議員会館でアルバイトをするオバ記者が目撃した永田町のジェントルマンたち「エレガントな小林鷹之氏」「隙がない小泉進次郎氏」…異様なマスコミ関係者や“やらかし”も

常に世の中から注目される存在である国会議員。そんな人々と日常的に接する機会があるのが女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏だ。オバ記者が、議員たちの素顔についてつづる。
議員会館ですれ違う国会議員たち
「ね、それでどうなの?」と、同い年のW子がLINEしてきた。W子は好奇心がむき出しになると主語が消える。だけど私も私で「何よ。あれって、あのこと?」と返す。他人が聞いたら禅問答だ。
以前は、なんでおばさんたちは「あれ」と「それ」で会話が成り立つのか不思議だったけれど、それをいま69才の私はしている。
で、ニュース好きなW子が私に何を聞きたがっているかというと、連日騒がれている簗和生農林水産大臣のことよ。
話題の農水大臣と私に何の関係がある、と首を傾げる人もいるだろうけれど、いやいや、なめてもらったら困るよ。簗議員と言葉を交わしたことはないけれど、顔見知りだ。正確に言えばアルバイト先の議員会館の廊下でお顔を見れば、私は会釈をする。簗議員は「ん?」と不思議そうな顔をする。それだけのことだけどね。
とはいえ、すごいところで働いているんだなと思うことはある。廊下で会えば「オバ記者〜」と声をかけてくれるのは、元文部科学大臣の永岡桂子議員だ。大臣のときにインタビューをさせていただいた数少ない代議士なの。
娘が中学校の教員をしているW子は「も、文部科学大臣と話したの!」と私の顔をまじまじと見ていたっけ。とはいえ永岡議員は例外で、ほとんどの議員とは議員会館ですれ違うだけ。ここで7年、不定期に働いてきた私が言葉を交わしたことがあるのは、20人もいないんじゃないかしら。なんたって衆議院議員は465人、参議院議員だって248人もいるのよ。パッと名前が出てくるのは大臣などの“大物”か“やらかし議員”のどっちかよ。
いろいろな“やらかしジェントルマン”
そんな中で特別なご縁を一方的に感じているのは、総理大臣候補のプリンス・小林鷹之議員だ。5年前、初めてエレベーターに乗り合わせてから、いったい何度同じエレベーターに乗ったかしら。
先日もそう。私が先に乗っていたエレベーターに後から乗り込んできたんだけど、その瞬間、彼は正面の鏡に向かって髪を直したの。このしぐさはヘタをすると「オレ、イケメン?」のナルシストに見えがちだけど、そうじゃない。身だしなみを気にしての一瞬の行動なのは彼の目つきでわかる。まぁ、そのエレガントなこと。しかも、手にしたコンビニのレジ袋から透けて見えたのは英字新聞ときた。「東大、財務省、ハーバード大学留学はダテじゃないね」とその後、私はいったい何人に言いふらしたかしら。
それをいうなら、小泉進次郎防衛大臣も見事よ。彼を見かけるのは早足で秘書と歩いているときなんだけれど、いつも同じ笑顔なの。あれを見るたびに油断も隙もない、“プロ議員”と思うんだわ。秘書の報告を人前で仏頂面で聞いたり、声を荒らげたりすると、必ず誰かが見ているんだから。それで、見たら必ず人に話すんだから。

議員会館にはいろんな人が集まる。大きく分けると国会議員と霞が関の省庁の役人とマスコミと日本全国から陳情にやって来た人たちだ。バイトとはいえ、長らく出入りしていると、ひと目で区別がつくようになるのよ。中でも「あ〜あ」とため息が出るのは、マスコミ関係者だ。国会議事堂の荘厳な建物の床にべたっと座り込んでパソコンを広げている姿は、何度見ても異様としか言いようがない。
一方、エレベーターホールでキョロキョロ視線が落ち着かないのは、地方からの来客だ。彼らは地方ではそれなりの地位にある人が多い。事務所で彼らにお茶を出してくつろいでもらうのが私の業務のひとつで、時には国会議事堂内を案内することもある。もちろんほとんどは良識のある人たちよ。しかし、中には困ったおじさんもいる。
たとえば時間を守らない。それも早めに到着する。10分、15分なら調整のしようもあるけど40分、50分前に来られるとお手上げだ。かと思えば、みんなを待たせてお土産を買い漁る人とか、団体から途中で勝手に抜けてしまう人とか、まぁ、いろいろな“やらかしジェントルマン”が中にはいる。
でも、そうなると必ずといっていいほど、仲間内から黙ってフォローしてくれる人がいて、私は何度救われたかわからない。そして、暴走する人とフォローする人の違いはたったひとつ。本人の視野が狭いか、広いか。それだけだなと思うのよね。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2026年10月29日・11月5日号