
今年7月26日にユネスコ世界文化遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)」は、奈良県で発見された19か所の古代遺跡群。約1400年のときを超えて、知るほどにおもしろい、日本誕生の物語が詰まった地を旅しよう!まずは、世界遺産19の構成資産の見どころを専門家が解説。さらに、初めて訪れるなら押さえておきたい必見スポット7つを厳選してご紹介!
古の飛鳥・藤原に思いを馳せ、19の遺跡群をゆるりと巡ろう
今回、世界遺産に登録されたのは、宮殿跡や寺院跡、古墳など、明日香村・橿原市・桜井市にまたがる19の構成資産。日本の原風景を眺めながら、自転車を借りて巡るのがおすすめ。

宮殿・官衙跡
日本の国家が生まれた場所。中央集権国家の形成へ
【1】飛鳥宮跡(きゅうせき)
飛鳥時代の天皇の宮殿跡が複数重なった遺跡。「乙巳(いっし)の変」の舞台となった場所としても有名。
住所:明日香村大字岡
【2】飛鳥京跡苑池(きょうあとえんち)
飛鳥宮に付属して造園された庭園跡。当時の高度な造園・土木技術を伝える最古の日本庭園。
住所:明日香村大字岡
【3】飛鳥水落(みずおち)遺跡
日本最古の水時計『漏刻台(ろうこくだい)』があった跡地。唐(中国)から伝来し、設置されたと考えられている。
住所:明日香村飛鳥
【4】酒船石(さかふねいし)遺跡
飛鳥宮跡の北東の丘陵にある、酒船石をはじめとする遺跡群。使途はいまだ謎に包まれている。
住所:明日香村大字岡
【5】藤原宮跡(きゅうせき)
持統天皇が694年に創都した藤原京の中心にあった宮殿の跡地。唐の都をモデルに造られた。
住所:橿原市高殿町、別所町、醍醐町ほか
仏教寺院跡
仏教が日本の国づくりに影響。寺院が次々と建立される
【6】飛鳥寺跡
596年に創建した、日本で最初の本格的な仏教寺院。蘇我馬子によって建立された。
住所:明日香村大字飛鳥682
【7】橘寺跡
聖徳太子出生の地。飛鳥時代の寺院配置をいまに伝え、百済(くだら)など朝鮮半島の影響も窺える。
住所:明日香村大字橘532
【8】山田寺跡
百済の寺院に近い伽藍(がらん)配置で、蘇我氏の一族・蘇我倉山田石川麻呂(そがのくらやまだのいしかわまろ)によって建てられた。
住所:桜井市大字山田
【9】川原(かわら)寺跡
飛鳥四大寺のひとつ(ほかは大官大寺、薬師寺、飛鳥寺)。国家寺院として扱われ、礎石が遺(のこ)る。
住所:明日香村川原1109
【10】檜隈(ひのくま)寺跡
渡来系氏族の拠点として造営された。朝鮮半島から伝わった文化や技術、飛鳥との交流を物語る。
住所:明日香村大字檜前
【11】大官大寺(だいかんだいじ)跡
飛鳥・藤原で最大の国家寺院跡。巨大な九重塔があったとされ、天皇を中心とする国家鎮護のため建立。
住所:明日香村大字小山、橿原市南浦町
【12】本(もと)薬師寺跡
天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を願って建立した国家寺院跡。現在の薬師寺の前身にあたる。
住所:橿原市城殿町
墳墓
豪族から天皇の時代へ。古墳の終焉と墓制の変化
【13】石舞台古墳
盛り土が失われ、巨大な石室が露出した日本最大級の方墳。巨石が大迫力で圧巻!
住所:明日香村大字島庄
【14】菖蒲(しょうぶ)池古墳
2基の家形石棺が納められた方墳。石舞台古墳と比較すると小規模だが、有力者の墓と推定される。
住所:橿原市菖蒲町
【15】牽牛子塚(けんごしづか)古墳
全国に5基しかないとされる天皇陵を表す八角形の美しい古墳。斉明(さいめい)天皇とその娘の墓とする説が有力。
住所:明日香村大字越
【16】天武・持統天皇陵古墳
天武天皇と皇后の持統天皇が合葬されている陵墓。天皇を頂点とする国家の成立を象徴している。
住所:明日香村大字野口
【17】中尾山(なかおやま)古墳
天皇陵を表す八角墳であり、火葬で単独埋葬されていることから文武天皇の陵墓とする説が有力。
住所:明日香村大字平田
【18】キトラ古墳
石室に四神、十二支、天文図などの壁画が描かれている。東アジア現存最古の天文図とされる。
住所:明日香村大字阿部山
【19】高松塚古墳
飛鳥美人で知られる「女子群像」など極彩色の壁画が有名。壁画は国宝に指定されている。
住所:明日香村大字平田
アクセス
「飛鳥・藤原の宮都」の各資産へは、近鉄吉野線(大和八木駅・橿原神宮前駅・飛鳥駅)、JR桜井線(畝傍駅、香久山駅)から、バス・徒歩・レンタサイクルで。