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《ドクターイエローをイメージして作られた》リニア中央新幹線の設備検査ロボット「ミネルヴァ」愛らしいけどすごい実力

設備検査ロボット「Minervα(ミネルヴァ)」。
写真8枚

新しい「働くロボット」が誕生した──2月20日、リニア中央新幹線の設備を検査するロボット試作機「Minervα(ミネルヴァ)」が公開された。

「ミネルヴァ」は、リニア中央新幹線の各種設備の点検・保全業務効率化のために、JR東海、スズキ、パナソニックアドバンストテクノロジー(以下PAD)の3社がタッグを組んで開発した4つのタイヤを持つ検査ロボット。本体に付いた距離測定センサーの情報をもとに自動で走行し、ロボットアームで多様な角度から外観検査を行う。

全長1m、高さ90㎝のコンパクトな形状で、黄色いボディと青いラインは昨年1月に惜しまれながら引退した「ドクターイエロー」をイメージしてデザインされた。JR東海のリニア開発本部担当部長の鳥居昭彦氏は「人と一緒に働くので、心理的な圧迫感のない親しみやすい形を考えた」と話し、シンプルなフォルムは、子供がお絵かきで描きやすいようにという思いも込められているという。走行に必要なセンサーやライトもデザインに取り入れることで、正面から見ると愛らしいマスコットを思わせるルックスだ。

アームを伸ばして点検するミネルヴァ。
写真8枚

この日、屋外で行われたデモストレーションでは、5cmの段差を軽々と乗り越え、アームを器用に動かし検査を行う様子が披露された。本体はスズキによる多目的電動台車の技術を応用し、砂利が敷かれた走行路でも対応できるように開発された。さらに、PADの自律移動ソフトウェアを搭載することで人の操作無しでの移動が可能となり、外観検査の自動化が実現したという。「ミネルヴァ」の導入により、現場の人的負担の軽減と省力化が図られ、将来的な労働力不足への対応策としても期待されている。

今後、「ミネルヴァ」は山梨実験線で検証を行い、改良を加え実用化を目指していく。最新技術を搭載したJR東海のニューフェイス。「リニアのお医者さん」として人気者になる日も近いかもしれない。