健康・医療

【薬と賢くつきあうために】シニアが意識すべきは“減らすこと”…医師が解説「同じ量でも高齢者では“効きすぎる”ことも」「既往歴がないなら何種類も薬をのむ必要はない」

糖尿病治療薬でカンジダに

 シニアこそ意識すべきは、薬を“増やす”のではなく“減らす”こと。実際に、薬をやめたり減らしたことで体調や生活に大きな変化が現れた人は少なくない。

 愛知県在住のTさん(58才女性)は5年ほど前に受けた人間ドックがきっかけで糖尿病だと診断され、気づけば毎日、何種類もの薬をのむ生活になっていたという。

「自覚症状はなかっただけに診断を受けたときは衝撃でした。すぐに服薬治療を始め、5年間にわたって3~5種類の糖尿病治療薬を服用していました。

 ところが、薬をのむと吐き気や倦怠感があり、さらにカンジダにも悩まされるように……。がまんしてのみ続けましたが、血糖値は一向に下がらない。それなのに、副作用を抑える薬が加わり、薬の種類は増えていくばかりでした」

 悩んだTさんは5年間通い続けた病院を変えようと決心し、別の病院を受診した。

「その病院の先生は、家族や親戚も含めた既往歴や副作用を丁寧にカウンセリングしたうえで、『薬効よりも副作用が勝っている状況なので、血糖値は現状維持を目標にしましょう』と、糖尿病治療薬を1種類に減らしてくれた。薬をのむ負担から解放されたうえ、副作用もすっかりなくなり薬代も減りました。

 肝心の血糖値はしんどい思いをして何種類も服薬していた頃と変わらないどころか、健康的な生活を送れるようになったことで体が整い、数値も下がりつつあります」(Tさん)

 生活習慣病の場合、Tさんのように同じ効能の薬を複数種類服用しているケースは多い。しかし、安易な服用は逆に健康を損なう可能性がある。

「既往歴がない場合は、本来たくさんの種類の薬をのむ必要はありません。血圧が高いからと降圧剤を何種類も服用している人もいますが、せめて1~2種類に減らすべきです。

 また、抗コレステロール薬はリバウンドがほとんどないので、やめるデメリットはほぼありません。99%の人は不要だと思います。むしろ“筋肉が溶ける”という重大な副作用があり、長期服用によって筋力が低下したり、関節痛が起こったりすることが添付文書に記載されている。患者さんのなかには、ひどい腰痛に悩まされていたのに、抗コレステロール薬をやめると、わずか2週間で痛みがすっかりなくなった患者さんもいます。薬の服用をやめたことで筋肉の状態が改善し、低下していた筋力が戻ったというかたも少なくない」(松田さん)

 また、基準値に惑わされず、自分に合った目標を設定することで減薬できることもある。

「そもそも日本の人間ドックや健康診断で適用されている基準値が厳しすぎるがゆえに、本来は必要のない薬を服用しているケースは多い。血圧は年齢とともに上がっていくものなので、高齢なら血圧の上が160から180でも薬が必要でない場合もある。

 医師に相談のうえ降圧剤を徐々に減らし、断薬したところ、それまで悩んでいた立ちくらみや倦怠感が解消したという例は多いです」(岡田さん)

のみすぎ注意!減薬を検討すべき主な薬
写真3枚

(第2回につづく)

※女性セブン2026年10月5日号

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