老人性うつで認知症リスクがあがる
認知症同様、年を重ねたら気をつけたいのが「老人性うつ」だ。症状が似ており、専門家でも判別は難しいという。内野さんが言う。
「老人性うつは、加齢に伴う脳内変化のひとつです。年齢を重ねると、意欲や快楽を司る『ドーパミン』という物質が自然に減少するため、気力が低下して、うつ状態になりやすくなります」
樺沢さんによれば、男性は定年間際、女性は更年期や子育てが終わる50才頃からリスクが高まるという。
「人生の目標がなくなる時期に発症しやすくなる。認知症と異なり、気分の落ち込みとともに強い苦しさを感じるのが特徴です」

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老人性うつの問題は、精神面だけにとどまらない。
「気力が奪われると人と会う機会が減り、食事や運動もおろそかになります。その結果、さまざまな病気の引き金となり、中高年期では認知症のリスクが2〜3倍に高まるほか、高血圧や糖尿病、心臓病、脳卒中にもつながります」(奥村さん)
ではどうすれば予防できるのか。内野さんは認知症とうつの共通点を指摘する。
「脳の血流が悪くなり機能不全に陥っているという点では、老人性うつも認知症も同じです。血流を改善し、脳を活性化させる食事や生活習慣は、認知症だけでなく老人性うつの予防にもなります」
食事は脳の機能を支える栄養素を意識して摂りたい。樺沢さんが言う。
「オメガ3脂肪酸には、認知症に限らず、うつ病の予防効果もあります。たんぱく質の摂取も心がけてほしい。たんぱく質を構成するアミノ酸の一種『トリプトファン』が不足すると、心の安定を司るセロトニンや、睡眠の質を上げるメラトニンが作れなくなります」
早速今日から生活に取り入れ、脳の健康を守ろう。
※女性セブン2026年4月30日号