健康・医療

【医師たちが「がんで死にたい」と考える背景】苦痛を和らげながら生活するための“緩和ケア”が普及 不本意な最期を避けるには“家族での人生会議”が重要

親を殺したという罪悪感に悩む

 がんであっても、それ以外の病気であっても、ミスマッチによる不本意な最期を避けるために、「家族で人生会議をやっておくべきだ」と大津さんが提案する。

「病状が悪化していったときに、自分の意思を伝えることは非常に難しく、これができる人はなかなかいません。急に意識を失った、ICU(集中治療室)に入る、または本人が話せる状況にない……となったときには、家族が代わりに意思を伝える必要が出てくる。

 そんなときに『本人がどうしてほしいと言っていたか』が非常に重要になります。『延命治療はしないで』と、言われていたとおりにできたという人もいれば、本人の希望がわからないまま延命を選択しなかった結果、『自分が親を殺してしまったのでは』と罪悪感で悩んでしまうかたもいます。家族の苦痛を減らすという意味で、どちらに転んだとしても、希望を伝えておくことは大切です」

 幸せな最期を迎えるためには、医療機関の選び方も大切だ。がんの病状や治療の方針、その利点やリスクについて相談できる医師にかかりたい。

約6割が「自宅で最期を迎えたい」と願っても実際に自宅で亡くなったのは約16%のみ
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「抗がん剤や手術などの治療をすることで全身の状態は変化し、悪くなる場合もあります。メリットとデメリットを理解してから治療に臨まないと、治療のせいで具合が悪化したと感じてしまう場合もある。

 そういった細かい相談をできる医師を探すためには、全国に約470か所ある『がん診療連携拠点病院』の『がん相談支援センター』に相談してみてください。がんを専門とする相談員は、いい解決への支援をしてくれると思います」(大津さん)

 がんで最期を迎えるのが幸せだといっても、進んでがんになりたい人はいない。つらくない人生の最期を迎えるために必要なのは「生活習慣を改めること」と「がん検診に行くこと」だ。義理の妹を若くしてがんで亡くしたという中川さんが警鐘を鳴らす。

「早死にしてしまえば、どんな死因でもいい最期とはいえません。そのためにも、当たり前ですが飲酒や喫煙は控えて、睡眠と栄養をたっぷりとる。高齢になると転倒して急に体調が悪くなることもあるので、足腰を鍛えるのも大事です。

 もうひとつおすすめしたいのは、がん検診に行くこと。私の弟の妻、つまり義理の妹は48才のときに大腸がんで亡くなりました。弟は医師で、義理の妹の実家は開業医だったけど、検診には行っていなかった。がんのなかでいちばん多い大腸がんは、国が税金を使って検診を行っているので、定期的に受けてください」

 悔いのない最期を迎えるため、自分の理想の死に方を考えよう。

「自宅で最期を迎えたい」と願う人が約58%
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死の直前に「大切な人と過ごせた」のはがんがトップに
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日本人の死因1位はがん
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(前編を読む)

※女性セブン2026年6月18日号

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