
すべて想像の逆を行く男、高須克弥の破天荒な人生を描く連載『YES!逆張り人生~高須克弥物語~』! 読めば悩みが全て吹き飛ぶ、そんなパワフルすぎる人生を、どうぞご堪能あれ。
第8話:逆張りで作ったアイスホッケー部の話【前編】
克弥は学生運動のデモ隊をかき分けて一歩前に出た。対峙する機動隊に緊張が走る。その距離わずか20メートル。その真ん中に一人で立っている。さらに一歩。その瞬間、ザッザッザッと機動隊が前進した。
──やられる!
デモ隊も身構える。今まさに両軍が激突しようとした時、克弥はなぜか上半身裸になり、両手を挙げて大声で叫んだ。
「僕は警察の味方です! 学生運動なんか大っ嫌いです!」
両軍の動きが止まる。誰も予想しなかった言葉が響く。
「彼女が靴を落としたので、取らせてください! 裸です。何も持ってません!」
言うや否や、小走りでハイヒールに駆け寄り、拾い上げる。そしてあっけに取られているデモ隊と機動隊を交互に見た。
──どっちにも行けない。
半裸でハイヒールを持つ男は、そのまま両軍の間を忍者のように横切って消えた。嘘のような実話である。

その後も克弥とシヅは順調に交際を続け、授業をサボっては東京オリンピックの裸足のアベベを見に行き、日本初上陸のインディカーレースを観戦した。意外なことにシヅは車に乗るとスピード狂で、自分で運転することもレースを見ることも好きだった。会場の富士スピードウェイではヘアピンカーブの部分が崖になっており、そこが一番迫力があるのに観客席を作れない。そこで克弥とシヅは崖から下がる蔦にぶら下がって観戦した。外国から来たドライバーには猿にしか見えなかったに違いない。
* * *
そして4年生になる頃、克弥は空手部に限界を感じ始めていた。楽しいが、大学の空手部には上がいて、到底太刀打ち出来ない。
──人と同じことをやっていてはダメだ。
何か1番になれるものはないかと探ってみると、東日本の医科学生総合体育大会にアイスホッケーという競技がある。しかもアイスホッケー部は慶應、慈恵、東京医大の3つしかないことが分かった。
──1つ勝てばベスト3じゃん!
克弥が懇親会で、たまたま昭和医大の理事長と会う機会があり、このことを話すと「いいな」と言われたので、ルールも知らなかったが主将になることにした。(中編につづく)
最新話は発売中の女性セブン本誌に掲載!
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【プロフィール】
家守鷹主(いえす・たかす)/テレビ局プロデューサーとして高須克弥氏と出会い、十数年来の友人。今回、その人生を小説として描きたいと依頼したところ、高須氏は一言“YES”と快諾し、ペンネームも命名。かくして、希代の人生物語が幕を開けた。
高須克弥(たかす・かつや)/1945年、愛知県生まれ。医師(美容外科、整形外科、形成外科。学位は医学博士)。2018年に自身の全身がんを公表(発病は2014年)。
※女性セブン2026年7月30日・8月6日号