
役所広司(69才)、堤真一(61才)、岡田准一(45才)、安藤サクラ(39才)──大物俳優たちが一様に浮かべた沈痛な表情が、存在の大きさを物語っていた。
2025年12月16日、都内の斎場で、映画監督の原田眞人さん(享年76)の葬儀が営まれた。『クライマーズ・ハイ』(2008年)や『日本のいちばん長い日』(2015年)といった社会派の傑作を世に送り出してきた原田さん。当日、斎場を訪れることができなかった木村拓哉(53才)は、自身のSNSに《原田監督の御冥福をお祈りします》と綴った。言葉はシンプルでも、黒背景に白文字というスタイルに悲痛さがにじんでいた。
木村にとって原田さんは、“懸け橋”だ。原田さんが監督を務めた映画『検察側の罪人』(2018年)で、木村は二宮和也(42才)と初共演。当時、同じ事務所にいながら、それほど深い交流がなかった2人の縁をつないだのが原田さんだった。

「それまでに、映画『硫黄島からの手紙』(2006年)やスペシャルドラマ『赤めだか』(2015年、TBS系)など二宮さんが出演した作品を見ていた木村さんは、共演を望んでいたそうです。
しかし、2人は主演が当たり前のトップクラスの俳優で、共演は難しかった。そこでうまく立ち回ったのが原田さんでした。実際に現場を共にして、木村さんは“あれほど安心できる共演者はいない”と最大級の賛辞を贈っていました」(映画関係者)
二宮はファンから「ニノ」のニックネームで呼ばれている。だが、共演を経た木村だけは異なる。
「自身のラジオ番組に二宮さんがゲスト出演した際、木村さんは彼の“カズナリ”をもじって“ナリと呼ぶ!”と宣言。実際に2人で別のテレビ番組に出たとき、木村さんだけは“ナリ”を貫いていた。唯一無二の関係は、いまだに続いているといいます」(芸能関係者)
そのきっかけが、原田さんだったのだ。巨匠の突然の訃報に、木村の胸に刻まれているのは感謝の思いなのだろう。
※女性セブン2026年1月8・15日号