幌市清田区北野5条5-20
【北海道】道内漁港直送だからこそ希少な珍味も楽しめる「回転寿し トリトン」

「回転寿し トリトン」は、道内各地の漁港や市場で仕入れた素材を厳選。すぐに店舗へ配送し店内で捌くため、新鮮な状態で提供。ぷちぷちとした独特の食感と濃厚な旨みのタコの卵「たこの子」など、北海道の珍味も堪能できる。
「ホタテはオホーツク産、さんまは根室や釧路で水揚げされた脂がのった旬の一品。『握りたて、いかがですか! 欲しい人!』といった掛け声も名物で、店内が一体となり楽しい」(BUBBLE-Bさん)。
地元民も観光客も必ず注文する一品
道東の港で水揚げされたとろける一品。さんま握り(352円)。

貝柱が厚く、ぷりぷりの食感。ほたて(297円)。

うなぎの蒲焼きやクリームチーズなどを巻いた創作寿司のニクソンロール(396円)。

ぷちぷち食感で卵黄のような濃厚さも。たこの子(297円)。

「回転寿し トリトン 伏古店」
住所:北海道札幌市東区伏古7条2-4-8
プロが伝授する回転寿司を“よりおいしく楽しむコツ”
プロに聞いた回転ずしをよりおいしく楽しむコツを紹介!
- 本日のおすすめ三貫盛りがあれば、まずそれから注文。自信がある三貫は、こだわりがわかる(米川さん)。
- 日替わりメニューや限定メニューは、食べておきたい狙い目(柳生さん)。
- 地域密着型店舗には、市場にはなかなか出回らない魚も。旅先ではぜひチェックしてみて!(加藤さん)。
- メニュー表をチェックし、写真が強調されているなら推しネタ。ぜひ注文を(BUBBLE-Bさん)。
こだわりの仕入れが味の決め手!の名店
あじやしらすなどは地元の漁港から最短で店舗に届くため新鮮そのもの。ほかのネタも確かな目利きで選び抜く。
【神奈川】競りで直接仕入れ、鮮度と価格にこだわる「独楽寿司」

「独楽寿司」は、小田原漁港の競り権を有し、毎朝競りに参加してネタを買い付ける。全国約4000店舗ある回転寿司店の中でも、1%未満という希少な取り組みだ。市場を介さないため、より新鮮な魚を手頃な価格で提供できる。
「夜中に定置網で水揚げされた魚は午前中には全店舗へ配送され“朝獲れ”を味わえます。小田原の魚は常時5~8種類ほど揃えています」(副社長・高麗正之介さん)
脂がのった黄金色の天然地あじは、関東近郊の回転寿司店でもトップクラスの鮮度を誇り、「しっかりと角の立った味わいで、高級寿司店でもめったに食べられません」と米川さん。
ビール、サワー、焼酎、熱燗など種類豊富なアルコール類が550円で90分飲み放題なのもうれしいサービス。
沼津直送の泳ぎあじは骨までいただく!
店内の水槽からすくい上げて捌く活あじ。捌いた後の骨を唐揚げにするサービスで、2度楽しめる。沼津直送 泳ぎあじ(693円)。

相模湾沿岸で獲れる天然地あじは生姜や浅つきと合わせると、脂の甘みと爽やかさが際立つ。天然地あじ(385円)。

数時間前は海で泳いでいた。(左から)角アジ、目鯛、生しらす。小田原三点盛(550円)。

冬のおすすめの本白子軍艦(792円)。

あん肝軍艦(385円)。「生の素材を職人が店で仕込んでいます」(高麗さん)。

本わさび(132円)は、静岡県松崎町産の本わさびを使用。つまみにもなるおいしさ。

「独楽寿司 大和本店」の職人も「こはだやしめさばも鮮度が違います!」と。

「朝獲れ地魚」と銘打つユニフォーム。鮮度を守る責任感が伝わる。

「独楽寿司 大和本店」
住所:神奈川県大和市桜森2-26-13
迫力満点!ネタの大きさが自慢な名店2選
大ぶりで鮮度抜群のネタを盛り付け、おいしさと満足度、リーズナブルさが共存。回転寿司ならではの楽しさ!
【神奈川】200種類以上のネタ!原価率90%超のマグロも「回し寿司 活」

「回し寿司 活」もおすすめ。「皿の価格帯は143~770円まで20段階と細かく設定され、仕入れ状況に応じて臨機応変に調整してくれる。またネタによって提供法を変えたり、冷凍と生を用意するなど、値段と質の選択肢を提示してくれるのも◎。人気店ゆえに回転が速く、つねに新鮮な寿司を味わえます」(柳生さん)。
200種類以上のネタは原価率50%以上。名物のマグロ赤身は原価率90%を超え、儲け度外視で提供される。
ふんわり穴子寿司はシャリが見えない!
元祖穴子一本付(770円)。

迫力の特大赤海老(374円)。

まぐろ赤身(143円)。「安くてうまいマグロ赤身は必食です」(柳生さん)。

シャリは山形県産はえぬき、海苔は瀬戸内産。
「回し寿司 活 グランツリー武蔵小杉店」の職人さんは「その日のおすすめを、捌きたてでご提供します」と。

「回し寿司 活 グランツリー武蔵小杉店」
住所:神奈川県川崎市中原区新丸子東3-3 グランツリー武蔵小杉1階
【愛知】三河湾の恵みを味わい迫力ショーに心おどる「廻鮮江戸前すし 魚魚丸」

「廻鮮江戸前すし 魚魚丸」は、三河湾直送の鮮魚や全国から厳選したネタを手頃な価格で味わえる。マグロ解体やカツオの藁焼きショーなど、ライブ感あふれるイベントも好評だ。
「ネタが大きく、リーズナブル。かつおのたたきは藁焼きの実演付き。開始前に店内の和太鼓が鳴り響き、盛り上げてくれます」(BUBBLE-Bさん)
焼き玉子から藁焼きショーまで名物尽くしの五感寿司
1日に数回行われる藁焼きショー。スモーキーな香りが魚の旨みを引き立てる。藁焼きかつおにぎり(506円)。


オーダーが入ってから焼きあげる名物 焼玉子(209円)、家庭でも楽しめる玉のだし(998円)を使用。


「玉のだしで焼玉子の味を再現できますよ」

「廻鮮江戸前すし 魚魚丸 知立本店」
住所:愛知県知立市宝3-14-2
回転寿司を超えた!?注目の名店3選
地域の旬の食材を生かす店、高級店の味をカジュアルに楽しむ店など、回転寿司の枠を超えた味と体験を提供!
【群馬】郷土愛がたっぷり詰まったご当地回転寿司「群馬を握る、まぐろ問屋 いちもん」

まずは「群馬を握る、まぐろ問屋 いちもん 伊勢崎 本店」から。
「『群馬を握る絆盛り』は、地元企業とのコラボで生まれた寿司の盛り合わせ。大粒黒豆納豆、味噌漬け、糖しぼり大根など地元素材を使った寿司の出来栄えは見事。『九代目鶴舞う鮪盛り』は、もともとマグロ問屋だけあって海なし県でも抜群においしく、見栄えも味も最高。この時期はマグロの漬けもおすすめ」(米川さん)
群馬の食文化を体験できる一皿
群馬を握る絆盛り(1298円)。

本鮪中トロ・バチ鮪ハラミ・塩漬け鮪・鮪カルビ軍艦など多彩な部位を楽しめる、九代目 鶴舞う鮪盛り(1485円)。


「群馬を握る、まぐろ問屋 いちもん 伊勢崎 本店」
住所:群馬県伊勢崎市連取町3280-2
【福岡】コンセプトは“本格的な寿司をカジュアルに” 「博多割烹流れ鮨 海進丸」

「博多割烹流れ鮨 海進丸」は、長崎鷹島の生本マグロ、天然クエなどを軸に玄界灘の地魚や全国各地の旬の食材を楽しめる。メニュー数は約140種と豊富だ。
「冬の九州はやはりクエ。また、佐賀呼子直送イカの活けづくりは透明感があり、鮮度抜群!」(米川さん)
特急レーンで寿司を楽しむ
寿にぎり盛り合わせ1人前(持ち帰りのみ4500円)。

天然本クエ3種盛り(1050円)。

呼子直送!アオリイカの活き造り(5980円)。

有明産海苔、豊後ハマチ、長崎産天然本伊勢海老なども産地直送。
「博多割烹流れ鮨 海進丸」
住所:福岡県福岡市早良区西新5-1-18 海進丸ビル
【京都】「銀座おのでら」ブランドの江戸前鮨を気軽に楽しめる

「廻転鮨 銀座おのでら 京都店」は、有名仲卸「やま幸」から仕入れる本マグロをはじめ、豊洲直送の鮮魚を赤シャリの握りで提供。自家製の小肌や煮穴子など江戸前鮨の定番も揃う。不定期で卸したて鮮魚パフォーマンスが行われ、捌きたての鮮魚が登場することも。
職人が目の前で握るライブ感!
「ライブキッチンのような演出が加わり、エンタメ性も抜群。敷居の高い寿司店の味を、リラックスして楽しめます」(加藤さん)
やま幸本マグロ 中トロ(720円)。

自家製小肌(460円)。飾り包丁を入れるなど細部まで職人技が光る。

「廻転鮨 銀座おのでら 京都店」
住所:京都府京都市下京区順風町305 四条河原町ビル1階
全国チェーンの回転寿司店ではこれを食べるべき!
魚介のほか、肉握りも人気の 「はま寿司」

マグロは海水と同じ塩分濃度の水でじっくり解凍し、サーモンは店内で1枚ずつカット。安さとこだわりを両立している。
「大根おろしを盛ったメニューは、脂の多いネタを中和してくれます」(加藤さん)。肉握りも好評だ。「直火焼き牛カルビマヨは香ばしく、まろやか」(BUBBLE-Bさん)
直火焼き牛カルビマヨ(176円~)。

サーモンネギ味噌焼き (176円~)。

サーモンおろし盛り(176円~)。

手頃な 「かっぱ寿司」冬のメニューに注目!

中心価格帯が1皿110円と手頃。そのうえ冬メニューのあん肝は80円~、寒ぶりは105円~と驚きの安さだ。
「一部店舗限定ですが、食べ放題も実施しています」(柳生さん)。また、定番のサラダ軍艦は「イカゲソやすり身の旨みがたまらない」とBUBBLE-Bさん。
あん肝軍艦 ポン酢ジュレのせ(80円~)。

国産活〆寒ぶり(105円~)。

サラダ軍艦 (110円~)。

養殖にAIも活用 進化する 「くら寿司」

全食材の無添加化に挑み、はまちの一部ではAIを活用した「スマート養殖」を導入するなど、常に新しい試みを続けている。
「あじ、しめさば、いわし、こはだ、さんまなど青魚も旨い」(BUBBLE-Bさん)。「ふぐの女王と呼ばれるまふぐを通年で提供。冬は特に脂がのって格別」(米川さん)。
真いわし(120円~)。

はまち(160円〜)。

AIやICT技術を活用したスマート給餌機で育った「AIはまち」。

熟成ふぐ(115円~)。

海苔までおいしい こだわりの 「スシロー」

「おいしく提供するための作業を惜しまない」と米川さん。おすすめは活〆真鯛。「鮮度にこだわり、活〆などの加工を行い、生のまま一度も冷凍せずに店舗に納品。店内で皮を引くなど、こだわりが詰まっています」(米川さん)。
加藤さんはとろたく手巻きを推す。「歯切れよく、香り高い有明海産一番摘みの海苔で包み上げた逸品」。また「マグロは味が濃厚」とBUBBLE-Bさん。
厳選まぐろ赤身(120円~)。

国産わさびで食べる天然鮪とろたく手巻 (360円~)。

活〆真鯛(180円~)。

取材・文/藤岡加奈子
※女性セブン2025年12月25日・2026年1月1日号