健康・医療

《”若返りホルモン”の働きを促す》何才からでも骨は強くなる! 転倒知らずの体を目指すたった1分の「骨たたき」メソッド

いすに座る女性
1日1分で骨を強くする骨たたきをやってみよう(写真/Photo AC)
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女性は50才前後から骨密度が急激に低下し始める。何もしないと骨粗しょう症の発症リスクが高くなり、ちょっとした衝撃や転倒で骨折する危険性が増すため、骨密度の高い丈夫な骨を作ることが重要だ。「骨たたき」で無理なく骨を刺激すれば、寝たきり知らずの人生が手に入る。

加齢とともに骨は衰えるが、「何才からでも強くできます」と話すのは、「からだの学校・湧氣塾」校長の森千恕さんだ。

「骨は古い骨を壊す『破骨細胞』と、新しい骨を作る『骨芽細胞』による骨代謝によって、常に入れ替わっています。体内でもっとも太い大腿骨でも、約7か月で新しく生まれ変わるほどです。しかし運動や骨への刺激が不足すると、体は骨の強化が不要と判断して破骨細胞の働きが優位になり、もろくなるのです」(森さん・以下同)

転倒などで寝たきりの状態が続くと、いざ立ち上がろうとしても力が入らず歩行が困難になる。これは筋力だけでなく、骨も弱くなるためだ。

女性は閉経を境に、女性ホルモンであるエストロゲンが大きく減るため、代謝バランスが崩れやすく、骨粗しょう症のリスクがより高まる。国内の骨粗しょう症患者(40才以上)は推計1590万人。そのうち約74%にあたる1180万人が女性というデータもある。

「そこで骨を強化するのに最適なのが『骨たたき』です。おにぎりを握るときのように手を山型にして、関節まわりの骨をポコポコとたたくと、その刺激が骨の端へと伝わります。骨端には骨芽細胞があり、振動が届くと新しい骨作りが進みます。

同時に、骨芽細胞から分泌される“若返りホルモン”と呼ばれる『オステオカルシン』の働きが促され、筋肉や血流、免疫力、集中力によい効果を与えます」

さらに、骨たたきの刺激は靱帯や腱、筋肉を緩めるため、関節の可動域を広げ、骨格の歪みを正す効果も。

「骨は体を支えるだけでなく、血液や免疫細胞、カルシウム、ホルモンを作る“臓器”です。骨が強くなれば骨密度や骨の質も高まるため、転倒やくしゃみによる骨折の心配も少なくなります」

さっそく今日から骨をたたいて強くしよう!

骨の4つの働きの図解
骨の4つの働き
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「骨たたき」7つの効果

・骨が丈夫になり、転倒時の不安が減る 

骨の代謝が促されて強度が上がり、骨折予防や寝たきり対策に役立つ。

・骨格が整い、痛みやこり改善

関節が動かしやすくなって歪みが整い、腰、ひざ、肩の不調が軽減する。

・呼吸が深まり自律神経が整う

肋骨への刺激で胸郭が広がり、たくさん空気を吸って呼吸が深くなるため、自律神経が整い気持ちも安定する。

・動きがよくなり日常生活が楽に

骨が丈夫になると体が軽くなり、歩く、立つなどの動作が楽に。

・血流がよくなりリンパの巡りが改善

振動が血液やリンパに伝わり、滞りが解消。冷えやむくみ予防に。

・内臓が整い、代謝アップ

刺激が臓器に伝わり内臓の働きが向上。代謝が上がり、巡りも改善。

・姿勢が整い、見た目も若返る

骨格の歪みが整い、猫背や腰の曲がりが改善し、若々しい印象に。

※出典/Noriko Yoshimura N, et al.Trends in osteoporosis prevalence over a 10-year period in Japan: the ROAD study 2005-2015.J Bone Miner Metab.40(5):829-838, 2022.

「骨たたき」のやり方

●気持ちいい回数でOK

1日1回以上、いつでも気軽に行おう。「気持ちいいと感じるなら何度行っても構いません。歩き疲れたときや長時間座った後に行うのもおすすめです」(森さん・以下同)

●優しく骨に響く強さで

ポコポコといい音を響かせるように優しくたたく。「骨に軽く振動が伝わり、心地よく感じる程度を心がけて。1秒に2回ほどの速すぎず、遅すぎないスピードで軽快に行いましょう」

【ポイント】手を山型にする

・ポコポコと音が鳴るように

山型にした手
手のひらで、水がすくえるくらいのくぼみができるように山型にする。三角おにぎりを作るときの手のイメージ。この形でたたくとポコポコと音が鳴る(イラスト/鈴木みゆき)
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手を山型にすると手のひらに小さな空間ができ、たたいた瞬間に空間内の空気が押されて跳ね返り、深部に届く振動が生まれる。

丸めた手を合わせている
ポコポコとした音を出そう(イラスト/鈴木みゆき)
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「ポコポコと音が鳴るのは振動が発生しているサイン。平手やグーでは衝撃が表面に広がり、骨まで響きません」

《1》血流、内臓、脳が同時に整う「手たたき」

【1】椅子に浅く腰かけ、両手を山型にする(以下すべてここから始める)。

いすに座り、手を合わせている
刺激するのは手(イラスト/鈴木みゆき)
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【2】そのまま拍手をするように、ポコポコと高い音が出るのを意識して10回手をたたく。

【解説】

末端を刺激すると血液が心臓へ戻りやすくなるため、全身の血流がよくなり、冷えや手指の関節痛の予防となる。さらに、振動が腰椎から胃腸にも伝わり、内臓の働きも整う。

「手指は脳とのつながりが深いため、ポコポコ刺激で脳を活性化でき、認知症予防などの効果も得られます」

《2》歩きやすくなり、むくみも軽減「足たたき」

椅子に座り、座面に手をついて体を支えながら、かかとを10cmほど上げ、足裏(前足部)を床にトントンとたたきつける。

いすに座り足踏みしている
刺激するのは足(イラスト/鈴木みゆき)
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「貧乏ゆすり」の要領で、太ももに振動が伝わるように跳ね返りを意識しながら、ひざとかかとを連動させて素早く動かす。左右10回ずつ行おう。

【解説】

振動がひざから腰や股関節へ伝わると体幹が安定し、歩きやすくなる。

「骨盤や足の向きが整うので内臓の位置が安定し、血液の巡りが促され、むくみの軽減のほか、足に力が入りやすくなるので転倒予防にもなります」

《3》大腿骨骨折予防に効果バツグン「ひざたたき」

【1】両足を肩幅に開き、両手で両ひざの内側をポコポコと10回たたく。

いすに座り、ひざの上に手を乗せている
刺激するのはひざ(イラスト/鈴木みゆき)
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【2】両ひざを上から10回たたく。

【解説】

ひざ関節まわりの骨や組織が活性化し、ひざ痛を予防できる。

「体を支える柱でもあるひざの内側には大腿骨の端があり、ここに刺激が入ると大腿骨の強度維持に役立ち、骨折予防につながります」

《4》腰痛や便秘を予防する「腰たたき」

前傾して腰を軽く突き出し、両手を体の後ろに回す。腰骨上部のやや内側にある出っぱり(腸骨棘)を触って位置を確認し、ポコポコと10回たたく。

いすに座り、腰に手を当てている
刺激するのは腰。腸骨棘は腰骨の上部のやや内側、左右に2か所ある。触って出っぱりを確認しよう(イラスト/鈴木みゆき)
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【解説】

腰まわりの刺激で腰椎を支える組織の働きが高まり、腰痛予防につながる。「体の要である腰が安定すると上半身を支えやすくなり、その安定が腹部にも伝わることで胃腸の働きが活性化。消化促進や便秘予防にもなります」。

《5》代謝が上がり、姿勢もよくなる「肋骨たたき」

肋骨の下部を優しくポコポコと10回たたく。

「ここは軟骨を含むため、力を入れすぎないこと。優しくたたいても痛みがある場合は、さするだけにしましょう」

いすに座り、肋骨に手を当てている
刺激するのは肋骨。肋骨下部はみぞおち横のやわらかい部分。強くたたかず、あくまでも軽くたたいて(イラスト/鈴木みゆき)
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【解説】

肋骨まわりを刺激すると胸郭が緩み、呼吸が深くなって酸素を取り込みやすくなる。

「肋骨は呼吸の調子を整える調律点でもあるので、整うと呼吸がしやすくなり、代謝も上がります。背筋が伸びて姿勢もよくなります」

お悩み別骨たたき!

寝つきが悪い

肩をぐっと上げたまま、いちばん外側の骨の出っぱり(肩峰〈けんぽう〉)部分を20回たたく。

腕をクロスし、肩を触っている
肩峰(けんぽう)部分を20回たたく(イラスト/鈴木みゆき)
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肩を上げて肩甲骨を安定させると振動が首まで届きやすくなり、首まわりが緩んで寝つきがよくなる。

疲れ目

【1】指先でこめかみを軽く10回たたく。

こめかみを触っている
頭蓋骨の真ん中の蝶形骨(ちょうけいこつ)を刺激(イラスト/鈴木みゆき)
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【2】こめかみの少し上の側頭部を軽く10回たたく。頭蓋骨の真ん中の蝶形骨(ちょうけいこつ)が緩み、視神経の緊張がほぐれる。

◆教えてくれた人:森千恕さん

「からだの学校・湧氣塾」では、体の可能性を引き出す調整法を伝えている。高齢者施設でのカウンセリングや運動サポートにも定評がある。

取材・文/藤岡加奈子

※女性セブン2026年9月17日号

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