“裏の顔”を次々に暴露
島倉さんは約3年をかけて2億4000万円の残債を完済したとされるが、実際に稼いだ額は3倍以上あったともいわれる。細木さんも世間の反応は認識していたようで、後に『週刊文春』(2006年6月15日号)のインタビューでこう打ち明けている。
《借金問題にメドがつき始めると、お千代は食事がまずい、お金をくれないなどの不満を外部の人に漏らすようになりました。それで当時は“やり手婆”の細木と、“こき使われる歌手”のお千代といったイメージで語られることが多かったように思います》

島倉さんの亡恩負義を訴えたそのインタビューで細木さんは、島倉さんの“裏の顔”を次々に暴露。深夜に細木さんが交際していた暴力団関係者の部屋に、島倉さんが入り込んでいたことも明かした。ドラマでも細木さんの裏切りを知った島倉さんの、ある“復讐劇”が描かれているが、この演出に首を傾げるのが、島倉さんがかつて所属していた芸能事務所の元社長、寺西一浩氏だ。
「島倉さんは後年になっても、危機を救ってくれた細木さんに感謝していました。執着心がなく、何より復讐とは無縁の人だったので、いくらフィクションだとしても、あのシーンには納得がいきません。
実は島倉さんは歌手生活50周年の後、私の仲介で細木さんと再会しているんです。『おめでとう』、『ありがとう』、『体に気をつけてね』という短いやり取りでしたが、お二人ともうれしそうにしていたのを覚えています。その後も、細木さんは島倉さんとの思い出を楽しそうに話されていたので、ドラマの過剰な演出には違和感を覚えます」
双方が鬼籍に入った以上、事の真相は当事者以外に知る由もないが、半世紀近く前の恩讐は、いまも関係者の心に波風を立てている。
「だって、騙すより騙される方がいいじゃない」
口癖のようにそう語っていた島倉さん。細木さんとの決別を経て、“地獄”を見た彼女が震える声で歌い上げたヒット曲『人生いろいろ』は、いまも人々の魂を揺さぶり続けている。
※女性セブン2026年5月21・28日号