
冬にため込んだ脂肪を、春までになんとかしたいあなたに朗報です。つらい筋トレや厳しい食事制限なし。いつもの生活にりんご酢をプラスするだけでダイエット効果が期待できる、“飲むだけダイエット”の詳細をお教えします。
なぜ、りんご酢でやせるのか?
「がまんのダイエットでは、短期的に体重が落ちたとしても、すぐにリバウンドしてしまう」とダイエット講師の嶋田壱成さんは語る。
「ダイエットに必要なのは体の内側から整え、自然に調子がよくなる仕組みを作ること。その味方になるのが『りんご酢』です」(嶋田さん・以下同)
飲み方は、スーパーで手に入るりんご酢を10倍の水で薄めるだけ(下記参照)。

「食事の30分前に飲むだけで自然に食欲が落ち着き、体重が落ちていくことが期待されます。しかも疲れにくくなり、お肌もきれいになるというおまけつき。お財布にもやさしい方法です」
りんご酢が濃すぎると…
•胃に負担がかかる
•酸っぱすぎて続かない
•歯のエナメル質を傷める
薄すぎると…
•効果が半減する
56才女性が12㎏減に成功!

Before(体重74.7kg、ウエスト90cm)で9か月後After(体重62.7kg、ウエスト78cm)
胃痛と腰痛持ち。酸っぱいものが苦手だが、嶋田さんの指導で毎朝、白湯の後にりんご酢ドリンクを常温で飲み、無理なく体重が減り、胃痛・腰痛も改善。
【1】脂肪を燃やす力を高める
なぜ、りんご酢を飲むだけでダイエット効果があるのだろうか?
「肥満気味の成人男女が、酢(大さじ1)を含む飲料(500ml)を12週間、朝晩2回に分けて毎日飲んだところ、平均約1.2㎏の体重が減少し、内臓脂肪が5%近く、血中中性脂肪が18%ほど減少したという研究報告(※Kondo et al., 2009,Bioscience Biotechnology and Biochemistry, 73(8):1837–1843. )があります。
これは、お酢の主成分である酢酸が体内のさまざまな臓器や細胞に働きかけて、過剰な脂肪を減らす作用があるためです。りんご酢にも酢酸が含まれていますから、脂肪がつきにくく、燃えやすい体質づくりに働くことが期待できるのです」
【2】血糖値の急上昇を防ぐ
血糖値の急上昇は、ダイエットの大敵となる。なぜなら、血糖値が上がると余った糖分を脂肪として蓄えるスイッチが入ってしまうためだが、お酢には食後の血糖値上昇を抑える効果がある。特に、米酢とりんご酢には食後血糖値の総上昇量が約30%低下したという研究報告(※遠藤美智子ほか「食後高血糖を抑制する食酢の効果」ノートルダム清心女子大学紀要(人間生活学・児童学・食品栄養学編),2012;36:1–9.)がある。
「酢酸が胃の内容物の排出を遅らせて、糖の吸収を緩やかにするため、血糖値の急上昇が抑えられ、脂肪として蓄積されにくくなるのです」
【3】腸内環境を整える作用も
りんご酢にはもうひとつ、注目される働きがある。
「酢酸が腸内の善玉菌(ビフィズス菌など)を活性化させて悪玉菌を抑制し、腸の動きを活発にすることで、代謝アップや脂肪の蓄積を抑えます。これにより、便秘解消や太りにくい体づくりが期待できます。
ほかの酢でも同様の効果を得られますが、りんご酢は甘みがあり、ツンとした酸味が抑えられているので、飲みやすく飽きにくいというメリットがあります。これは、習慣化するのに極めて重要です」
【4】コレステロールの吸収抑制も
りんご酢の健康効果はダイエットだけではない。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが解解する。
「りんご酢には酢酸のほか、水溶性食物繊維のペクチンも含まれています。ペクチンには、コレステロールの吸収を阻害し、排出を促す作用があります。酢酸による血液サラサラ効果や、高めの血圧を正常値に近づける、カルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にする働きも期待できます。
カリウムも豊富でむくみを解消する効果もありますが、摂りすぎると腎臓に負担がかかるため、腎臓に疾患がある人は注意が必要です」(石原さん)
いいこと尽くしのりんご酢ダイエットだが、長続きするコツはあるのだろうか。
「どんな健康法も、最初から飛ばしすぎると脱落しやすくなります。まずは、上で紹介する『7日間の実践プログラム』に挑戦を。それぞれのチェックポイントと成功のコツを確認しながら、徐々に体を慣らして進めましょう。8日目からは、続けやすいタイミングで飲んでください」(嶋田さん)
りんご酢ドリンクを飲むタイミングは、食事の30分前が理想だが、飲み忘れたら、食中や食後に飲んでもいいという。
「ただ、空腹時に摂ると酢酸の強い酸が胃を刺激し、胃痛を引き起こすことがあります。起き抜けには飲まず、水を1杯飲んでからりんご酢を飲みましょう。
また、りんご酢の酢酸が口中に残っていると、歯のエナメル質を溶かす可能性があるので、最後に水をコップ1杯飲み、歯磨きは食後30分ほど経ってからすること」(石原さん)
初心者向けの7日間の実践プログラム
【1~2日目】体を慣らす
目標:りんご酢の味に慣れる
飲み方:夕食前に1回
濃度:基本の半分(大さじ1/2に、水150ml)
●チェックポイント
・胃に不快感はないか
・味は大丈夫か
・飲み忘れはないか
●成功のコツ

酸っぱくて飲みにくい場合は、はちみつを少し加えてみて。慣れてきたら、はちみつの量を少しずつ減らしていこう。
【3~4日目】りんご酢の量を増やす
目標:基本比率に慣れる
飲み方:夕食前に1回
濃度:基本比率(大さじ1に、水150ml)
●チェックポイント
・胃に不快感はないか
・食欲に変化はあるか
・体重に変化はあるか
●成功のコツ

間食をしたくなったら、薄めのりんご酢ドリンクを作って飲み、30分待ってみよう。満腹感が生じて、食欲が減退するはず。
【5~6日目】飲む回数を増やす
目標:1日2回に挑戦
飲み方:昼・夕食前の2回
濃度:基本比率(大さじ1に、水150ml)
●チェックポイント
・リズムができているか
・昼食前の量に変化はあるか
・午後の体調はどうか
●成功のコツ

アラームを11時半と18時など、昼食と夕食のそれぞれ30分前にセットしておくと飲み忘れを防げる。
【7日目】完全版に挑戦
目標:1日3回の完全版
飲み方:朝・昼・夕食前の3回
濃度:基本比率(大さじ1に、水150ml)
●チェックポイント
・リズムができているか
・1週間続けられたか
・体重・体調の変化はあるか
●成功のコツ

まずは1週間続けよう。続けられたら習慣が身についている証拠。自分を褒めて、次の1週間制覇を目指そう。
【1~3日目に出やすい変化】
●食事の量が自然と減る
●間食が減る
●お通じがよくなる
●体が軽く感じられる
●朝の目覚めがよくなる
【4~7日目に出やすい変化】
●体重が1~2㎏減る
●顔のむくみが取れる
●お肌の調子がよくなる
●疲れにくくなる
●食後の眠気が減る
りんご酢は製法や原材料によってさまざまな種類がある。メーカーにより風味が異なるので好みのものを探してみよう。


りんご酢をプラスするだけ、チョー簡単de美味なアレンジレシピ
朝食におすすめ「りんご酢納豆」レシピ

《作り方》
納豆1パックにりんご酢小さじ1~2、付属のたれを加えて混ぜる。酢の作用で糸引きが抑えられる。
缶詰を使って和えるだけ「いわし缶のりんご酢マリネ」レシピ

《作り方》
いわしの水煮缶1缶をボウルに汁ごとあけ、玉ねぎスライス1/4個分、りんご酢大さじ2、オリーブオイル大さじ1、塩こしょう少々を加えて和える。
デザートなのに腸活!「りんご酢ハニーヨーグルト」レシピ

《作り方》
無糖ヨーグルト100gにりんご酢とはちみつ各小さじ1を加えて混ぜ合わせ、お好みのフルーツを添えれば出来上がり。
捨てられていた酢のにごり「酢酸菌のチカラ」に注目!
一般に広く市販されている酢は、原料をアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて、熟成を経てろ過し、たんぱく質や酢酸菌などの不純物を取り除いて作られる。透明でくせが少なく、すっきりとした味わいが特徴だ。
一方、数年前から注目されているのが「にごり酢」だ。これは江戸時代からの伝統製法によるもので、当時はろ過技術が発達しておらず、“にごり”を残したまま流通されていた。
また、にごりの部分に、実は栄養成分が多く含まれていることが判明している。なかでも「酢酸菌」の健康効果に注目が集まっている。前出の石原さんが説明する。

「酢酸菌は、アルコールを酢酸に変える発酵菌です。ヨーグルトや納豆などの発酵食品に免疫力を高める効果があるのはよく知られています。その理由は、発酵菌が細菌やウイルスなどを見分けて免疫細胞を活性化するスイッチ『TLR』(※TLR[Toll様受容体]は細胞表面等に存在する免疫の第一関門で、細菌やウイルスなどの病原体を認識するための鍵穴のようなもの)を押すことができるから。
TLRは主に10種類あり、乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などはTLR2のスイッチのみを押しますが、酢酸菌は、TLR2に加え、TLR4のスイッチも押せる希少な菌。免疫の司令塔に働きかけ、体中の免疫細胞を活性化させます。
また最新の研究で、酢酸菌を乳酸菌や納豆菌と一緒に摂ると、それぞれ単体で摂ったときの約3倍以上、免疫細胞が活性化することがわかっています。インフルエンザなど複数の感染症や花粉症対策にも酢酸菌は役立ちます」
にごり酢も一般的な酢も使い方は同じ。加熱して摂っても酢酸菌の死菌が腸内細菌のエサとして働くため、健康効果は期待できる。
「にごりタイプのりんご酢も、一般的なりんご酢と同様にドリンクや料理に利用できます」(石原さん)
日々の生活に酢酸菌を取り入れ、免疫対策にも役立てよう。
◆ダイエット講師・嶋田壱成さん
「ダイエットは入口として、自らの可能性を最大化させる」を目指して活動。著書に『りんご酢飲むだけで痩せていく ご飯もお酒もガマンなし!』(飛鳥新社)がある。
◆医師・石原新菜さん
イシハラクリニック副院長。帝京大学医学部出身。漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。わかりやすい医学解説に定評がある。
取材・文/山下和恵
※女性セブン2026年3月19日号