社会

《実録事件簿》“やるならいましかない”嫁姑の確執から嫁の頭を掴んで階段の角に何度も打ちつけた姑

階段から落ちた人と心配する子供
嫁姑問題は殺人という最悪の結末を迎えた(写真/PIXTA)
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古今東西、家族関係の悩みはなくならず、とりわけ嫁姑問題は時代が変わってもなお永遠だ。実際の事件を紐解くと、深い憎しみが、一線を越えてしまう悲劇が明らかに―

「階段下でお母さんが死んでいる」

2002年7月12日の午前7時過ぎ、折原隆司くん(仮名・7才)は横たわる母親を発見し、110番通報をした。

亡くなったのは、北海道札幌市に住む主婦・折原由紀さん(仮名・39才)。調べたところ、頭部強打の出血による失血死と判明した。

「痛ましい事故かと思われましたが、その5日後に由紀さんの義母・折原宮子(仮名・77才)が出頭したことで殺人事件として公表されました。宮子は12日の午前0時半頃、2階の階段から転落した由紀さんを発見。“やるならいましかない”と思い立ち、由紀さんの頭を掴んで階段の角に何度も打ちつけ、そのまま放置したのです」(全国紙社会部記者・以下同)

警察の発表では由紀さんの頭部には十数か所の傷があった。

「驚いたのは、由紀さんの夫で歯科医の利紀(仮名・52才)が犯行現場を目撃したが止めることなく、救助も通報もしなかったこと。それだけではなく、2人で血痕を拭って証拠隠滅を図ったのです」

事件発生当時、利紀らは警察に「寝ていて気づかなかった」「朝起きて驚いた」と説明していたという。

嫁を殺害した義母、その妻を見殺しにした夫。いったい何があったのか──

動機は「嫁姑の確執」。それは約8年前の同居から始まった。

「2人は毎日のように揉めており、同じ家に住みながら、ただの一度も食事を共にしてこなかった。宮子は“孫(隆司くん)を抱かせてもらえなかった”“風呂の湯を抜かれるなど嫌がらせを受け続けた”と話しています。1998年頃からはお互い罵り合っていたそうで、実際、近隣住民たちも2人から“けんかが絶えない”など愚痴を聞かされていたそうです」

一方、夫婦仲について利紀の歯科医仲間は「クリスマスパーティーでは仲がよさそうだった」「利紀さんは家族を大事にしたいと言っていた」と語っていたという。近所の親しい女性も「夫婦仲は悪くなかった」と話していたというが、険悪な嫁姑の板挟みになった利紀の心は擦り切れていた。

利紀は「嫁姑の仲が非常に悪く、長年苦慮していた。死んでもらった方がいいと思い、助けなかった」と供述。利紀は歯科医に育ててくれた宮子に感謝すると同時に、宮子に罵声を浴びせる由紀さんを疎ましく思っていたという。

そして、ついにその時が来た。義母の手で階段の角に打ちつけられる由紀さんが「利紀さん」と助けを求めたが、利紀はその声を無視したと検察は指摘している。

「利紀と宮子は口裏を合わせて犯行を隠そうとしました。しかし、利紀が通夜で“実は午前3時頃おふくろに起こされ、由紀が階段下に倒れているのを見たが放っておいた”と漏らし、由紀さんの親族から警察に説明するよう責められ、事件が発覚したのです」

裁判の結果、宮子は殺人罪で懲役7年、利紀は保護責任者遺棄罪で懲役2年6か月となった。

※年齢は事件当時。

※女性セブン2026年1月22日号