社会

【阿部寛が「こんな言い方していいんですか?」と驚嘆】公安・警察監修者が明かす「VIVANT」撮影舞台裏

サッカー日本代表チームより先にW杯現地入り

私が勤務していたのは、警視庁公安部外事課というところです。公安の中にもいろいろな組織がありますが、外事課は海外の日本大使館で警備対策官及び領事として勤務します。在南アフリカ共和国日本大使館には、2010年のサッカーW杯南アフリカ大会前に着任し、南アフリカ全9州の警察本部長と個別に面会して、情報収集や邦人保護の体制などを作りました。着任した時点ではサッカー日本代表の本大会出場は決まっていませんでしたから、私がいちばん「予選を勝ち抜いてくれ!」って祈っていましたよ(笑い)。

俳優の阿部寛
写真11枚

『VIVANT』の作中で私と同じ立場にいるのが阿部寛さん演じる野崎守ですね。野崎守は、公安部外事第4課の刑事で、国際テロ組織を追う役どころ。竜星涼さんが演じる新庄浩太郎も公安警察官でしたが、どうやらテロ組織の一味でもあったようなので、今後どうなることやら……。

ですので、撮影現場では阿部さんとやりとりすることが多かったです。キャストの皆さんには個別の控え室が用意されていましたが、阿部さんはよく休憩スペースにいらして、いろいろと質問されました。野崎は組織の中でもかなり跳ねっ返りな存在ですが、「本当に、上司にこんな言い方していいんですか?」とか。実際は警察組織は縦社会なので丁寧に話しますが、そこは野崎のキャラもありますからね。

あとは、大勢の捜査官の前で捜査情報を報告するシーンでも、「こんな人前で機密情報を話していいんですか?」とも聞かれました。捜査官といえども、情報を知る人をできるだけ少なくするのは鉄則です。現実にはあり得ませんし、阿部さんには「個室でドアを閉めて話すのが常識です」と伝えましたが、視聴者に状況を伝えるためには致し方ない。阿部さんは、そういう“ドラマとしての嘘”を納得した上で演じたかったんだと思います。

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ドラマは新シーズンの第1話を終えたばかり。異例の2クール放送は、松丸氏のような「その道のプロ」によって支えられている。

【松丸俊彦】
海外安全アドバイザー、防犯コンサルタント。元警視庁公安捜査官、元外交官。警視庁公安部外事課で20年以上にわたって防諜(カウンターインテリジェンス)、在京全大使館とのリエゾン(連絡)に従事。海外の日本大使館で警備対策官及び領事として勤務した。現在はセキュリティコンサルタントとして、企業・団体向けに海外安全対策、テロ・誘拐対策、経済安全保障、防犯対策などに関する講演や研修を行うほか、メディアを通じた情報発信にも取り組んでいる。