
高騰後、やや下がったとはいえ、まだまだ高い米の価格。そんな中、もち麦や雑穀ブレンド、こんにゃく米などの「健康米」の売り上げが好調だ。白米と一緒に炊けばカサ増しできて、健康効果もアップすると注目されている。よりおいしい食べ方を調査しました!
2024年秋以降の“令和の米騒動”で米の価格が高騰し入手困難な時期に、「カサ増しになる」と一気に注目を集めた「健康米」。いまでは「健康にいい」「おいしい」と、もち麦や雑穀を白米にプラスする人が増えている。五ツ星お米マイスターで、雑穀エキスパートの澁谷梨絵さんが解説する。
「かつては『雑穀は健康にいいけどおいしくない』と敬遠されることもありましたが、いまは品種改良が進み、とてもおいしくなっています。白飯と雑穀米が選べるファミレスやお弁当屋さんも増えました。身近になったことで家食でも取り入れる人が増えているのでしょう」(澁谷さん)
なかでも需要が増えているのが「もち麦」。国内生産量は2016~2020年の4年間で約50倍になった。管理栄養士の大石みどりさんが説明する。
「もち麦は食物繊維のなかでも、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。腸内細菌のエサになって腸内環境を整えるほか、糖や脂肪の吸収を抑え、悪玉コレステロール値の上昇をゆるやかにし、内臓脂肪の増加を防ぐなどの効果もあります。白米よりも吸水率が高く、カサ増し効果が望めるのも人気の要因です」
白米に足りない栄養を雑穀が補填
健康米の栄養効果についてはほかにもある。イシハラクリニック副院長の石原新菜さんが解説する。
「もみ殻だけを取り除いた玄米とは違い、白米はぬか層と胚芽を削り落としたもの。ビタミンやミネラル、ポリフェノール、食物繊維も取り除かれているため、白米はほぼ“糖質のかたまり”です。そのため食後に血糖値が急激に上がってインスリンを大量に分泌し、脂肪を蓄えやすくなるのです。
それが、雑穀を混ぜることによって白米に欠けている食物繊維をプラスできるうえ、血糖値の急上昇を抑えることにもつながります。一方で、玄米は消化に時間がかかりお腹が張るケースもあるので、白米に少し混ぜて食べるのは胃腸にもいいのです」
雑穀にはもち麦のように単一穀種だけでなく、きびやひえ、あわ、アマランサス、キヌアなど、さまざまな雑穀をブレンドしたものがある。
「カサ増しを期待するならもち麦や押し麦、こんにゃく米がおすすめです。雑穀米初心者なら、10穀種以上がブレンドされたものを選ぶといいでしょう。雑穀独特のくせが抑えられ、いろいろな味わいと食感が加わり、おいしく感じられると思います。
雑穀を混ぜた健康米を炊く場合は、コシヒカリやミルキークイーンのようなもちもち系のお米より、あきたこまちやひとめぼれのようなあっさり系のお米との相性がいい。洗った白米とともに1時間以上、しっかり浸水させてから炊くと、ふっくら炊き上がります」(澁谷さん)
雑穀米の主な魅力は3つ。主食を「健康米」に格上げし、毎日の健康効果をアップさせよう!

雑穀米の3つの魅力
【1】白米では不足しがちな栄養が補える
食物繊維、ビタミンB群、ミネラルなどがプラスされ、主食から自然に摂れる。
【2】食後の満足度が高い
噛みごたえがあるので満腹感を得やすく、食べすぎ防止につながる。
【3】味と食感のバリエーションがある
プチプチ、もちもち、香ばしさなど、さまざまな雑穀の個性が加わるので飽きにくい。
※もち麦の食物繊維量は、はくばく調べの日本食品分析センター分析値、その他は 「日本食品標準成分表2020年版(八訂) 第2章本表」による。
雑穀米をおいしく炊くコツ
雑穀米は炊飯時に硬くなったり、逆にやわらかすぎるなど水加減が難しい。おいしく炊くためのポイントを押さえておこう。
Q.水加減はどのくらい?
A.雑穀の2倍が目安
白米を炊く場合、米1合(150g)に対して水は約1.2倍の200mlが目安だが、雑穀は2倍を目安に水を入れよう。

「白米を洗って炊飯器に入れ、いつもの水加減でセットしたら、白米の2割くらいの量の雑穀を加え、加えた雑穀の量の2倍を目安に水を加えます。このまま30分~2時間浸水させた後、早炊きモードで炊きましょう。ふっくらおいしい雑穀米が炊き上がります」(澁谷さん)
Q.炊く以外にも食べる方法はある?
A.たっぷりの湯でゆでる
もち麦などは単体でゆでるのもおすすめ。サラダやスープなどにアレンジしたり、炊き上がった白米に混ぜて、食べたい人の分だけをもち麦ご飯にすることもできる。
「作り方は簡単。
【1】鍋にたっぷりの湯を沸騰させ、もち麦を入れたらフツフツする程度に火を弱め、かき混ぜながら15~20分ゆでる。
【2】好みの硬さになったらザルにあげ、流水でぬめりを洗い流す。
【3】しっかり水気を切って密閉袋に入れて冷凍する。菜箸などで筋目を入れておくと、使用する際に筋目に沿って割れて便利」(はくばく広報・手塚俊彦さん)。

Q.白いご飯も雑穀ご飯もほしいときは?
A.1つの炊飯器で炊き分けできる。
色の出る雑穀(黒米、赤米など)の場合、多少の色移りをする可能性はあるものの、1つの炊飯器や鍋で炊き分け可能。
「炊飯器に洗った白米を入れたら、雑穀を端からそっと入れ、上から白米で覆い、水は雑穀とは逆側からそっと入れて炊きます。炊き上がったら10分以上蒸らせばOK。右下の写真のように、白いご飯も雑穀ご飯も同時にできあがります」(TeN広報・今村彩佳さん)


Q.炊いた雑穀ご飯の保存方法は?
A.炊きたてをラップ&アルミホイルで包んで冷凍。
雑穀ご飯は、白いご飯よりも水分を多く含んでいるため傷みやすい。
「炊き上がって湯気が立っているうちに1食分ずつをラップでふんわり包む。さらにアルミホイルで包んでから密閉袋に入れ、冷凍室で保存すると、おいしさがキープできます(保存期間は約1か月)。炊飯器で長時間保温すると、雑穀の独特なにおいが強くなるので避けた方がいい。その日のうちに食べるなら、おにぎりにしておくのがおすすめです」(澁谷さん)

主な健康米の種類とアレンジレシピ
おいしくヘルシーに食べられる雑穀や米粒状の食品を編集部が厳選。おいしく炊くための白米との黄金比も紹介します!
もち麦
「もち麦 スタンドパック」
もっちりぷちぷち食感が特徴で食物繊維が白米の7.3倍!いつもの白米と一緒に炊くだけでOK。毎回計量の手間がかからず、使い切りやすい個包装タイプ。

【特徴】発酵性食物繊維のβ-グルカンが豊富。3割もち麦ご飯(米1合+もち麦50g)の場合、茶碗1杯(150g)で⾷物繊維が約2.3g摂れる。
【米に混ぜる割合】米1合+もち麦50g(1袋)+水100ml。炊き上がりは約1合半に。
オーツ麦
「おなかのためのごはんに足すだけオーツ麦」
2種のオーツ麦を独自配合し、もっちり&粒感のある食感を実現。“水溶性”と“不溶性”の食物繊維をバランスよく含み、腸活に役立つ。

【特徴】消化のスピードが比較的ゆっくりで、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できる。鉄分やビタミン・ミネラルも豊富。
【米に混ぜる割合】米の半量がおすすめ。水加減は白米と同じくらいでOK。
雑穀ブレンド
「おいしさ味わう十六穀ごはん」
発芽玄米、もちあわ、黒米、もちきび、アマランサス、たかきび、キヌアなど雑穀が16種。マルチな栄養と彩りがプラスでき、満足度の高い雑穀ご飯が手軽に炊ける。

【特徴】16種の雑穀に含まれるビタミン・ミネラルが加わり栄養バランスがアップ。食物繊維由来の健康効果も期待できる。
【米に混ぜる割合】米2~3合に対して30g(1袋)。水は足さなくてOK。
「kokuu(こくう)たんぱくプラス」
高たんぱく素材(大豆・大豆ライス・オーツ麦)など、国内産の厳選雑穀14種類を配合したグルテンフリーの雑穀米。噛むほどに雑穀のやさしい甘みと旨みが広がる。

【特徴】茶碗1杯で約10gのたんぱく質が摂れる。朝食時に食べると体内時計が整い、筋肉作り、代謝アップ、睡眠の質の向上につながる。
【米に混ぜる割合】米1合に大さじ4の雑穀米と同量の水を加え、30分~1時間浸水させてから炊く。
玄米
「発芽米」
玄米を独自製法でゆっくり発芽させることによって酵素が活性化。玄米よりも甘みが約2.6倍(※)も増し、プチプチとした食感に。発芽米だけでも白米と混ぜてもOK。(※2004年2月ファンケル総合研究所調べ)

【特徴】米ぬかに含まれるオリザノールやフェルラ酸といった健康にうれしい成分がたっぷり摂れる。
【米に混ぜる割合】白米2:発芽米1。1合につき水を大さじ3杯分多く入れる。浸水は約30分、蒸らし時間は約15分がおすすめ。
「金芽ロウカット玄米」
玄米の炊きにくさや食べにくさの原因である「ロウ層」を均等に除去した玄米。栄養価は玄米そのまま、糖質・カロリーは約30%オフ。白米モードでふっくら炊ける。

【特徴】東北大学との共同研究で、週に4回、6か月間継続摂取することで、認知機能の改善にも役立つという報告がある。
【米に混ぜる割合】白米と1:1の場合、金芽ロウカット玄米は同じ計量カップで1.5〜2杯の水を入れ、1時間以上浸水させて炊く。
こんにゃく粉等
「マンナンヒカリ 525g(スティックタイプ)」
こんにゃく粉などの原材料を米粒状に加工したもの。白米と混ぜて炊くと、見た目や食感が白米に近いため違和感がなく、いつものご飯のように食べられ、カロリーコントロールできる。

【特徴】食事量はそのままで、糖質とカロリーのコントロールができるので、糖質オフのサポートになり、食物繊維も補える。
【米に混ぜる割合】米1合に1袋(75g)を入れ、2合の目盛りまで水を入れて炊くと、2合分のマンナンごはんが炊き上がる。
大豆
「乾燥タイプ ダイズライス800g」
植物性たんぱく質をはじめとする栄養豊富な大豆を米粒状に加工した大豆食品。米より高たんぱくで低糖質ながら、しっかりとした食べ応えがあり、大豆のやさしい甘みと自然な風味が特徴。

【特徴】茶碗1杯に糖質7.2g、たんぱく質25.3g、食物繊維6.3gを含むため、糖質コントロールとたんぱく質摂取ができる。
【米に混ぜる割合】米2合に対してダイズライス100gを混ぜ、水650〜790mlを入れて炊くのがおすすめ。炊き上がりは約960g(約5.4合分)に。
健康米と相性のいい料理は?
健康米を白いご飯代わりに食べる場合、汁気のあるおかずや丼ものとの相性がいい。
「『もち麦ごはん』は、とろろや納豆ご飯にするのがおすすめ。雑穀ブレンドは、カレーやシチューなど味が強めの料理とよく合います」(澁谷さん)
このほか、健康米の食感や風味を生かしたアレンジレシピを厳選して紹介します。
「鮭の塩昆布もち麦炒飯」(1人分)
《作り方》

【1】もち麦ご飯200gを耐熱ボウルに入れ、鮭フレーク大さじ2、塩昆布大さじ1、白いりごま・ごま油各小さじ1を加えてよく混ぜ、ラップはかけずに600Wの電子レンジで2分加熱。
【2】塩こしょうで調味して器に盛り、青ねぎの小口切りを散らす。
(レシピ提供/はくばく)
「ツナと枝豆の炊き込みごはん」(2人分)
《作り方》

【1】雑穀ブレンドを加えたご飯1合を炊く際に、和風だしの素小さじ1/2、ツナ(ノンオイル)1缶70gも加え、炊飯器の普通モードで炊く。
【2】皮をむいた枝豆約20粒、梅干しの果肉2個分を加えて混ぜ、蓋をして約5分蒸らしたら、おにぎりにする。
(レシピ提供/TeN)
「ふんわり玄米の蒸し寿司」(1人分)
《作り方》

【1】金芽ロウカット玄米ご飯150gにすし酢大さじ1、甘辛く煮たしいたけ、にんじん、れんこんを混ぜる。
【2】耐熱皿に【1】を入れ、さば(しょうゆ味付け缶)25g、錦糸卵をのせ、ラップをふんわりかけ600Wの電子レンジで2分加熱。枝豆、甘酢しょうがを添える。
(レシピ提供/東洋ライス)
「カリッともちっとにらチヂミ」(2人分)
《作り方》

【1】ボウルに卵2個を溶き、マンナンごはん150gを入れてつぶすように混ぜる。5cm長さに切ったにら25g、キムチ25g、塩適量を加えてさらによく混ぜる。
【2】フライパンにごま油大さじ1を熱して【1】を入れ、両面をカリッとするまで焼く。
(レシピ提供/大塚食品)
酵素の力で糖の吸収が穏やかな白米に『白米どうぞ(R)』
使う米も炊き方もいつもと同じなのに、食べ慣れた「うちのご飯」が糖質の吸収が穏やかなご飯に変身!

1合につき1袋(4.5g)を加えて炊くだけで、酵素の働きにより、白米のでんぷんが玄米並みの分解されにくい構造になる調味料。
取材・文/山下和恵 撮影/浅野剛
※女性セブン2026年4月16・23日号